中学にあがってはじめての夏休みが終わり二学期が始まると、ぼくは和夫くんと帰り道を一緒にしなくなった。喧嘩をしたわけではない。和夫くんが喧嘩をするはずがない。ぼくが和夫くんを嫌いになるはずもない。
...
 家に帰るとお母さんがおはぎをたくさんつくっていた。だからぼくは太るのだ。いじめられるのだ。それにしてもきょうは量が多い。ぼくがどうしたの聞くと和夫くんのお寺に持っていくのだという。
 今夜おおきな ...
 和夫くんは幼い頃から股関節を患っていた。
 学校の帰り道、ぼくは和夫くんと歩くようにしていた。
 和夫くんは高名な宗教家の息子さんで学校でも人望があった。和夫くんが松葉づえをつきながらすたすたと ...
十字路で思う天地創造を 花の咲くほうへほうへと初デート 花の中いいですかって訊いちゃダメ セーラー服でダンス桜爛漫 海岸線が
あったはずじゃあなかったのか
爪先ばかりが切り落とされて転がっている
早く食えと差し出している手の青さ
困ったように笑う口の中に
取り戻せない爪先を押し込んだ
海岸線は見つけられ ...
季節の冬ではなく
神経の冬がやってくる
いつの間にか肉も骨も失って
外界に直接神経で接触するようになった
神経は少しずつ削ぎ落とされ
細く細く、極限まで細く
硬く硬く、張り詰めてしまって
...
この夜陰の一時に
鈴の音、微かに反復され
揺れて奥まり鮮明に響き渡る

追い掛け複数の打楽器が
ビートのズレ、作り出しながら
複雑に錯綜し絡まり合い循環する

(開放された意識の庭に鳴 ...
十代の僕は自問した。客観的・普遍的・絶対的真理は存するか。
そして答えた。無い、あるのは主観的・個別的・相対的真理のみである。
のちに数学の世界には前者が普通にあることを知って切なく思った。

...
僕は死に始めた、見慣れた部屋の中で
僕は死に始めた、変わりない日常の中で
僕は死に始めた、まだ果たせぬ思いのまま
僕は死に始めた、いびつな過去を抱いて


石灰色の目覚めがこめかみを締 ...
はだしでゆかをあるく
しっとりとつめたい
うすぐもりのふうけい

とても風が強いので
木という木がゆれ
腹黒い雲が急がされる

ガラス一枚越しに見ている
ここはとても安全で
雨も風 ...
           160416


大阪城を建て直した
徳川幕府は
江戸城の天守閣を建て直さなかった
16歳の少女たちの怨念を恐れたからなのか
それとも犠牲者があまりにも多かったから ...
  きみの額に
  落ちた、よる色のはなびら しっているか
  それはぼくが 云えなかった言葉だ


  ただ 白としろの縞模様を いつも
  ぼくたちは心のように抱いた きつく
...
  欠ける 夕
  白の 岬……………………(に)
  わたしたちの
  線は  まるく  欠けて
  点も あおく  こわれ
  はずむ あなた 骨の
  陽傘 シャツの ゾッと ...
腕立て伏せは体を作る
腹立て伏せは魂を作る
夢立て伏せは心を作る
立てる時より
伏せる時のほうが負担が大きい
力がつくのは伏せる時だ
言葉を論理的に遡って
事件を因果的に遡って
高峰をどこまでも降りてきて
たどり着いた地の淵からは
すべてを見晴るかすことができた
こんなにも低く視界が遮られていても
推論の糸をたどり
因 ...
    あの日を境にわたしの中から
    わたしがいなくなり
    半透明な海月になった
    荒ぶる海流に叩きつけられ
    なす術もなく右へ左へ
    痛みとともに流され続けた ...
この骨格を焼いてくれるな

