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ご指名は ときかれて
いいえ 特にないですと答える
チェーン店の美容院は こんでいて
手の空いている人が 洗髪したり
髪を染めたり 切ったり の方が
私的には 早く終われて良い気がするの ....
残されたものは 揺すられて
うわついた笑いが みすぼらしい
陰リの横に陽を積むように
水面をくぐって
目を開いてみたけれど
うつむく頼りなげな草見上げて のばす
わずかに出た指に重な ....
隣でだれかが死んでも
予定通りに旅は続いてゆく
人生は旅なのだ
人生はやはり旅なのか
悲しみに傷ついていいのは
たぶん旅びとの俺だけさ
あの時あなたのなかに入っ ....
あなたが悪いのよ
あなたが悪いのよ
ベッドに投げ出した身体は重く
やる気もなくイライラした私は
彼の胸をげんこつで
ドンドン叩いて叫んだ
あの人のことを忘れられないのは
....
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どうやらこの世界では僕が天使で君は女神だ。
背中の羽で飛び回る自由と好きなペアを弓で射る自由。
背の高い女の子と低い男の子、
気の強い女の子 ....
息を切らしながら山道を登っていくと
薄暗い脇道から片目のポインターが飛び出してきて
びっこの前脚で器用に跳ねた
どうしたらよいのだろう
何かの病で左目を失くしたのか眼窩は
底知れぬ闇 ....
港から程遠くない高台
急な坂をゆっくり登ると
桜の枝の間に覗く再建された天守閣
ゆったりと
本丸天守閣から海の風景が広がる。
遠く相模湾が霞み、その右手に浦賀水道
三方を山で囲まれた ....
何度も聴いているはずの曲なのに
今日はなんだか新しい音が次々と
聞こえてくるこれは一体どうした
ことだろういつもよりボリューム
が高いだけなのに指先のしびれを
感じながらもしかしたらこの痺れ ....
およそ百年前
大学二年の一人息子を交通事故で亡くした時
既に寡婦であった資産家の江古田夫人は
今度の悲嘆には到底耐えられないと思った
そこで息子のDNAを研究機関に預け
一年半後
スーパー ....
わたしのかわいい人
眠っているのか
死んでいるのか
肩だけで息して
しわを数えて
わたしのかわいい人
雨空はきらいだって
雨空が切れて
切り口に青空が光るから
それだけでぼくは雨 ....
あの{ルビ鋼=はがね}の壁を
いつしか破れると信じて
今日まで生きてきた
壁一直線に何度も叩いた拳は
赤鬼よりも おどろおどろしく
涼しげな白の壁が 次第に青くなっていく
この一振 ....
燃える
{ルビ椛=もみじ}を煽るように
わたしが吹きつける
燃える山
きみを理解したいので燃やした
わたし
を 理解しようと
祈りが増え
祈るための言葉が増え
言葉を行き交わせる ....
いつもの喫茶店
そこに座る。それは知っている。でも、正面きってだなんて話かけられないよ。
動きだしたい
したい-死体のような-この-こころ-----
作者不在の机を前に 作者不在の椅子に座 ....
小さくなっていくこと
悲しいと思ったことはなくて
けれどいつか
君の小さな手で
拾ってもらえなくなるのだと思うと
それはとても悲しいことみたい
君はとても
ていねいな人で
きっちり ....
顔を上げるとそこは晴れ
雲が犇めく青い空
或る者がそれを美しいと尊び
まるで人の心みたいね、と
浅はかなリリックを書き連ねる
それと恰度おんなじ頃
社会生活にあぶれた蛇が
安アパートのポ ....
春はGじゃん。卒業生の賞状筒携へてときめく去りぎは、風も温みて、
毛織物など{ルビ藍=いんぢご}の内にこそ重ぬれば綿の膝丈{ルビ袴=すかーと}ひらめきたる。
夏はのーすり。日頃の腕立てすれ ....
1)
庇には樋がなかった
コールタールの屋根をはげしく打って
雨は黒い路地に、まっすぐ流れおちた
ひくい窓を大きくあけて
わたしは雨の音を聴いたはずなのに
路地に敷きつめられたコー ....
小皿に食べかすの
干からびた梅干しがのっていた
なぜか醤油の渇いたぶつぶつのシミもあった
これ、おまえの食べかすやろ、
ぼくがそう言ったらきみは笑った
俺、梅干しデカ ....
僕らがコンビニと呼んでいる
長細い直方体には
どんなものでも揃っている
弁当もポテトチップスも
洗剤や電池や、ティッシュまで
だから僕がその日
その、冬 ....
クルマはしんとしています
埃の匂いが湿っています
くもり空の朝
東京ではじめて運転します
なわとび
正解
かわいいな
ベランダ
吐息
かわいい ....
おおらかだ
笑い声って おおらかだ
笑い声に出会えた日は 幸せだ
高台にある 小学校に
ソプラノの歌 響いて
ひざしが からっぽになる
水は だしっぱなし
生けすの 魚がはねた
....
どこかで誰かが泣いていた
悲しくて
それとも恋しくて
※
悲しさに理由なんていらないけど
流した涙はしょっぱくて
それでいて仄かな甘さなんて感じてしまう
なぜって
....
猫 呑気にたんすの上
バスケットの縁に首をのせ
顔だけ見せてご挨拶
声にならない鳴き声で
名前を呼ぶとニャンと鳴く
小さな口でニャンと鳴く
小さな声でニャンと鳴く
今日も呑気の ....
肋骨の奥
さざめく{ルビ内海=うちうみ}
水面には
破砕された斜陽が撒かれていて
大都会みたい、
いつか つながっているという証明すらあった
いらない町みたいだね、
と つぶやくにも莫大 ....
あなたに刺さるだけの棘
あたいは花の咲かない薔薇だから
花の咲かない紅い薔薇だから
眠気眼のサラリーマンは
今日も大きなあくびをする
長いコートに包まれた
少し猫背なその背中
「いってらっしゃい」と声をかけたら
「いってきます」と言って
背筋をピンとのばした
....
ひものついた雪が
首の下で揺れる
残されているのに
しばられて
くずれていく 雑な音声
ふらついて
たてついて
鳴るはず も
ない すずやか
な 声
冬の気配を感じる日
信号待ちの足元に
からから枯れ葉が舞っている
まるで君の言葉のよう
冷たい風に吹き負けて
枯れてしまった君の言の葉
....
悲しみは空っぽな鳥かごの中
小鳥は遠く離れて野原の地面の下
ひとりぼっちで目を閉じ埋まっている
柔らかな羽毛に包まれた小さな体は
土が含んだ夜露に濡れて
悲しみは流れ星の掠めた夜空にいつ ....
台詞が浸透する
蝶じゃなくて花なんだ
月じゃなくて太陽なんだ
生活に懐かしい呼吸が舞う
遠くから見守っていた蝶が
夜のとばりのつぼみにとまる
戯れながら休息を得たなら
朝日を浴び 光 ....
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