妹子の郷
晩秋の妻の庭先飾るごとそそと花々咲きにけるかも
吾心誰に恋すかひそかなる想い集いてありてあるなり
日曜の午後のドライブ妻と行く妹子の郷に妻行くという
小かぶらと漬物 ...
その影は赭(あか)い
一切の善を焼き尽くさんばかりに赭い
人の形(なり)をしているようで
その実
無形(むぎょう)の怨(おん)である
直と喰らい憑き
針ほどの穴を瞥(み)つけるや
...
テールランプがチカチカ
吐く息の白さよ
薄汚れた頬のシミ
ざらつく匂い
瞼が小刻みに揺れる
眼が膨れて痛い
首の根がコチコチに固まっている
笑みが浮かぶ
片側の口角が上がってい ...
ミシッ と鳴って
雪、軋む
ギクッ として
飛び起きる
「まずい、雪崩だ!」
誰もいない
〇
4Fのベランダに出れば、
碧天に一筋の白雲
冷気が僕をヒンヤリ包 ...
ゴミがあった机の上は
ゴミ箱よりもゴミが多かった
ゴミ扱いされるより
ゴミ扱いする奴がゴミだった
淋しくて飛び出した都会は
田舎よりも淋しかった
叶わなかった夢は
叶わなかっ ...
「芸人ヨシダリアンの新発見伝コーナーです
先ほど映像、すごかったでしょう
今日は、スタジオに、あのエスカレータを
開発した設計課長の杉本さんにお越し頂き
ました」
「よろしくお願いし ...
あなたの声が
聞きたくなって
飛び乗る電車
ガタゴトと
車輪のないバスがとまっている
低い木のしたに
たぶんそこにあなたはいる
破れかけのシートに心地よさそうにまるまって
外は
こんなになってしまったというのに
さびしい、という言葉も知 ...
触れるとつめたくてあたたかい
やみはやわらかい
しなやかに伸びる人工的な曲線
そのさきに灯るひかり
まるいほのおに囲まれている
漆喰はそれを反射している
揺れ踊る微細な動きに意味を見出すこ ...
パソコンがなかったら仕事ができない。
年金詩人のわたしは今日もパソコンと睨めっこしている。正確にはマイクロソフトワードがなかったらということになる。その理由は文字を書く労力が半減することで、文章 ...
隣のOLが出勤するのを
耳をそばだてて聞いている
ドアの開く音
鍵を掛ける音
ヒールの音が遠ざかったら
作業開始
素早く部屋を出ると
得意のピッキングで鍵を開ける
僅か4秒、侵入成功! ...
たった一言の返答で
見たくなかった物を見た。
「これは、捨てなければならない感情だ。」と言うことを。
選ばれなかった私。
選ばれたあなた。
(何かを吹っ切れた。)と思ったら
...
カタカタと
橋渡る音
おしせまる
白い吐息を
手のひらのせて
冬の朝
苦い珈琲
眼が覚めて
トースト一枚
カリカリ齧る
酉の市
押し寄せる人
横眼みて
忙中閑あり
...
人の営みの狭間を縫って
悠久の経を信条とした河に
明かりの灯った小さな神輿が流れ
そのひとつひとつに
幼子が蹲っている
世界の何たるかを知らず
それでこそそべてを悟ったような面持ちで
も ...
「離してなるものか。」とは言わないで
父の顔に触れている。
「別れ際に泣くのは、銀幕の中だけだ。」と考えた。
これからは
ケーキを切るときも
饅頭を分けるときも
きっちり測らなくて ...
手を振る父が見えたような
雲ひとつ無い冬の空。
最後の呼吸にも似た突風が
火葬場の玄関を通り抜ける。
(足音だけが響く廊下。)
両腕に抱えた骨壷が
最後に抱き上げた身体よりも重 ...
愛妻が愛人に出す葱鮪汁
葱鮪鍋血液型の話題から
マネキンと違う体型秋刀魚焼く
今はもうすっかり観客の心も冷えちまって木枯らしの世だ
俺たちはカノン
お前らはヒュプノス
...
揺るぎない態度が歩むアスファルトの硬さで
両腕を失ったのは誰か
絶えず歩み続けることで
身体の抱擁を犯されたのは誰か
足跡は連なり
その道は物語を一つ語りだす
独りの表現を誇張し
劇 ...
向こうの林の梢の上に
三角からすを止まらせて
昨日のぼくの ろくでなし
あしたに恃む すべもなし
雲にまかれた梢の陰に
三角からすを潜ませて
(三角からすっていうのがいるんです ...
