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凪の海からひとつ
またひとつ
大小のみずばしらがそそりたち
消えて
また生まれ
抑揚
クレッシェンドが見えてくる
乳白色に似た
朝焼けの視界
ヌードカラーのドレスで歩む
なんらかの ....
ああっ、そういえば昨日だったんだよね
意図的に忘れてた訳じゃないし
これって何なんだろうね
「どうしてなんだよ!」
面と向って尋ねられたとしたら何て答えるべきかな
えっとさあ…
....
{引用=
おまえの気まぐれさは 朝霧のようなもの
昼がくれば晴れて 夜がくれば澄み渡る
古代ローマの少年王ほど 傲慢ではないが
猫なんて 可愛いらしい無邪気さでもない
濡れた衣服を ....
内から歩いた昌平橋は
橋の欄干鉄骨造
頑固に昭和を語っているが
通る者皆急ぎ足
君に会いたい訳でなく
季節外れの花粉症
マスクの中から見る川面
鯉が悠々縄張り確認
外から歩いた ....
*
それなりの道具を使い
ぐっすりと眠るだけの
疲れがあった
遠き日の村境
名もないわたしたちの
リアカー
人と生業があり
忍び泣く声も聞こえず
野辺や軒先は
ゆっくり ....
{引用=
海をぬけると…
ここは、違う国
この世界に一つだけ、二人だけの
バレンタイン・デー
今年はどうしますか、
きみの気持ちは かわっていませんか、
それならば、飛び切りの
....
銀のトレイン
夜を切り開いてゆく
その中で
静かな
穏やかな
フィルムをめくると
繊細な彫刻が並ぶ草の原
その中に
招き入れられる
きみは愛されている
きみは感じるままに
い ....
いっそのこと泣きくずれてしまいたい
切にねがった 冬の夜
凍りついた感情をさらけだせず
夜風に旅立っていくのはいつだって
かりそめのわたし
一面の雪に埋まってしまった
ぬく ....
硬い
石の群れに
たまに
私も呼吸を忘れる
人肌の
暖かさも
しばらく
思い出していない
交わるようで
交わりきらないのは
きっと
全てのことに当てはまるようで
母の胎 ....
孤独を研いで研いで研いで研ぎ澄まして
誰一人いなくなってから僕は
ヨーロッパへ向かう飛行機に乗る
後に思い残すことはもう、ない
まぶたの裏に懐かしいバラハス空港を思い描く
地下鉄に乗って ....
冷えたワインを片手に
盗んだ車で
湾岸線をドライブ
ぼくときみは
ボニーとクライドを気取って
飲み下すワインが
弾けるようなスピード感が
心地よく
ぼくを酔わせる
....
中二のとき家出をした
ぼくはすこし複雑な環境にいた
遠い親戚が経営している病院の
ぼくは病室をあてがわれて住んでいた
妹にはその隣があてがわれていた
病院の四階が院長夫婦 ....
何処へ行けばいいんだろう
絡み合えず溶け合えず
気味を隠しておどけてみても
化けの皮はすぐ剥げる
今度こそはと
無駄かもしれない抵抗を試みてはみるけれど
戸惑うばかりで動けやしない
....
あかちゃんとぬいぐるみが
丸い背中を並べて テレビを観ている写真
あなたのページに
詩と共に貼られている
今だってあざやかに
「どうしてだい?
どうして、あなたが。」
そんなふ ....
翔けだした
雷鳥さえも追いつきはしない
億年の過ぎ去った
海峡の、氷河の流れに
止められない想いを抱きしめては、
巨きな犬の背にまたがり
髪をふりみだし
人のすがたなどでなく
....
綺麗な花 綺麗な空
何の絵の具を使えばいい
汚れた壁 汚れた水
何の絵の具を使えばいい
所詮誰かの額の中を
彩る小さな存在で
歪な影 ....
朝一番に窓を開けると真っ白に吹雪いていた
時が流れるにつれて徐々に雨へと変化して
暮れる頃にはそれさえもあがっていた
駅の改札を抜けて家路につく
空には呑気に星がちらついていて
コー ....
私のおなかの上で赤鬼みたいな怖い顔をして
額の汗を拭おうともせず
力強さこそが総てと容赦ない恥骨の痛みに涙を流す
*
さきほどまでの赤鬼が嘘のような寝顔
横になって見つめれば不思 ....
キィィィィ ンンン
鳴っている
塾帰りの娘を迎えに来て
路肩に車を止めてエンジンを切る
ガラス1枚隔てられただけで
街のノイズは膜を張られ
夜の静寂が濃くなるから
ィィィィィ ....
きみを抱きたい
でもそれはデリケートな問題らしくて
うまくいってない
きみは降水確率0パーセントの晴れの日か
降水確率100パーセントの雨の日にしか出掛けないの
いま ....
鬼がやってきたので 福豆を袋ごと投げつけた
クイックモーションから全力で投げた
「 俺が大殺界だってこと、わかって来てんのか! コラ! 」
鬼に投げつけた袋を拾うて ほぼゼロ距離 ....
大きな河がある。
河原の茂み越しに夕日が沈む
大きな赤い夕日が沈む
川沿いの巨大な倉庫の
グレーのシルエットを引きずりながら
大きな河がある。
河原の水際にホームレスのホーム
ホ ....
奇数行 奥主 榮
偶数行 鵜飼千代子
草むらにもぐりこみ
地平線がゆるむころ
息をひそめた虫たちは
オパールの海が{ルビ有明方=ありあけが ....
あたたかい紅茶にはちょっとだけ
はちみつを入れておいたよ、砂糖のかわりに
水玉パジャマのきみはまだ半分夢の世界
昨夜はずいぶんうなされていたね
朝食の香りに鼻をくすぐられて
ふんわり毛 ....
サラみたいにさ
ピアノでロックを歌いたいと、思っていたから
キーボードを買った
トランクに積んで、運転席からメロディーを紡ぐ
音楽を思うと、ときどきからだが、高校時代に浸される
私立校の ....
痩せて行く月を眺めながら
君はにこやかな笑みを魅せ
二人っきりの時間はそんなに無いはずなのに
黒猫は二人の間を取り持つように
しっぽを足に絡み付け媚を売り
君はそれににこやかな顔で応 ....
都会を知らないじゃがいもは
わけもわからず大阪方面の電車に乗り込み
その行く先を疑いながら
車内アナウンスだけを頼りにしている
スポーツ新聞の大きな見出しは
仕事とばかりにこちらに笑いかけて ....
{引用=
赤くて甘い熟れた先端よりも白くて硬くてすっぱいお尻を
齧ったときのほうがずっと春に近づけるんだってさ。
朝から晩までへたのまわりに齧りついたのに、今日の天気は雪です。
舌がただれて痛 ....
厚い一枚板のカウンターに2杯目のカクテルが運ばれてくる。
君はウエイターに軽く会釈すると、すぐグラスに口をつけた。
鮮やかなライムグリーンのカクテル。グラスのふちについた唇
のグロスの跡を ....
■罫線
歩くことなんか出来ないってわかっていても
真っ直ぐに続く道を知りたかった
言葉はあまりにも無防備すぎて崩れそうで
その柔らかさを利用して思い切り固くした
発しては、ほろほ ....
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