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どうでもいいことばかりに躓きたくなる
そういう趣味ではないのだ
「そんなもんだろう」と飲み込んでみせる

あなたを見ている人が、どれ程いるだろう
疲れ果てて掘った穴よりも空は深いというのに
 ....
ポイントは、スロウ

誰かが間違ったとか、テレビが吐き出しているけれど
それが本当かどうかなんて誰にも、分からなくて
無駄なものを省いてきた、そんなつもりの生き方だけれど
結局何も捨て切れて ....
まるで隠れるような三月
全てを終わらせた昨日から
跳ねるように帰宅する君たち
その隣の景色が輪になっていく
循環する道程を真っ直ぐだと
いつまでも信じているものだから

中空に飛ぶ鳥の
 ....
いつの間にか
とは言っても気付いてはいるし
知っていることと、そうでないこととの狭間で
見えているものは見えている

遠天
空が遠くなった
うつむいて歩いても、どこかで触れているような気 ....
想像して
君はよくそう言うけれど
実際のところ僕は、何も思い出せずにいる
海沿いの寂しい国道を夕暮れに倣って左に折れると
何もない町があるのか
君の住む町があるのか
もう、どこにも行けない ....
薄暮れて
眠り続けた一日が
黄昏に、朝と夜とを迷う視界に
君の小さい、窓辺に向かう後ろ姿が


棚引いて


まだ平原には届かないから
打ち寄せる波がこちら側を削っていくのを
た ....
このようにして
夏を取り巻く呼吸は
やがて薄れていくのです
擦り剥いてしまった、膝のような
削られていく私たちを
夏空はどんなふうに
抱いてくれるでしょう


グラスの中の氷は
き ....
「輪郭はね、大きすぎない方がいいと思うんだ。
    両手を、こう。ゆらりと、一杯に広げたくらいの」




朝の電車は
どこかに海の匂いが紛れている
だから皆、溺れた ....
嵐の夜、だったらしい
水底を叩くように
爪先立ちで歩く恋だったらしい
苦しくない呼吸で、まだ淡い空を見ていた

今、街は静かに水没して
新しい水面を探している
六月の底辺は、眼鏡なしで目 ....
想いはどこへ連れて行こう
涙はどこで手放そう
忘れられないことばかりを持って
僕らは何度もここに生まれた

円く繋がった道を歩こう
いつまでも終われない街を抜けよう
ガードレールの上で両 ....
その日も、少年(予定)は、間違えた言葉をそのままに口にする
変換の仕方も削除の方法も、最後には気付けないことばかりなので
いつまでも、「あ」と「い」が上手く発音できない
それでもいいか、なんて思 ....
忘れることも出来ないだろうけど。


歩いていく爪先に、力をこめて息を送る、つ
まりはそれだけのこと。歩き続けるのが世界
で、歌を引き伸ばして道にしてみたい。今日
も一日が優しい、そんな今 ....
その日を過ぎると
君の背中から栓が抜け落ちて
とろとろと水、のようなものが零れていった
舐めてみると、海の味がする
帰っていくんだな、なんて思う
薄いお酒を飲みながら
時計の針を見ていた
 ....
型にはまった言い回しで
誰かが時刻を告げている
競うように流れてくる朝の占いは
いつかどこかで、聞いたことがあるような気がする
十、からゆっくりと順序を数えていくと
決まった場所に電車は来て ....
ソーダ水の浮上する泡に
空想をのせていける午後
冬と呼べる景色でよかった
北に向いた窓を開けると
区切られた言葉が通り抜けていく


君の途中で
空の色とかたちを書き残す
嫌になるく ....
午後五時の夕日
五時半の灰色の空
六時には君が通り過ぎて
七時になると僕は溶けていく
物分りのいい振りをして
ただ諦めの、続いてしまう流れに乗っているだけで
嘘を、誰かのためと、ついていま ....
どうぞ、遠くても
椅子など用意しないで
明日と言えない日々のこと
薄くなりそうな約束ばかりで
指切り、唱え続けた数だけ、待ち惚け
長い長い、人の列から落ちる
とりあえずは、笑顔で


 ....
冷たい言葉を背からおろした
砂浜だった、長い一日の直線だった
大切なものと、てのひらにあるものは
遠い日でも暖かい
名前を思い出すよりもはやく
風のように流れていった


