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らんぷの灯の下で
古書を開く深夜のひと時 

遠い過去から 
著者のたましいが 
私にそっと、語りかける。 

いのちの宿る一行に 
無心で引いてゆく線は 
宇宙を貫く、流星です 
 ....
「 赤イ羽根共同募金ノ御協力、オ願イイタシマス 」 
後輩ふたりを左右に、僕はまん中で募金箱を首から下げて 
通り過ぎゆく人々の誰かの胸へ、ひとつの声が届くよう 
道化のふりした明るさで、一心に ....
誰もいない家の 
ベッドに一人横たわり 
イヤフォンを耳に入れ 
励ますような 
君の唄声を聴いていた 

窓から吹き込む夜風に 
カレンダーはざわめいて 
{ルビ捲=めく}れる暦の隙 ....
夕暮れになるといつも 
彼は施設の外に出て 
離れた更衣室の入口に 
ランプをつける 

施設の外の暗がりに
一日の仕事を終えて 
疲れて戻って来る人を 
(おつかれさま)と 
迎え ....
 少し前迄、初老の両親とこの店で食事をしていた。メニューを見る時に、視力の落ちた目を顰(しか)める父と母の前に座り、相変わらずふらふらと生きている自分を申し訳なく思う気持を抑えながら、何気ない会話 .... 車窓から眺める市役所の 
時計の針は17時47分 

僕は夜の映画館に向かって 
ゆっくり走るバスに揺られながら 
先生と再会したひと時を思う 

日中、母校の校長室で会った先生は 
 ....
忙しい日々から逃れ 
疲れた体を暖めようと 
平日の{ルビ人気=ひとけ}少ない温泉で 
頭の上にタオルをのせて 
露天風呂に沈んでいた 

ゆげの立ち昇る 
水面に 
現れては消えてゆ ....
真夏の夜の果て無い大地を 
月光に照らされた細長い{ルビ蚯蚓=みみず}が 
独りであることも忘れ 
只 無心に這っている 

それを見ていると 
たとえ独りでも 
この夜の向こうへ 
 ....
BOOKENDさんの服部 剛さんおすすめリスト(8)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
らんぷの灯の下で_ー深夜の読書ー_- 服部 剛自由詩609-10-10
赤い羽音共同募金_- 服部 剛自由詩5*09-10-2
夜の拳_- 服部 剛自由詩509-7-31
夜の明かり_- 服部 剛自由詩309-7-23
独白日記_〜今日の直筆ノートより〜- 服部 剛散文(批評 ...409-7-15
「_卒業証書_」_〜母校の教室にて〜_- 服部 剛自由詩509-4-6
泡の鏡_- 服部 剛自由詩1009-2-14
この夜の向こうに_- 服部 剛自由詩409-1-14

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