海の中にいた
ここは地球なのだが
靴を脱いでいるから
地に足が着かず
やわらかい席の
おしりの感触が消えそうで
前の席の 男の子 女の子
野鳥のさえずりに似ている
夏は タンパク質 ....
毎日通る道なのに
少し時間が違うだけで
まったく違う風景を見せてくれる
少し気分が違うだけで
知らない道に迷い込んだ気分になる
いつもよりランドセルが軽かったり
....
あなたがしんとしたので
わたしもしんとしました。
大きい紅葉が山の中で鬱蒼と茂っていました。
大きなどんぐりもありました。
わたしが笑い転げたのであなたも
笑い転げました。
....
だきしめてあげる きみのからだ
きこえてくるよ きみのゆらめき
しっこくのそらに またたくほし
めをとじて ぼくにあずけて ゆめ
てんしのはねも いまだけとじて
うしろからそっと ....
志を追う若き獅子たちを
愛した女たちは
身体(からだ)全体で
男たちを支え
苦を共にした
時には庇い
時には匿(かこ)い
時 ....
そんなこともあったっけ…
あれは息子と歩んだ道
四谷大塚の教本や模試の受験票が
ジグゾーパズルのように
断片となってパラパラこぼれていく
うまくつながらないのは
終わってしまったも ....
伝えたいことは
何を言っても
何を書いても
伝わらなかった
伝わったのかもしれないけれど
わからなかった
幸せは文字の中にはひとつもなくて
生活の中に
ぽっと膨らむ湯気みたいで ....
かなしくてもしあわせでも
かぜはいつかあめになってしまう
僕の知らないところでも
発電風車をすり抜け
ロウソク工場の煙をながし
ビルの隙間で口笛を響かせ
千切れた段ボールを蹴飛 ....
例えばわたしは赤信号しかしりません
博士はそれに腹を立てたのです
それから幾つもの工具を取り出して来たかと思うと
脳内チップを取り出しました
例えばわたしは赤信号をしってします
例え ....
たまの休日に友人と会って話をしていても、近頃はすぐに「何か面白いことないの?」と、まるでそれが合言葉であるかのように、たがいの口からとびだしてくる。生活に刺激がないのは、環境が違えどみんなおなじで、 ....
まだ、飛ぶには早すぎる
わたしは
滑走路を駆け抜けるほどの
強い言葉を知らない
まだ、飛ぶには早すぎる
わたしは
助走のために散らかした言葉を
犠牲にしすぎたから
まだ ....
わたしは生きて、息をしているだけだ
わたしの周りはガラスの破片でいっぱいだ、水浸しだ
真実というコップは落ちてくる
これだと強く掴んでしまえば割れてしまうし、
少しでも遅いと床に落 ....
雨が屋根をたたいている
夜は
この街の夜は いつも雨
世界を願う歌や 戦う人の歌を聴いた
胸焼けがするほどに湧いてくる
愛する人を失って家を無くしたら
私が家になればいいの きっと
わか ....
かなしみを
おもいだすために
すぼめられる
唇から
洩れる
外国の うた、
....
「はじめまして。」君の口からその言葉が紡がれるのが
怖かった
君を見つめていた時間がすべて
君を包んでいた空間がすべて
君を中心にしてまわっていた
僕の幻想が
壊れてしまう ....
必要 必要じゃない
大切 大切じゃない
好き 好きじゃない
君と僕の接続エラー
日常茶飯事接続エラー
「原因は不明です」
だって説明書には載ってない
それ ....
耳元に
汽笛がなにか告げている
窓には
楽団の景色や音色が
時折やってきて
後方へと過ぎてゆく
傍らの隣人が唄い
足元を
夜の水が辺りを
青く燃やしていた
楽しい音 ....
魂ヶ崎
たましいがさきで会いましょう
希望の岬で会いましょう
あなたが飲んだ、その泥までも
あなたが裂いた、その腹までも
すべてを洗い流した場所へ
....
悲しい時
少し
休んで
空を見てた
そしたら
自然と
悲しみから
すっと
解放できた
悲しい時
死にそうなとき
つらい時
空を見てごらん
勇気がわいてくるから
....
綺麗な星が見たくて
夜更けの出発を選んだ
トンネルはなぜ丸く作られたのか
考えてもそんな知識は持ってなかった
きっと美しいからだ
夜の新名神
県境を走りながらそういうことにした
小さなパー ....
陽のあたらない
暗い道を
ポツン ポツンと
とぼとぼと
ただ一人で
歩いて行った ――。
やがて むこうから 青い快晴のもとに
真っ黄色の向 ....
半分の月
半分の私
半分の影
半分の嘘
半分の過去
半分の夜
半分
しかわたさない
半分の罪
私は
_
なぜ、と
疑問を投げかけていたらきりが無いのですが
それでも脳内に渦巻いているそれらを
抑えておくのもどうも滑稽のような気がして
連絡帳を出すときにそおっと、
母の書いた言葉の後に慣れないボ ....
無機質な玄関で
蝉が震えていた
柔らかく透明な
命の中心を捕まえて
僕は木の根元で蝉を放した
けれどその木に蝉は止まらず
僕の掌を蹴って飛び立った
まるで七日間の全てを振り絞るよ ....
夢で見た
赤く透き通った海の中
銀色に光る魚
深みへ行くのを追いかけて
たどり着いたはカップの底
深茶色の積み荷の残骸
檸檬の種
皆何も言わずに
私を見てる ....
青空に舞い散る飛沫きらきらとプールに飛び込む少年の夏
呼んでいる遠い記憶の夏の声駆けて行きたいいつかの森へ
朝顔の花が咲いたよきれいだな笑顔も満開夏の絵日記
水平線の彼方に浮かぶ蜃気 ....
携帯をいじる人
周囲を気にせず大声で話す人
化粧をして顔を変える人
音楽に耳を澄ます人
集中して本を読む人
そこには「電車に乗っている」という佇まいをしている人はいな ....
境界の打ち水、
風が死んだ下町の昼下がり
狭い裏路地を通りすぎる
黒い日傘を差した女
夜に咲く花が匂う、
鉢植えの月下美人が
錆びた郵便受けの真下に
只ひとつ置かれていた
よう ....
{画像=080717222534.jpg}
心
静か
に、耳を
傾けよう。遠
くに聞こえて来る
....
何かにつけても
茫洋として寄る辺のない
暗い淵が見えるにもかかわらず
湿りを含まない
重さのない空気を吸い
吸うばかりでそのために
くらり
反転した写真のような明るさと笑顔の中
街を歩 ....
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