すべてのおすすめ
はい、あげる。うれしかったよあのときは あのサボテンは枯れちゃったけど
朝からの風の匂いで
前線の真下にいると気付いたところ
一晩じゅう置き去りにした鍋からは
酸っぱい匂い、残る悲しみ
部屋干しの洗濯物に引っかかる
濡れた髪の毛
湿ったタオル
鉛 ....
群青の
天空見つめ
はっとする
あの日と同じ
月の微笑に
吹き付ける
風に心を
たなびかせ
愁いを飛ばそ
ひらひらひらと
ビブラート
きかせ ....
「この深い泥の中から拾い上げた錆びたマイクで自己紹介です」
胸と胸を押しつけても重なれなくて 鼓動の数は決められていて
灰の舞うプラットフォームを走りだせばほろびる前の ....
偏見を
もって見られる
この至福
自分の基準は
思わぬ個性
うつうつと気分すぐれぬ真昼なり比叡に白き水蒸気たつ
まばらにも家建つ土地に梅雨の雨青田潤し緑濃き稲
中元に妻と二人ほうじ茶玄米茶煎茶求めけり
窓ガラス滴る雫数えては不実な愛を嘆き悲しむ
雨の中傘もささずに飛び出せば君に出会えるそんな気がした
レインボウ追いかけて行くよどこまでもいつか君にたどり着くまで
紫陽花の冷たい青は君 ....
青年のヤンキー少女へすがりつく異国の街角金髪な闇
履歴書の渡す自分に行き交いに車の窓に束ねられた雨
いるホテルウミネコのいるベランダのいろいろに犬隅にて眠る
春のドライブ
空は晴れ桜の季節今日われら幸せのドライブに出てゆく
まったくに車は走らぬ鯖街道心は躍る陽のあたる道
さしてもの用もなきなり休日を三方の鰻「源よ門」にて
タンポ ....
{注=*高尾山口〜陣馬高原下〔東京都・神奈川県境〕}
☆
鉄路行くひとはしらずや檀香梅{ルビ=だんこうばい}
車窓はるけく 山蔭に噴{ルビ=ふ}く
☆
でんどこど ....
雨上がり。
外へ飛び出す。
思いきり風と交じって透明になる。
日はでても見えぬ季節と
なり タワァ排煙をのぼせ
葱嶺{ルビ=パミール}いよいよひかり
☆
むねをつく はばたきの音
夢ときえ
夜半{ルビ=よわ}の水面{ルビ=みなも}に ....
目覚めると輪郭だけが残っていた はまって遊んだあとで、笑った
ソファの上に速度の違う一日あり胸とくとく打つ猫と私と
いまはもう見えなくなった補助輪のかろかろ我の胸に鳴り在る
....
プランクトン)もろくほほえむ あいまいなかたまりをなんとよべば(さみしさ
月を浴びて淡く首筋に穿たれる窓の格子の十字架の影
切れかけの単三電池の瞬きをそっとつつんだきみのてのひ ....
傷つかず抱かれようなど抱こうなどいいではないかただじゃれあうの
痛いぐらいあなたを想ってできた口内炎みかんを食べて治します。
みかんにくっつく白いすじみたいにぴりぴり気持ち剥がして食べた。
ストーブの上で焦げる焼きみ ....
1という字のように立ち 一という字のように眠れ 孤独な無限
0なんて発見するからいつまでも君の不在が消えないままだ
ON/OFFのあいだに広がる宇宙にて親指は祈る メール、 ....
rule1; 安い男を選んでも安いホテルに泊まらないこと
rule2; 濡れたコートは玄関で脱ぎ捨て君を抱きしめること
rule3; 愛する人の背姿を30秒も見つめないこと ....
廃校の探検隊だぼくたちは廊下がミシンと鳴るアンダンテ
イチゴにも砂糖をかけるアキちゃんが横目で見ているスターバックス
算数が誰より得意なユウくんは今日も釦を掛け違えている
....
青空に舞い散る飛沫きらきらとプールに飛び込む少年の夏
呼んでいる遠い記憶の夏の声駆けて行きたいいつかの森へ
朝顔の花が咲いたよきれいだな笑顔も満開夏の絵日記
水平線の彼方に浮かぶ蜃気 ....
ケンカして さよならしたね 意地っ張り
百年経ったら キスしよう
タンスから わたしの写真 眺めては
涙してると おばあちゃんから
一度だけ 空のメイルが 届いたよ
返信しない 返信 ....
闇のなか灯し火あかい輪のなかに萎みゆく愛小刻みに揺れ
しみしみと冷ゆる夕べに二人いて噛み合ってない会話が続く
夕焼けにカーブを描き伸びていく廃線になった二本のレール