どうやら苦手なものに好かれてしまうらしい
人前で話すのはいつまでたっても苦手なままなのに
旧友の結婚式でスピーチを頼まれてみたり
不得手解消と中途半端な意気込みで卒業した英文科の呪いなのか
....
ある土地
最も重要な事件の起きた土地であり
最も重要な時間が流れた
ある土地の名
ある時代
名の付いた時代
不幸と幸福が仲良く住み着いた
誰もが知る時代
貧血の草茫々と黒い家並 ....
偏見を
もって見られる
この至福
自分の基準は
思わぬ個性
洗い立てのシーツに寝そべって見上げた残像は
なぜかいつもやわらかな笑顔でした
余韻にしては強すぎて 写真と呼ぶには曖昧で
水のように 焔のように とけてゆきます
残された絵の具だけ ....
空に そして風に
ひとり仲間はずれになった人のうた
掌に そして髪に
愛されなかった人のうた こぼれる
ゆるやかな夜のカーブ
時間をするするとほどく
リボンのように
冷たく光る夜のカ ....
忘れたわけじゃないよ
ただ忘れようとしてるだけ
どんなにラララと歌っても
ふと寂しさの穴に落ちるんだ
小さな小さな穴なのに
逆にそれで落ち込んで
圧迫する息を丸呑み ....
あ どうも こんちは
暑くなってきました でもまだ梅雨のようで
雨がしとしと降っているんですよ 降ったり止んだり。
雨は好きなほうですね
大雨や雪ってナンダカじっと見ていられま ....
どんなに顔がくずれても
涙がかわいたらお化粧をなおして笑顔をつくる
顔を洗ったらまた泣けばいい
悲しみや寂しさは敵じゃない
どんなに足が痛くても
夜がくればねむり、朝がくれば目をあけ ....
ビニール袋の柔らかさに
頬を染めた私は
君と手を繋いだまま
6月の冷たい雨に嫉妬した
鬱屈した気分を
なんとかしたくて
床下の君を
掘り起こしてみたけれど
既に冷たくなった ....
月のひかりに近い
比重の
愁いが
瞳から溢れたとき
あなたはすでに
詩人であった
淡い湖に半身を浸して
何かを探し求め
深層に沈む
リングに手をのばす
ひと ....
白い部屋 白いベッド
時計の針だけが 静かに動いてゆく
私は此処に
囚われている それとも
護られている
開くことのない窓から
中庭を見やる あかるい芝生に 木洩れ日が
揺れている ....
{引用=
ハイビスカス
なき濡れる ハイビスカスよ 咲かないで キミに会えない 夏はいらない
「あいつって…」 噂話が 気になって ゆるゆる溶ける チョコレ ....
○父
窓から庭のブランコを
眺めることが多くなった
あれにはもう一生分乗った
と言って
時々体を揺らす
背中が
押されるところではなく
支えられるところとなってから久し ....
まどろみは とうとう
流れ 流れ 夢をなう
漂い着いた 海峡の夏に
覚めきれぬ
想いのひらを あゆむ
深遠なうみの果て
空のはしを ちぎった 白いウミネコが、
つばさを止めて ....
[女子高生]と云う
必然的なブランドを持っている わたしは
勉強 部活 テスト 友達
いろんなオマケに追われながら
毎日を貪るように 喰らい
生きているような気がする
虚 ....
海へ行こう
冬の、風の穏やかな日に
波の音がすべてを包み
古い貝殻からは異国の歌が聞こえる
覗き込んだ水底には静寂とざわめく生命が
見上げた空はどこまでも突き抜けて青く
足跡は消え ....
端より 染まる
ひと刷け ひと刷け
うっすら
あかね終わるそらは るいるい
夏の夜に
開く
つくばう宵やみに
ゆかたの えりを
赤裸な
きみへの
ほてりが すべり落つ
....
明後日の今頃には
きっとわたし、泣いてる
ハナキンなんて言葉が流行ったっけ
週末の空気はほこりっぽくて
ろ過された部分だけを吸い込もうと
口を無意識にぱくぱくとさせる
大嫌いなもの ....
毎日毎日、私は生きてる。
何かを食べ、何かを排出し、何かをして、生きている。
毎日毎日、私はこなしている。
終わりなく続くように見える、隙間の開いたつり橋の板の上を、
無言で一枚ずつ渡るように ....
私は現在。
湾刀の先で風を切る一隻の、ゴメ
一隻の ゴメだ
これは帰れないみちのりであって
忘れていることなど何もない、道
ここに道があるからあるいて行く
あそこにはたどり着けないとし ....
これは2年くらい前に何気に書いた散文です。
ただ、これが自由詩なのか散文なのかわかりません。物語の主人公は僕ではありませんが、物語は僕が想像の中で体験した事実です。そういう意味ではエッセイなのかもし ....
誰もがやり直せることを
その情熱の持続を
誰もがひとりではないことを
奇跡を引き寄せるからくりを
その情熱の持続を
ぼくは証明したいのかも知れない
雨が降る青い ....
ころころ転がる
ボールのような毎日を
思うように転がせなくて
焦ってしまったり
怒ってしまったり
ぶつけて傷ついたり
気が抜けて凹んだり
それでもまた
弾みをつけて出かける ....
暑さにうなだれている名も知らない花は
剥がれかけたマニキュアと同じ色をしていた
使われているひとつひとつの配色が
くっきりとしたものばかりなのは何故だろう
まぜこぜしないのがこの季節で
....
季節を冷ますように降る雨に
一羽の鳥が耐えている
凍える鳥は自分を哀れだとは思わない
だからといって
鳥に悲しみがないと思うのは間違いで
たとえそれが哀れに見える鳥を見た
自分の ....
世界は円で完結する
民族も
思想も
姿かたちも
些細な異差の
凝縮された拡大
あなたのどこかが
もしも欠けてしまったとしたら
誰かと
手をつなぐとよいのです
....
6月25日 0:17am
パパとママが罵りあう声が床を転がってる。
なんで朝まで帰ってこないの、からはじまって
どんどん醜くなる言葉たち。やがて高周波に達する。
悲鳴は床にたた ....
1年ほど前から詩を書き始めた55歳の弁護士です。どうせなら芸術性のある詩が投稿されているようなところで批評された方がよいかなどと傲慢にも思い、あるサイトをのぞきました。そこに投稿されている詩もレスも ....
突然のことを「風」と名付けた
まだ受け身を覚えてもいない
優しい、と言われるほどに優しくはなく
平均化された僕らは、どこにでもあった
人がいなくなって初めての夏はとて、も暑かった
ぶら下 ....
泣いた。小さなサリナは口足らず
言葉足りないと
ねぇ、何も伝わらないね
そう言って流す涙
君の全てを物語っている様に感じた
僕は君の全部を知ってるよ
意地っ ....
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