はかりしれないほど
スィートな加速度で
ぼくたちは走っていたので
日々の円周ばかりを、何十回とまわり
あしたの記憶だけ
どこかに置いてきてしまった


クラクションが、鳴ってる

 ....
 教室で心くだいた
 日々も過ぎ
 今日はすずろな心地です。


 いまや厚い雲壁の鎖はとかれ
 世界はつめたく
 何も教えてくれません。


  それは幸いなるかな…


 ....
鏡台のまえに座り
紅をひく
雨音が
静かにへやを満たす
なにをするでもなし窓の外へ目をやる

何億年もの上空で
移ろうおもいが重さをもって降ってくる。
そう何かで読んだことがある
こ ....
はっぱをめくればなめくじ

みんなにきらわれて
しおをまかれたりする

おまえなめくじ

うまれてからずっと
からだじゅうでないている

おれだっておなじ

みんなにきらわれて ....

降るのかしら。

先のことなどわからないから
ただ ありのままを見つめる

内側で降る
血の流れが
どうしようもなく
わたしを形作り
{ルビ廻=めぐ}る

こんなにも
 ....
{引用=(どうか、ユーエフオーと発音してください。)}




光る
夜の光
それは星でも 月でも 街の灯りでもなければ
眠る人々の心に点る
ささやかな光でもない
それはやってく ....
真夜中のとばりに一人きり
風の音に目を覚ます
横に眠っているはずの君は
ここにはもういなかった

君は私の右腕に頭を預け
その髪の匂いに微睡んだ夏
あれからいくつもの季節が過ぎたけど
 ....
郵便受けに溜まった新聞が日焼けしていた
古い日付は、風に晒されて
更に風化した遠いあなたの
背中に張り付いて 
帰ってこない のに


201号室の、窓から入る西日を受けながら
忘れて ....
白い
湖の上に立って
寄り添いながらじゃれては離れる
二匹の犬を見ていました
灯台の麓では、おじさんが夕暮れの写真を取っています
私に気づくとレンズが光りました


孤独が

 ....
悲しい夢を見たあとに
声を上げて泣いてしまったのは
その夢が悲しかったからではなく
その夢が現実にほど近い
記憶だったからかもしれません

昔のことですから
もう数えきれないくらい繰り返 ....
気が付けば、漂流している目覚め
手を伸ばすその先
十センチメートルで
落ちるばかりになっていて
とりあえずここに、漂っている


どうやら
世界の端は滝になっているらしい
落ちてしま ....
こぼれおちてゆく
砂の一粒一粒は
空白を埋めるように
足元に降り積もる

ひとひらまたひとひら
音もなく淡雪に似て
けれどそれは
削られたあなたの欠片だから
冷たさにひるむことなく
 ....
ド レ ミ ファ そ ら
そ ら

その間にもたくさんの音があることを
君が教えてくれた

少し高めの声で
好きな歌をうたいながら
ささやくように
その歌に似た会話をして


 ....
深い深い闇の中
銀細工の触手は侵食する
私の心を
または灰色に死んだ浜辺を

その時君はジョナサンのテーブルに座って
今日何度目かのため息を
キャスターの甘い香りと共に吐き出している
 ....
こうして私は
詩なんて書いてはいるけれど
本当のところ 
言葉なんてちっとも信じていないのです

全てを書いたと思ったその瞬間から
何も書けていないことに気付き始める
どんな言葉でノート ....
摩天楼の隙間から
太陽の光が降り注ぐ
しばらく闇に棲んでいたから
容赦のない太陽にさらされて
思わず猫のように目を細め
心までも裸にされたような気分

私が裸であることに誰かが気付き
 ....
ふいに君と目があってしまったから
とっさに空を見上げて

あっと声をもらしてしまった

そんな僕を見て
君も不思議そうに空を見上げる

めずらしい鳥が飛んでいたんだよ
なんてもっとも ....
肩に触れていたなだらかな重さが
消えていることにふと気づくとき
部屋のなかを見わたす視線は
ほんの少しだけ傾いている


今日も夕空を見忘れて
蒼い窓を通りすぎ
破りとられ ....
一限目 数学
 ただ何事も無かったかのように
 男は黒板に数式を書き足していく
 黒板がすべて埋まると消して
 再び数式を書き始める
 数人の未成年がノートに書き写していくが
 誰も男の背 ....
やがて、それはゆっくりと始まる

誰も気付かない視点の高さ
から、夜は上昇していく
もう僕らは沈み込んでいる歩幅
もがくよりも深く落ち着いたリズム
呼吸はあちこちで燻っていて
平面に広げ ....
「京都へお嫁に行ったら苦労するよ」
関西にいたら一度は聞く
でも君を見ているときは
そんな言葉はどこかへ飛んでた

カマカマカマカマ カマ カメレオン…

私はアホみたい方向オンチやから ....
ぼくはずっとロバと一緒にくらしていました

その子は優しい目をしていて

いつもぼくのおなかに鼻をくっつけて眠るのでした

ぼくらは仲良しでした

ぼくがさびしいときロバは
 ....
火の色は白い
激しく高らかに燃える
わたしは
燃え尽きて
白い灰になりたかった
(ぽとり)

点滴1本3時間

(ぽとり)

ペンとノートがあったら詩の一つでも書けそう
だけど悲しい詩になりそうだから書かない

(ぽとり)

透明なビニール容器から
半透明 ....
ひどい青さの落果
そんなに思い出を失くしてどうするの?
夢をみてるのね
ゆるい傾斜の果樹園で
ひとつひとつの木には
実がふくらんでいて
それいぜんには
花が咲いていて
遠い

息が ....
毎日が 
ずっと、遠浅だったらいいのに

って、言ったのは
あなただったか、わたしだったか、
もう わすれてしまった
うつろいやすいふたりだったから
ただ
手をつないだ

波が
 ....
さいとういんこさんのお腹は大きい
大きく膨らんでいる
さいとういんこさんの子供が大人になる頃
僕はもう59歳だ
それまで生きているかどうかわからない
生きているつもりもないし
自信もな ....
いつものように
なんでもない顔をして
駅で電車を待って
頭ん中だけで
僕は僕を{ルビ撲=なぐ}っていたんです。

ふとしたことで
泣き出しそうになって
そんな自分がどうしようもなく
 ....
さみしい唇が
のどに鈴を付けて
歩くたび揺れて鳴く

顔迄這い上がる地熱はゆらゆらと
蒸せかえる
濡れたアスファルトの匂い
空は墨青を垂らして


飼育箱の中は授乳室であった

 ....
からだの曲線にそって
あなたは
かんたんなじゅもんなのだと指を折った
てのひらをそっとひらいて
りゆうもなさそうにわらった時
すこしだけ
えんえんとつづいてゆく
朝の風景を おもいだして ....
服部 剛さんのおすすめリスト(3167)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
クラクションが、鳴ってる- 望月 ゆ ...自由詩13*05-6-4
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メゾン_『ノワール』- 千月 話 ...自由詩34*05-5-30
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四角い空の下- 快晴自由詩2*05-5-26
そのとき鳥は飛んでいなかった- ベンジャ ...自由詩6*05-5-26
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授業- たもつ自由詩805-5-25
遠浅の日々- 霜天自由詩1505-5-25
京都はきまぐれ- 木葉 揺自由詩13*05-5-25
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さいとういんこさんのお腹が大きい5月22日- いとう未詩・独白1505-5-23
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ビオトープ- フユキヱ ...自由詩805-5-23
星めぐり- はな 自由詩39*05-5-22

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