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土のにおいの月がいくつか
夜から朝へと転がってゆく
鏡を造る鏡
暗い水と溝の道


星と星のあいだのむらさき
へだたりと境の腕
羽と羽のあいだに起ち
剣のように
 ....
許される蛹に樹は満ちて
もう何年も蝶を見ていない
枝を流れる蛾の骸
葉には卵も幼虫もない


ただ在るだけの糊しろの日々
いつも声と指ばかり見て
そのほかのあなたを ....
だらしない服が
花のように香る
からだの線が
浮かんでは消える
あなたは
無言にたなびく


降る曇
くちびる
とじたまなこ
うしろあたま
ひとつかがやく
 ....
燃えつづけ光の穂になる音になるこがねもとめるけだものになる



穂の陰に白と鉛のうたがあるまだ見ぬ夜へまだ見ぬ海へ



曇りから水と光が去るたびにひとしく遠くし ....
逆さまの絵が文字になり唱になり降り来るを視るひとりけだもの



かけらからかけらを生むはおのれなり触れもせぬまま砕きつづけて



水涸れて見えぬ片目に見えるもの ....
曲がり角ごとに鳥はいて
夜を夜をとまたたいている
青紫の窓がふたつ
甘い手管にひらかれてゆく


うすぐもり
なりひびき
皆なにかを
抱きしめるかたち


昇るもの ....
窓と壁のはざまから
水のような顔があふれ
外を見もせず消えてゆく
風が光に 光が風に
裏切りの等価を与えるとき


狭いところ
熱いところ
いたらぬ波をくりかえす舌
輪 ....
木はそこにいて
降るようだった
午後を咲かせ
庭を照らし
笑みを空へ近づけた


駅もなく 列車もなく
鉄路だけがあり
長く取りはずされることもなく
街をふたつに分けて ....
雨や 雪や
青のこども
葉のうら ひたい
金のふるえ


さしのべられた
指のかたち
空の穂になる
うたごえになる


やわらかな
ざわめきの四角
とじこめた色 ....
糸のほつれた万華鏡が
壊れかけながら空へ昇り
鳥に追われる鳥を隠した


ふるえつづけるふたつのものが
失いながら抱きあいながら
空を光にもどしてゆく


青と金は ....
ほつれ湧き出る緑の影
ふいに生まれ溺れるもの
双つの空と迷いの木々
巡りかがやく枝と枝
無数の緑のなかの一葉


空に立つ空
こがねの樹
波打ちながら遠去かる陽
金は緑 ....
ひそかに星の綿くずは
空のすみに集まってきて
夜の終わりもはじまりも
一緒のようにまたたいている


かじかんだ手と手を重ね
鳥を光にほどく息
どこまでも白く
どこま ....
ざらざらと走り
たどり着く
水のなかの火に
たどり着く


風は街の目をすぎてゆく
夜に似た朝
光の粒たち
道の先の先に降る
水平線を照らす雨


暗く大きな ....
朽ちた緑の壁の前に
きんいろの影がひとつ立ち
宙と土のゆらぎをつなぐ


水が流れている
手のひらから
光を呑む子のかたわらを
水は流れつづけている
無色の虹が幾すじも
 ....
枕のなかに棲む魚が
ゆうるりとからだを波打たせている
何の音もたてることなく
ただ端から端へと動いている



わたしは魚が静まるのを待ち
左向きに頭をのせる
魚はい ....
光の傷の足跡でした
小さくまぶしい姿でした
川はあふれ
流れはくちびるのかたちをして
水と土とを引き寄せるのでした


流れの音は
光の花の緑をしていて
過ぎてきたどこか ....
嵐の夜
白と黒の町
{ルビ礫=つぶて}のなかの
廃屋をめぐるまわり道


螺旋階段に立つ人々
雨のなかの天使を見下ろしている
瞳から瞳へ落ちてゆく滴
水彩の ....
街のすみの
白い白い花を
夜へと向かう暗がりのなか
したたる滴を追うように見つめる


からだが少しずつ咲いてゆく夜
時間と穴と痛みたちの夜
すべての窓と見つめあいなが ....
雨の日の花
川のなかに泣く
さくら色の虹
白と黒の道


遠去かる銀を畏れ
目をつむる距離をのばしてゆく
道はどこまでも速く
道はどこまでも高い


見えない炎のか ....
ふかみどり
ふかみどり
言葉を手わたし
笑むみどり


腕の輪まるく
伝うしずく
胸をすぎる
こがねの尾


風のなかをふり向けば
たくさんの声が消えてゆく
 ....
ふわふわが
ふわふわに言います
もっと
ふわふわになる


光が光に目をふせ
渦の生まれを見ます
ふたつ
生まれた


ほつれ
ほどかれる指が
からまわりし ....
水のなかの空に溺れ
かがやきの輪をひろげる
黄金の鳥
午後の鳥
おまえの帰りを待つものはない
星はのぼる
雨の傷は残る
高く深い
雲の色に漂う



泳ぐよう ....
鏡の花
木々の旗
水の上の
棄てられた駅への
道をしめす



羽のにおい
羽の重さ
羽の苦しさ
言葉が流れ落ちる音
ひとつの者が
ひとつの者に手わたす
や ....
士狼(銀)さんの木立 悟さんおすすめリスト(23)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ひとつ_約束- 木立 悟自由詩1511-1-19
夜盗夜- 木立 悟自由詩509-2-12
海辺- 木立 悟自由詩1108-7-12
冬午- 木立 悟短歌408-2-4
双響- 木立 悟短歌807-12-2
午後の声- 木立 悟自由詩2007-5-10
午後の名前- 木立 悟自由詩606-6-9
午後とうた- 木立 悟自由詩206-3-22
ノート(青のこども)- 木立 悟自由詩805-12-25
鳥と鏡- 木立 悟自由詩705-12-23
羽灯火- 木立 悟自由詩905-12-1
夜のたより- 木立 悟自由詩705-11-16
きんいろのうた(朝とけだもの)- 木立 悟自由詩405-11-10
きんいろのうた(くらやみと子)- 木立 悟自由詩605-11-6
ノート(枕魚)- 木立 悟未詩・独白1105-11-1
けだものと覆われた子- 木立 悟自由詩1305-10-31
円原視座- 木立 悟自由詩1005-10-26
いろ_てまねく_いろ- 木立 悟自由詩905-10-4
午後のむすめ- 木立 悟自由詩505-10-1
金と緑- 木立 悟自由詩1205-9-30
ノート(眩)- 木立 悟自由詩1005-8-31
三華遠__水迷銀- 木立 悟自由詩105-8-20
三華遠__夜照- 木立 悟自由詩205-8-18

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