すべてのおすすめ
焼却炉に捨てられた明日
すくいあげた夏の横顔に
毛繕いを済ました嘘が
気だるく黄昏る
あなたと壊疽した月曜に
遠い過去からの絵葉書が
陰気な紙ふぶきとなって
豊満な口もとを埋め尽くす ....
あした咲く朝顔は
雨の軒下でこうもり傘みたいに
とじています
あしたも雨なのかな
朝顔って、おかしな{ルビ花=ひと}だね
傘をもって
生まれてくるなんて
いちど咲いたら
もう、とじ ....
みな
人の後ろを歩いている
いい人の
悪い人の
普通の人の
空から見たら
変わらない人となって
見られたい
ようには見られず
ひと固まりの雲が浮かんでる
まるで人の群れ ....
如何に生きた、尋ねる声がする
平和でした
知識と技術と民主主義の時代でした
学び続けています
誰かを助けたりはしませんでした
世間のひとすみで労働をお金に換え
蝸牛のような家を借り
....
すきなものがふえると
人はやさしくなれる
だってうれしすぎるもの
こころがくたくたになったら
うれしかったこと小出しすればいいや
キツイナがちょっとゆるむ
たましいがぱちぱちな ....
目の中でゴロゴロしてる
グリーンのコンタクトをつけて
それだけでお姫様になれると思っていた
風に前髪がなびいている
ピンクの髪留めをつけて
それだけで少女になれると思 ....
ギュッ と 搾り出した
いのち そのものが
ここにある100
パーセントの
ジュース
貴重
高価
とてもじゃ ....
また新しい朝をもらって
水をやりすぎても花は枯れ
日照り続きでも花は枯れる
足跡を残すために砂浜はあり
足跡を消すために波が追いかけてくる
有る ということについて
猫の前足の ....
腐ったってがらがらへびなんだよ
抜け殻だなんていわせない
赤外線探知装置のついた最新鋭の進化論さ
きみの白い指のぬくもりなんていらない
金子みすずのお月様なんて絵本の
せかいのデザー ....
・・・雨。
空は願いで満たされて
重く沈んでゆく(まるでヒッグス粒子だね)
それでも
雨上がりの夜空
皮肉でしょうか
なんだか空気が澄んでいるようで
夏のわりには
綺 ....
七つめの
星にうまれる
出会いかな
笹舟を
そっと押しやる
天の川
かきくもる
雲のかなたへ
駆けぬける
露草の
露のおもさを
つゆ知らず
透き ....
石で打たれるような
犬に追い立てられるような悲しさに
居ても立ってもいられなく
ただただ早く帰りたかった
日没に向ってひたすら走り続けた
貝のように固く握りしめている
決して手放し ....
猫踏んじゃった
猫踏んじゃって
猫踏んじゃっ
踏んじゃっ
踏んじゃった
猫踏んじゃった
猫踏んじゃって
猫踏みすぎて
悲しくなった
胸いたなっ ....
わたしは
時々
星になる
星になって
{ルビ盲=めしい}の
黒蜥蜴の歩む道を
照らしたいと思う
わたしは
時々
風になる
風になって
見えないけれど
触れることを
証明し ....
{画像=120705001029.jpg}
小さい頃の僕は
捜している物はいつも
手の届くところにあって
幸せだった
それが一段背が伸びた頃から
少しづつ遠くなった で ....
あなたがくれたのは、ムーンストーンのピアス
ほんとのお月さまがなくなったら寂しいだろ、だって
ちょっと救われた、そんなこと言わないけどさ
※ちょっと蛇足
向き合った途端、一瞬たじろいでしまった
あまりにも真っ直ぐに見つめられて
ファインダー越しに覗いた
淡いピンクの大輪
千重咲きの奥に守られている花芯は
何か語りた気に
唇をうすくほ ....
雨の糸
紡いで布を織る
星の子
風邪を引かぬように
七夕
願い事を書いた短冊
白紙の未来
ペン先がじっとみつめている
願い事
人の数だけあるのだろうけど
根っこのと ....
虹の画家の回顧展を見に行った
虹のグラデーションで染め上がられた
フォルムの絵ばかりが流布していて
そんな絵しか描いていない
と思っていたから
異形のフォルムを纏った
怪物のような ....
黒い木陰に巣くう羽根音
砕いた殻墓 添うて鳴く
まみれた草にのけられた
くちばしこもり 膝の上
はばたき とどまり うちふり さえずる
影に塗る 黄緑 黒 音は チチチッ
うま ....
この世でいちばん無用なものはなにかというとじぶんなのだが
それでは書き手がいなくなってしまうので
とりあえず駄文を綴れるうちは生かしておこう
いつも思うのだがじぶんを生存的に維持するだけなら ....
なんて
聞いたことが無いけど
情景が思い浮かびます
今 窓の外では
かえるの鳴き声がうるさいくらいに
田んぼに囲まれた土地柄なので
当たり前のことですが
月が見え隠れする ....
彼女がひと泣きするごとに
季節を担う歯車は
輪転の速度を速めてゆく
染まりきれない紫陽花は
彼女が涙を流すたび
移り気なほどに装いを替え
まだ蕾を持たぬ向日葵は
満開の太陽に憧れて
....
まるちん・るったー
ヴィッテンベルクで思索の散策中
村の娘をやっちゃった
長いおくれ毛、まあるいお尻
めくれ上がった唇が
まるちん・るったー
そそったと
まるちん・るったー
女子 ....
雨のあとが
ヘッドライトに黄色くなって
たぶん労りのこころを照らしている
ワイパーが運動している
ゼロに戻ろう
この空虚に
茫然としつつ
雨の横断歩道を見 ....
折り畳み傘の畳み方には コツがあって
器用ではないのに私は そこは 得意で
自慢するほどでもないことが一番素敵で
端麗に畳まれた造花の朝顔を傘だと指差した指が
私の人差し指をちいさ ....
窓を開け放ち
空気を入れかえる
朝の訪れを遮ってだらりと垂れ下がる
色褪せた思想を派手に揺らし
この胸を蝕み患わせている
積もりに積もった誇りや死っけを吹き飛ばし
....
いつの間にか、見えなくなってた
いつの間にか、聞こえなくなってた
いつの間にか、届かなくなってた
いつからだろう、この声が
空を裂いて重力通りに
地球に染み込むようになったのは
い ....
甘い誘惑はわたがしみたいにあたしにまとわりつく
でもね、いいことないみたい
苦い薬はね、頭にくるけどいいみたい
だって、ほんとのこといわれてるもの
おとなこども人は何回もそれをくりかえして ....
明日がやってくる
道すじに
サァァ、サァァァ……と
雨が降る
──誰も寝てはならぬ
けれど
そのうち
雨だれのアリアを
聴きながら
いつのまにか睡ってしまう
今日に
....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171