使い慣れた体なのだから
大体の様子はわかっている

柔らかな肉に閉じ込められた結晶を埋めないで欲しい

おれの血管とホクロを知り尽くしたおまえだけが知っている ...
 自分なりに、いろんなサイトを見、そこに書かれているコメントを
 読み解いていくと、前回の「子供を産む」発言に対する批判として、
 だいたい3つのものに大別できるのでは無いかと感じました。
...
「私のことどれくらい好き?」と聞かれたから

両手を一杯に広げて「これくらい」

と言いながらそのまま君を抱きしめた
見えなかったものが見える
ふくらんで
ふくらんでほどけ
ふわり ひらく
ゐろかおりかたちあまく
風に光にとけて
そらを渡るもの
ほそい弦で触れながら
匂やかな{ルビ詩=うた}の足跡をた ...
「ワン」
そう犬が吠える
近くのテニスコートから
軽快なボールを叩く音が聞こえる

青い空に陽がのぼり
舞い散る桜の花びらを
きらきらと彩る

地面は一面
桃色に染まり
その上に ...
ヴィーナスのマリッジブルー花の昼 君だってわかる長髪花明り 花曇り口に広がる鉄の味 ああ読めないし 酔えないし 子供じゃないのに 泣いちゃった

嘘のお祭り騒ぎ 君のほっぺた ふっくらふっくら 怒ってるんだよね

わかるよ、笑わないでって でも 仕方ないよ
可愛いから思 ...
事業管理者としてデスクを構える姿はぼくの影

朝のチャイムが鳴るとスーパーの袋に詰め込んだふりかけをぶら下げ
脳汁を垂らしながら
亡者たちと列をなし
鈍色の光に照らされた回廊に並んで
プラ ...
川で遊んだり
釣りを楽しんだり
ただぼんやり眺めたり

川の流れは穏やかで
気持ちも自然と穏やかになる

夏の川で遊ぶ子供たち
大人も交じり一つになる

優しい川の流れ
涼しい川 ...
日付順文書リスト
タイトル投稿者カテゴリPoint日付
花畑(3)吉岡ペペロ自由詩116/4/17 19:44
花畑(2)自由詩116/4/17 19:42
花畑(1)自由詩116/4/17 19:40
十字路で河瀬由子俳句016/4/17 18:54
花の咲くほうへほうへと初デート北大路京介俳句216/4/17 18:46
花の中いいですかって訊いちゃダメ俳句316/4/17 18:46
セーラー服でダンス桜爛漫俳句116/4/17 18:45
哉村哉子自由詩116/4/17 15:45
神経の冬葉leaf自由詩216/4/17 15:19
楽音宇宙ひだかたけし自由詩4*16/4/17 15:00
真の考察りゅうさん散文(批評...116/4/17 14:17
僕は死に始めたホロウ・シカ...自由詩1*16/4/17 13:46
春眠暁を求めず木屋 亞万自由詩2*16/4/17 13:14
たてなおすあおば自由詩0*16/4/17 12:26
kamome草野春心自由詩016/4/17 10:32
misaki自由詩116/4/17 10:20
夢立て伏せイオン自由詩2*16/4/17 9:24
見晴らし葉leaf自由詩116/4/17 8:44
白い月石田とわ自由詩8*16/4/17 3:01
ナルシスレタス自由詩216/4/17 1:28
02. たとえばの仮定塗絵 優作散文(批評...1*16/4/16 22:59
三行ラブレター : 両手を広げてしょだまさし自由詩116/4/16 22:03
春小景ただのみきや自由詩11*16/4/16 20:32
新しい季節opus自由詩116/4/16 17:16
ヴィーナスのマリッジブルー花の昼北大路京介俳句116/4/16 15:51
君だってわかる長髪花明り俳句116/4/16 15:51
花曇り口に広がる鉄の味俳句216/4/16 15:50
翻太朗04自由詩016/4/16 10:38
B1病棟レタス自由詩216/4/16 9:29
夏の川夏川ゆう自由詩116/4/16 8:55

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