{引用=
九番線、午前六時四十二分。急行「銀河」はEFに牽かれ


 終着駅に東京駅を選ぶのは、旅として最悪の結末だ。それは旅人がこのホームに立ったとたんに旅が死んでいくから。地下深くにまで ....
良いお年を
良いお年を
と言って三日が過ぎた

年はただ
明けただけでめでたく
かたちだけでも年賀状では
皆笑顔だから
本気の諍いは
まだまだ
先の話だ

しかし
軒先には
 ....
初春のみずうみに映る景色を
刻々と塗り替えて
青かったり
赤かったりする

目一杯に膨らませた
君の頬を指先で弾けば
凍えた朝の軒先に
透き通った氷柱を見つけ

曖昧な気配の裾を払 ....
たとえば空にうかびあがる
手足はばらばらの方角にむき
雲は行き手をはばむ
鍾乳石のように垂れ下がった祈りを
明日のわたしは眠りながらおもう

昼が去り
夜が迎えに来れば
わたしは指先か ....
冬枯れの老木に
花を咲かせてやりたかった

とびきりの六花をこしらえて
枝という枝に舞い降りたのに

老木は身をふるわせて
あぁ、寒い
ゾクゾクするよ と呟いた

初恋に破 ....
一月の風が
凍りつく 窓を叩く
眠りに至らぬ 冷たい夜半
明日出て行く この部屋を
片付けても 片付けても
きりがない
少女の玩具は 置いてゆこう
がらくたに 埋もれた
わたしの魂よ  ....
 
私はとても小さいので
海を見れば
海でいっぱいになってしまう


私はとても小さいので
空を見れば
空でいっぱいになってしまう


私はとても小さいので
風を匂えば
風で ....
いつからか夢見ることを遠ざけたのは
それが大人になることだと教えられたからではなく

身近な現実を見つめれば
それが大人になることだったからでした



忘れ去られた銀河ステーション
 ....
蔓薔薇が石塔に深く絡まっていて
霧に浮かびあがり声をもらしている
清らかな

石塔には
老人の深遠な目でこう刻まれていた
?在る{ルビ可=べ}し?

霊園の霧は
空中に充足した空虚な ....
久しぶりに三人で手を繋ぐ
いつもより寒い冬
汗をかいた小さな掌は
どことなく妻に似ていた

歳を聞けば指で
三本や五本を出していたのに
今では両手の指すべてを使わなければならない ....
冷たい言葉を背からおろした
砂浜だった、長い一日の直線だった
大切なものと、てのひらにあるものは
遠い日でも暖かい
名前を思い出すよりもはやく
風のように流れていった


ふりかえるよ ....
 
 路地裏の地下の居酒屋の
 脚の腐った肱掛椅子よ
 アルコオルの飲みすぎだ、気をつけろ
 {ルビ主=あるじ}みたいになっちまう

 禿げたあたまは僧侶のようだが
 畢竟やっぱり女った ....
現代詩フォーラムの皆様
あけましておめでとうございます。
今年も管理人様はじめ会員の皆様の
御健康と御健筆をお祈り申し上げます。
ついでにアタシのご飯も
グレードアップしますように
お祈りしちゃいます ....
「あけましておめでとう」

世界のあちこちで
それぞれの挨拶が交わされた

近所では、年が明けた途端に真っ赤な消防車が来て
(ボヤがあったらしい)

今年は悲しい事故が起こりませんよう ....
 いきなり断言してしまうが、名作とは天然である。隅から隅まで計算しつくして書かれたものは、実は名作の名に値しない。何だか自分でも辟易するほど古典的な考え方でいやだなと思うのだが、いろいろ考えていくと、 .... 希望をさがすぼくらは

アスファルトの道を

歩いていた

ただ何にも雑草も花も石も風も

本当に何もない道に

希望というモノはあるのだろうか

だがぼくらはこのまま引き返す ....
冷たい北風に煽られ
凍える霙に打たれても
白樫の木は黙して耐え抜く


容赦ない吹雪の最中
総てを失う事の恐ろしさに
怯えてはならない
大地深く張り巡らした根の先より
明日への滋養を ....
12月の夕暮れに注ぐ
眩しいだけの陽光が
白壁に弾かれて
僕の目に付き刺さる

自然に流れる涙には
何の感情も込もってない
急いでいる訳じゃなく
探している訳じゃなく

道の端にう ....
狭い檻の中に棲む
つがいの獣
明日を語らずに
今日を愚痴る


狭い檻の中で諍う
つがいの獣
嘲る口元には
朝餉の飯粒ふたつみつ


軋み合う魂より
産まれ出でし
いがみ合 ....
説明書の後ろには
「困った時には」 
というページがあります
マニュアル通りに「困れる」ことが
私たちにはいくつあるのでしょうか
それで解決してしまう
ほんのわずかな問題は
きっと理解が ....
頬杖をついて
空ばかり見ていた 

流れながら
形を変えてゆく雲とか
鳥が黒い点になって
吸い込まれてゆく姿とか


指先でペンを回す仕草を
無意識になんどもしていて
と ....
梯子が燃えるとき 時間は終わる

線を、引く
初めて泣いた日、
引き摺ったままの羊水で
始まる

一段 歩を進める度に
薄れていく
消しゴムで消せない、
それが条件
引き攣った跡 ....
振り解こうとしたその腕の力に
恐れ戦き
声にならぬ悲鳴を上げ
逃げ出そうにも逃げ出せず


生き抜く事は人の本懐であるとしても
手当たり次第しがみ付く執着心は
どうしてこうも醜いのか
 ....
手を
両手を広げ、そらへ
飛ぶように飛ばないように広げ、手を、そらへ
色々と自由になった気がして
交差点を、待つ


輪郭を見ている
箱の世界にいながら
回転を繰り返すのは
いつも ....
どこに帰るのだろう
などとは問わない
会社帰りの雪道

星だろうと
街灯だろうと
導かないのならば
ただの明滅だ

一歩ごとに
すり減っていくのは
靴底ではなく
今日の賞味期限 ....
人が死ぬときにする 小さな音を
まねしながら このうたを うたえ
生き死にのリズムで このうたを 

「きみは いきろ ぜったいにいきろ
 まっくら闇 
 煌々とひかるのがきみのひとみだけ ....
今年最後の海を見に行った

午後六時
駅から海までは住宅街の中をしばらく歩く
にぎやかな町ではないので夜は早い
ビルディングの間からは見えない星座がたくさん瞬いている

海岸沿いの国道に ....
地面は かわいそうの塊ですか 
小学校で教わりました
動物の死骸は土に変わると
野菜の残骸は土に埋めると
お母さんに聞きました
おじいちゃんは
土に還って眠っていると

地面は ....
前に娘
後ろ椅子に息子
三人乗りで
自転車をとばす
重なった影法師が
むくむく育ち
故郷でよく見た
山の形と同じになった

つながった稜線
家族が並びあう姿
あぁ
毎日見て ....
愛しいと綴らぬ代わり
速達で、と告げましょう

思い煩うこころに替えて
所在の分からぬ神様に
祈りましょう


微かに雪の匂いのする声は
幸福の理由に充分すぎて
零れる音色が
深 ....
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