正確には
キンタマ王子連続保険金誘拐強姦殺人人肉食死体遺棄脅迫事件です
頭のキンタマ王子は、彼の周辺人物が被害者になっていること
キンタマ王子に事件発生時のアリバイがないことなどから
名付けら ...
目が口ほどにモノを言う人たちに囲まれて
君の視線のフィラメントが闇のように漂う
人見知りがひとり 見知らぬ人たちと
待合室でチェスの駒みたいに包囲され
遠くから黙々と頭を打つ冷たい秒針は亡霊だ ...
妻を走らせおでんを購う
爛熟の
果実を味わう
喜びは
禁じられた
アポロンの歌
パンの笛
半獣神の
豊穣は
草原駆けて
青空をゆく
アルテミス
輝く月は
冴え冴えと
歎き悲しむ
歌を映して ...
あなたの影を追うように
あなたがかいた詩をよんでいる
詩は日記ではない
だれかが
だれもが
そう言うけれど
そこには確かにあなたがいる
いとおしく撫でるように
目で追い続ける
...
一基二基
十基
...
甘やかな
旋律のピアニストは
何時までも恋という幻想に抱かれていた
その指先の爪は何処までもピンクに輝き
甘い囁きは
彼女を魅了した
そして
彼は応えた
ぼくは孤独を埋めること ...
生まれた哀しみを与えてくれた
おかあさん
ぼくはいずれ死の苦しみを味わなければならない
なぜ、生まれたことを祝うのだろう
生まれたことは死に繋がるのだから
できることなら
意識のな ...
日付順文書リスト
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
妹子の郷
生田 稔
短歌
2
15/11/29 17:26
闇(くら)いところより湧くもの
貝の石
自由詩
2*
15/11/29 14:30
破壊
opus
自由詩
0
15/11/29 14:00
この冬の朝
たけし
自由詩
6*
15/11/29 13:24
無念ゴミ
イオン
自由詩
3*
15/11/29 13:07
追い越し禁止エスカレータ
〃
自由詩
2*
15/11/29 13:03
胸はずませ 都都逸
薫子
伝統定型各...
1
15/11/29 12:09
シート
はるな
自由詩
4
15/11/29 11:35
くらい
管城春
自由詩
2
15/11/29 11:06
(ゐ)のひと
たま
散文(批評...
13*
15/11/29 10:54
キンタマ王子、録る
花形新次
自由詩
0
15/11/29 4:20
これが答えと解かったなら。
梓ゆい
自由詩
4
15/11/29 2:42
師走
レタス
短歌
1
15/11/29 1:49
シンクロニシティ
由木名緒美
自由詩
14
15/11/29 0:58
最後の朝。
梓ゆい
自由詩
5
15/11/29 0:43
お父さんのお葬式。
〃
自由詩
5
15/11/29 0:06
愛妻が愛人に出す葱鮪汁
北大路京介
俳句
2
15/11/28 23:03
葱鮪鍋血液型の話題から
〃
俳句
2
15/11/28 23:02
マネキンと違う体型秋刀魚焼く
〃
俳句
2
15/11/28 23:01
ザ・ブルー・ジャケット・オブ・ザ・ルパン・ザ・サード
TAT
自由詩
1*
15/11/28 22:39
歩み
鷲田
自由詩
6
15/11/28 22:30
三角からす
オイタル
自由詩
9*
15/11/28 22:23
キンタマ王子、連続強姦殺人人肉食事件
花形新次
自由詩
1
15/11/28 22:07
ひとしれずゆくえしれず
ただのみきや
自由詩
18*
15/11/28 21:40
コンビニ
レタス
俳句
0
15/11/28 21:38
神話
〃
短歌
0*
15/11/28 21:16
だいやりい
朧月
自由詩
2
15/11/28 21:05
無題
TAT
短歌
0
15/11/28 20:49
或る亡命者
レタス
自由詩
6*
15/11/28 20:11
命
〃
自由詩
6
15/11/28 19:54
1631
1632
1633
1634
1635
1636
1637
1638
1639
1640
1641
1642
1643
1644
1645
1646
1647
1648
1649
1650
1651
1652
1653
1654
1655
1656
1657
1658
1659
1660
1661
1662
1663
1664
1665
1666
1667
1668
1669
1670
1671
加筆訂正:
ひとしれずゆくえしれず
/
ただのみきや
[15/11/28 22:00]
誤字、脱字、ルビなど少し変えました。
4.61sec.