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食事を邪魔された黒猫は
あんぐり口を開け、あらぬ方向を眺めた。
何かが見えるようだが、
飼主に頭を撫でられ、首を大きく伸ばした。
彼女は飼主が好きなのだ
視線を合わせたままにゃーとなく。 ....
それらをぼくは追いやって新しく息をしよう
それらをぼくは追いやって古くからの息をしよう
新しくて古いぼくは息をしよう
東大阪の公園で中国人のこどもたちが日本人のこどもたちを追いや ....
駆け上がったスケールの天辺で
頭にティアラを乗せられた途端
3オクターブ下の森へと転がり落ちた
黒鍵に打たれた身体に赤い痣が散る
地面に投げ出された
ティアラの真直ぐで静謐な輝きは
脆い影 ....
鳴りやまない星が
寝床に降る
重さに抱かれるように目を閉じる
もしかして
もしかして
もしかしてと鳴りながら
おなかの中を撫でられつづける
そのまま長い針がひとまわり
するまで
....
ユキオに乳房を噛まれるのをヨシミは歯で叩かれているように感じていた
部屋の窓からのぞく欠けた月を見つめていたらじぶんが死ぬとしたら地球でなんだと思った
そしてなんだか深い愛情をヨシミはじぶんのなか ....
社会をはみ出し
坊主とやくざ
空(くう)に
般若心経撒き散らし
それ 有り難がたや
有り難がたや
老若男女が踊り狂
え〜どえ〜どの断末魔
江戸八百八町
と言える都心は ....
濡れたままで立ちすくむ
シャワーがザァザァと音を立てている
頭から水に撃たれたまま僕は
君の記憶すらも流してしまおうとしている
モウドウデモイイヤ
光を感じることができなくて
荒む ....
やさしさが舞い降りる夜には
てのひらの温度が少しだけ
高くなるのかもしれないね
指の透き間から流れて行く光たちは
零れて終わってしまうのでは無くて
それぞれの辛い道のりを
....
逃避するのは
悪いことじゃないですよ
カウンセラーはそういう
あたしも うまく
逃避して
現実をやりすごせるようになった
でも・・・
キミのことだけは
逃避すること ....
空き部屋になって久しい一階奥の角部屋
いっこうに入居の気配感じられなくて
郵便受けはチラシとかで溢れている
ポスティングするのが仕事なんだろうけど
声をかけたとしても臆すること無く
ほん ....
あらゆる情念は鳥のように去りゆき、今やもう海の彼方
きみの温めた卵はもう何処にも見当たらない
いづれ粉砕されるのを知りながら体温を分かち
最後まで希望と名付けることはなかった
そんなきみの熱情 ....
君は風船だ
空高く昇って行くのだ
目一杯膨らんで昇って行くのだ
しかし、
パチンと割れたらもうおしまい
だが
君は空の高さを思うのだ
内なる圧力を思うのだ。
僕はポンプだ
君を目 ....
第一幕 (森の妖精たち)
矢継早に、四方より登場
わたしは、碧――
贅沢に華を散らして
眩しい朝の陽を浴びた葉桜のように
濃淡の影も爽やかなみどり
わたしは、黄色―― ....
その意図あなたへ
丹精こめて織りました
今のわたしの全力です
受け取ってください
春がめぐる
Tシャツ一枚で飛び出した
始まりを予感させる陽気のただなかに
死んだ季節の影法師
....
進化の枝につかまって
落っこちそうになりながら
僕らはみんな五本指
ものをつかむための指
進化の枝につかまって
落っこちそうになりながら
僕らはみんな四本指
速く走るための指
進化の枝につかまって ....
ようやく僕の窓にも光が差して来て
暖かな日差しを感じるようになって来た
めいっぱい窓を全開にすれば
この病んだ部屋にも新鮮な空気が入って来て
まるで心が洗われるよう
しばらく窓辺で風に吹 ....
5
成り成りして成り会わないところと
成り成りして成り余っているところを
刺しふさぐ
ため
類人猿は歩きながら
歩きながら
空腹を覚え
傍らの虫を食 ....
人工のひかりを掻き消して
頬を青暗く染めるのは
ぼくのピアノの音だけだろう
難易度F別れの曲など弾きながら
きみ訪ねてくるのを待っている
東名高速を走りながら
....
中洲に立ち止まった時間
初めてなのに何故だか懐かしくて
辿った記憶の終着点には
少年が笑いながら花を引きちぎっていた
涙腺をどこかに落っことしてしまったことで
確かに愛は死体となった
....
かび臭い二月に始まる
情けない恋のうたをサチコに
ぼくはある日
茶色い少女に恋をする 髪も制服も靴下も
少女は教室で教科書をカバンに詰め
僕は黒板のようにそれを見ていた
せっかくの ....
日曜日 桜ははけて 古城を囲うお堀の濁水が媚びさえ売らずぬるく照り返す水面の気がよく晴れた正午すぎ
ごくごくささやかに 家庭的なもののなぐさめを求めてスーパーマーケットへペダルを漕いで行く
わ ....
エスカレーターに乗ったらAKB48の特大ポスターだらけ
メンバーそれぞれがアイドルらしさ決めている
化粧品でもと立ち寄っただけなのに
ちょっとびっくしだよね
私かわいいでしょって屈託の ....
成り成りして成り会わないところと
成り成りして成り余っているところを
刺しふさぎて
霧に包まれた丘の上に浮かぶ洋館
その二階の出窓は開け放たれ
類人猿の咆哮が丘の下まで響き渡る
す ....
Gee,rubs you,yeah,yeah,yeah
自慰 rubs you,yeah,yeah,yeah
爺 rubs you,yeah,yeah,yeah,yeah
カアちゃん女じゃ ....
死んだ後もしばらく
髭は伸び
爪は伸びた
倒産会社の残務整理のように
皮膚はとまどいながら惰性で仕事をした
死が内側から行き渡るには
相応の時間がかかった
この人の腹を拭う
動 ....
宮沢賢治とは
修羅である。自分の存在を青い有機交流電灯の照明だとする。
人を食らって生きて行く。
焼身願望
人のためとは
赤い眼をした鷺の視線
己 誰かの視線
カンパルネルラの自 ....
四月
{引用=Ape real et p reel
A pull eel Apple wheel}
赤いあめ玉あなたにあげる
あまいあまあい愛をあげるよ
あたしのあんよはあめんぼ ....
私は
歩いて走って揺さぶられて
変わらないものを探した
第一に人間は除外
なつかしの味も朽ちていく
建造物も壊れては
人間がつくるもの大抵
それならましてや見 ....
大阪に引っ越してきてから
足元を注意深く見るようにはなったが
以前のように、空を見上げることは少なくなったかもしれない
目まぐるしく流れていく時間に憧れて
気付けば270円の足に依存してい ....
碧く淀んだ沼の天空に
鈍く光る月明かりを
じっと受けている猿一匹
沼の水面から首を出し
辺りに潜む得体の知れない瘴気を伺い
この沼が池だった頃の
(猿の)古老の話を思い出すも
早くこ ....
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