ふりかえるよ ....
手を
両手を広げ、そらへ
飛ぶように飛ばないように広げ、手を、そらへ
色々と自由になった気がして
交差点を、待つ


輪郭を見ている
箱の世界にいながら
回転を繰り返すのは
いつも ....
追いかけている背中は
とても遠いもので
積み木を崩されるだけが
この街のすべてじゃない

あなたを追いかけているようで
僕に追いつきかけている
手をのばせば繋いでいるようで
もっと違う ....
ともすれば、その人の
冷たい朝なのかもしれない
天井はいつも通りにぴんと張り詰めている
とりあえずは、流行の
そこから外れた道の街路樹のなびく姿を真似て
まずは珈琲をすすることから始める
 ....
十二番目で
いつも言葉を間違えてしまう君は
その次の交差点では
左折ばかりを繰り返している
東京
狭い夕暮れで
夢から覚めたばかりの抜け落ちた体を
ついでのような角度でドアの隙間に潜り込 ....
気が付けば、漂流している目覚め
手を伸ばすその先
十センチメートルで
落ちるばかりになっていて
とりあえずここに、漂っている


どうやら
世界の端は滝になっているらしい
落ちてしま ....
やがて、それはゆっくりと始まる

誰も気付かない視点の高さ
から、夜は上昇していく
もう僕らは沈み込んでいる歩幅
もがくよりも深く落ち着いたリズム
呼吸はあちこちで燻っていて
平面に広げ ....
その名残はもう届かない位置で
懸命に手を振りながら明日に挟まれていく
折り重なり、押し寄せる毎日の隙間
風化する
足跡はもうどこにも残っていないから
辿ることも
手を伸ばすこと、も

 ....
おはよう
で、今日も誰かが溶けていく
それでも、空を見上げることを止められなくて
いつの間にか、あちこち穴だらけになっている


使い古しの気持ちを手紙に残して
あなたもすっかりと溶けて ....
空を

どこまでも飛んでみるということを
振り返った視線の、端のほうの夢の中
ほんの少しの香りで、漂っている

今、この辺りで



いつのまにか、梯子がなくなっている
あの木の ....
どこにでも
約束は無いとして
真夜中で
月の沈む場所
緩やかな寝息で
どこへ落ちていく私にも
約束できる
ものは無いとして


少し
はぐれる


月の端を狙撃して
落ち ....
そうして
僕らのこれまでの順路を
紙の上に書き出してみる
その上に雲なんか浮かべたりして
無駄に力を入れて笑ってみたり




過ぎ去ったあとで
自然に昔話ができれば
それはそれ ....
おおきくいきをすいこんで
少しずつ、大きくなっていく
何かをひとつ手にするたびに
少しずつ削られていくとして
今ポケットの中で
残されているもの


ひかりが、まぶしい
冬の午後
 ....
服部 剛さんの霜天さんおすすめリスト(31)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
someone- 霜天自由詩109-4-25
アンダンテ- 霜天自由詩1107-5-13
思い出話- 霜天自由詩507-3-10
遠天- 霜天自由詩1007-1-3
名付け- 霜天自由詩1106-9-3
こんなにも単純に美しい世界が- 霜天自由詩906-8-27
夏水- 霜天自由詩1006-7-30
祝福- 霜天自由詩1306-7-26
誕生日- 霜天自由詩1506-6-7
蒼送- 霜天自由詩1606-5-25
少年予定- 霜天自由詩4506-3-29
ラブレター- 霜天自由詩506-3-11
栓抜き- 霜天自由詩1006-3-2
朝が追い越して- 霜天自由詩406-2-25
船出- 霜天自由詩506-2-17
優しい世界- 霜天自由詩306-1-15
どうぞ、遠くても- 霜天自由詩706-1-5
風のように流れていった- 霜天自由詩706-1-2
ウインカー、揺れる方へ- 霜天自由詩805-12-29
東京群青- 霜天自由詩805-12-18
領域、その人の- 霜天自由詩18+05-11-1
トーキョータワー- 霜天自由詩4305-7-12
漂流- 霜天自由詩1005-5-29
遠浅の日々- 霜天自由詩1505-5-25
僕らが消えてしまったころに- 霜天自由詩1305-5-2
水溶性の、誰かの- 霜天自由詩2905-3-29
いつか、忘れるという日のことを- 霜天自由詩1605-2-13
真夜中の隅- 霜天自由詩1205-2-8
通り雨が過ぎても- 霜天自由詩1505-1-30
信じられる、大きさに- 霜天自由詩705-1-24

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