現実を求めながら夜を歩いた
そこかしこに散らばるそれに
触れてはみるものの
まるで伝わってこない
思考の淵をさまよって
一人 呆然として
目の前にあるコップが
つか ....
毎日
私の仕事は丘を越えること
今日は比較的緩やかだった
この仕事を始めた頃は
それでも驚いてしまうほど辛かった
もう
幾つの丘を越えたろうか
毎日が惰性であり挑戦でもあった
....
僕は以前、このフォーラムの雑談スレ5で、風さんが、幾度か発言されていたのを見た。
円谷幸吉さんの遺書について紹介していたのをよく覚えている。
事情により退会されたが、独特の文体は異彩を放っていた。 ....
あなたが後ろを向くと
私の胸から
レモンスカッシュが吹き出した
瞬く間に水の幕をつくり
私の前を一面覆う
そっと指で触れてみる
波紋は広がる
ほんの少し振り返った
あなたの ....
娘は将来アイス屋になりたいと言う
好物のアイスを好きなだけ食べられるから
ではなくて
沢山の人を幸せにしたいからだそうだ
いっしょにお風呂に入ると必ずその話題になって
バニラ ....
細い月のような{ルビ眼=まなこ}で
わたしを見上げ
気怠い午後
ちいさな女の子は
においで愛をおぼえ
耳、伏して
鼻、冷たい鼻
しっぽは昼間にある月を指して
わたしは、その背中 ....
想像するだけで
素晴らしい世界になるような
幻想の罪やいかに
僕はジョン・レノンなんか嫌いだ
ヤツの歌を口ずさみ
ラヴ&ピースなどと口にする連中が
地道に働くしかない僕達を指差 ....
消えていく
痛みをなぞりながら
その痕こそが
証であるかのように
鮮やかに
鳴いている
幾羽か、を、目に
焼き付けることもなく
空の夢をよく見るのだと
その人はうつむく
....
ひらひらと迷い込む木の葉
切り株で一休み
「こんにちわー!」なんて何も知らず
暖かい微笑みで
「十分休んでおいき」と言った
切り株の声、コントラバス
奏でる物語に聞き惚れて
切り ....
最初にぼくたちは井戸を掘った
深く掘り進めば
清らかな水が湧き出すと信じた
けれど 掘っても掘っても水は出なかった
そこでぼくたちは業者を呼んで水道を引いた
それからぼくたちは ....
横断歩道のストライプを
白のとこだけ踏みながら
ようじんぶかく歩いて
見上げた歩行者用信号の青が
点滅をはじめて
スクランブル交差点が早送りになって
ひとりだけスローモーション ....
どうにもこうにも
犬の糞をふんずけてしまった時みたいに
マヌケだ
きれいにかしこまった感じで
「どうでもいいよ」と
受話器からのご返事
ああ
がぶがぶとポカリでも飲んで
その後ティラミ ....
ステンレスキッチンに置かれた
一枚の紙切れ
強烈に窓からそそがれる
陽射しにめまいしながら
水をのんだ
昼の電波網では
とにかく男と女が終止
運命の出会いをくり返している
のに中庭には ....
空が一人で降りてくる事の無いよう
山がいたりします
雲が寂しがらないよう
風が一緒に流れます
木の幹が温かいよう
日が優しく話しかけます
全部優しくつながってる ....
夜中にふと
トイレに行きたくなる
でも起きられない
ほんとはまだわたしは眠ってる
暗闇のなか
いろんなことを思い出す
並列した思い出たち
クリックしたらすぐ次のページに行くよ
かな ....
※過激な表現と受け取れるものが含まれています。気分を悪くすることもあるのであらかじめご承知ください。
死ねないから 死なないのか
死ねないから 生きるのか
流れる紅い血を眺めれ ....
私は大丈夫をいくつ届けたのだろう
透明な彼女は
今にも白い光の中 消えゆきそうだったのだ
”四六時中”は彼女のそばにあるけれど
重い闇だったと泣いていた
透明な手足をうんと伸ばして 世界 ....
地底のマグマを噴出し
地形を変え続けるガイア
低いところに水を蓄え
緑を育てるガイア
あなたのぬくもりに包まれて
無数の命が育まれる
何もみかえりを返せな ....
鳴り響くパソドブレ
小さな扉が開いたら
まっすぐに駆けてゆくから
今、一番の死をちょうだい
マタドールとまた踊る
紅い波が憎らしく
私は私の方法で
あなたをもっと振り回してやる
....
暗い土手をみんなで歩いた
川の流れだけが静かに聴こえる
誰かは「またな」と手を振って
誰かは「もう会うこともないだろう」と
静かに呟き、どこかへ行った
一人減り、二人減り
友の口も段々 ....
くちぶえがきこえた
まだうまくはしれない
こいぬのよこで
のんびりはしれ
ってうたってた
くちぶえがきこえた
やくそくをわすれた
おもいでのかいだんで ....
*
僕たちは午後から出発した
地面に句読点をつけるよりも速く
きれいな風が僕たちを追い抜いていく
足もとを通り抜ける
小さな音が風を追いかけていく
白いページにやがて日が傾き
それぞ ....
ぼくらは原始時代とか例えば雷を恐れて、んで
いけにえとかささげてたわけじゃないですか
でもいけにえとか関係ないですよね
別に神が怒っているわけじゃなくて
ただ雷が鳴っているわけですから。
....
覚めることのない夢の中
彷徨い続けてる
現実に目を瞑り
見ない
聞かない
知らないふり
華やいだ街は
今年もまたジングルベルの季節
キラキラと ....
たかさ
みぎがわにならんで
ひだりにならばない
ちくはぐ
たいおん
あみこみでてをつないで
はなすしゅんかん
ちぐはぐ
キスのあじ
したでなめあって
あいす、あめだ ....
コロンビアのジャケットに
エデイーヴァウアーのTシュアツ着て通勤している
ちなみにみかばんはモンベルだった
山男じゃそこ ....
明るい場所を歩くのが慣れてないから
なるべく端に寄って歩いた
足元のライトが眩しくて
ちょと照れながら歩いた
煌びやかな街は
人の通りも多くて
孤独に浸っ ....
両手でそっと包んだ鳩が冷たく固くなっていくということ
小さな部屋でひとり眠る夢のこと
最後の言葉を告げるためにやってくる
自転車のこと
同じくらい愛し合っていると思える人と出会い
二人でしっ ....
どうか見つめ返さないで
あなたが眠りについた深夜
月より淡い光でそっと見守る私に
どうか見つめ返さないで
その赤い心は思ったより弱くて
すぐに隠れてしまうから
もしもほんの気ま ....
他者を語る私は どこか残酷だ
私は他者にはなれないし
私は私でいるしかない
人はどこまで
他者に近付けるのだろう
私には明確に皮膚がある
寄せつけないため
私のやわらかい部分
....
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