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たまゆらぐ
あきのひとみで
草のなかにかくれた
君をきいている

何かにすがりつきたいふうな君は
細い、ほそい線になって
なまみの月を仰ぎ
永いときを抱え
ふるえる

{引用=
 ....
屹立した断崖に守られた
小さな浜である

波は平たく伸びて
漂着したものたちの空ろを
静かに洗う

持参した
小瓶のコルクをひねると
砂つぶのような詩がこぼれて
波にさらわれてゆく ....
春、という実感もないまま
海を泳ぐ
わずかに持ちあがった
二の腕から滴る光に
戸惑う
掻き寄せるものは
どれも曖昧な痛みばかりで

だいじょうぶ、と
支える声は
生え変わったばかり ....
ああ
いくつもの候補があったよ
さくらとか、みかんとか、まりんとか
植物や風景が多かったかな

もう生まれてくる季節なんか
どうでもよくってね
まろんとか、こなつとか、みさきとか
次々 ....
星のみえないまちで
拾った青黒い石を
隕石標本だといって
ポケットにしまう

今夜、星をわけよう
はくちょうと
おやこのくまは
君にあげる
いっかくじゅうさえ
あればいいんだ

 ....
朝霧の蒸発してゆく速さに
子供たちは
緑色の鼻先をあつめて
ただしい季節を嗅ぎわける


くったり眠っている
お父さんのバルブを
こっそりひらいて
空色を注入する
うん、うんとうな ....
私は元来
無口な男でありまして
うっかり、思慮深く思われがちですが
それは、本心を秘めている
というより、むしろ
現すタイミングを計れない
どうにも不器用な人間なのです


何か言わ ....
わらさんの佐野権太さんおすすめリスト(7)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
交感する秋の声紋- 佐野権太自由詩27*08-9-10
波葬- 佐野権太自由詩12*08-5-21
春のクロール- 佐野権太自由詩22*08-3-26
いのちのなまえ- 佐野権太自由詩46*08-3-1
流星のふりつもる夜は- 佐野権太自由詩15*07-8-15
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太宰ヒラメ- 佐野権太自由詩41*07-4-20

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