すべてのおすすめ
電話を待っている
便利になったものだ
子機を取りにいかなくても
いつも電話はかたわらにある
包み込むような
文学的文章を書く人は
どんな声をしているのだろう
そう思いなが ....
幼いころ
のっ原をかけまわっていたあたしの
いつもそばにあったその草花が
いぬふぐり、で
あると知ったのは
高校生のときだった
かわいらしいひびきに
その名をおぼえた
....
好き という気持ちは
天使ではなく
悪魔が運んでくるのかもしれない
この胸の痛みは
鎌状の針で
突かれているからだ
思いもつかない
衝動も
悪魔とは
悪さと書くが
....
きっと その
水色の子は
女の子でしょう
あなたに 毎日
愛をささやきに
来たのでしょう
私の真っ白い子は
おしゃべりで甘えん坊で
食いしん坊でした
どこからか
飛んで ....
はじめてが
まだまだ
たくさんあるって
素敵
ドキドキする
ワクワクする
はじめて
先のみえない
楽しみ
途中の
緊張感は
つなわたり
がっかりするのも
また ....
節電ムードの中
いっぱいに
電気の明るい部屋で
うたた寝をして
しまった
少しの罪悪感と
安らぎ。
罪悪感は
安らぎを
与えてくれる
貴方の夢を見た
逢っ ....
ずうっと前に
プレゼントしたカップ
貴方は割ってしまったから
新しいカップを
選びます
もう誕生日も
過ぎちゃったから
照れかくしに
娘のカップと
一緒に選びます
....
皆 求めていた
この時間
たおやかな時間
ほっとする空間
言の葉を発することを
開店したばかりの
明るいガラス張りの
こじんまりとした
ポエトリーカフェ ....
とくん とくんと
鼓動の音が耳につき
眠れない
夜
あなたに
電話をかけた
そんなときは
リラックスだよ
やさしい
あなたの声だ
ありがとう
....
網戸に
みっしりと
あたしの嫌いな
蛾が
はりつている
義母が
買ってきた
生貝を
食べる
喉元に
違和感を覚える
吐く
あたしは
貝殻の ....
気がつくと
インスタントラーメンを食べている
雪で 食材が底をついた
はい ラーメン
昼食 何にしよう
はい ラーメン
ちょっと 小腹が空いた
はい ラーメン ....
引きなさい
少しは
引くことを
覚えなさい
愛しい人から
しつこいよ
なんて
最低
最悪の
オンナだから
引きなさい
いい加減
引くことを
覚え ....
瞳が心の窓なら
声は心の 色
だろうか
その大きさで
ささやきで
吐息で
微妙なトーンで
心の位置が
感じとれる
かんちがいだった
わかっていないのは
あたし ....
それは
冬 限定の屋台
あたしの
生まれた
県北の街
深谷市西島の
母の実家の前に
現れる
夕食前の
薄腹の空いた時間
銭湯のまん前の
母の実家は
タバコ屋さん
....
ともだちの 定義ってなんだろう?
自分がともだち と
おもっていたら
ともだち?
双方のおもいが
かさならなければ
ともだち と
いえないの?
微妙にすれ違う
キモチとキ ....
じわじわと
あたし
侵蝕されてゆく
言霊にはまった
もうひとりの
あたしに
いいかげんで
みだらで
じこちゅうしんな
・・・
あ・た・し
侵蝕しつくされた
....
二十数年ぶりに見た
人の骨は
白く
しっかりとしていた
ついさっきまで
人として
形をなしていたものが
手術台の半分くらいの
てらてらした
金属板の上にある
寿命 ....
君と会うため
黒服を着た 男たちをさけて
繁華街をライブバーへ向かう
半年ぶりに会う君は
また ひと回り細くなっていた
バーへ入り君を目にして
ハグし合う
いつもと同じ
申 ....
あたしは
妊娠がわかると すぐ
あかちゃんのことを
愛称で呼ぶクセがある
あーちゃん
息子の病状が安定した頃
2番目の子供を授かった
今度はきっと
女の子だ
そう決め ....
土屋さん
百日咳ではありませんでしたよ
あぁ
長引いた風邪は
大人の百日咳ではなかった
そう言われて
病院を出たとたん
おなかが空いてきた
朝 家をでるまで
ずう ....
ねぇ
名前を呼んでよ
いつも いつだって
思えばこの30年近く
名前で呼ばれたのは
数えられるくらいだ
もったいぶっているんだ
そう 貴方はいう
婚約時代も
....
月に導かれしものたち
やはり
そうなのかもしれない
偶然が重なる
必然
あたしの
脳の中には
まだ
アナタがいる
そう みとめたら
ココロが安らいだ
愛しいでも ....
26年目の記念日
落ち着く和食居酒屋の個室で
あたしは
貴方に
指輪ケースを差し出した
もう一度 はめ直して
いつの頃からか
あたしの薬指には 指輪の跡さえ
なくなってい ....
久しぶりのドライブ
秋空の青梅街道一直線
スピードは
制限速度 プラス10キロ
濃紺の軽キャブの
エアコンはいつもオフ
夏も冬も
半分開けた窓から
秋風が頬をなでる
....
朝のまぶしさで
目が覚める
となりには
あなた
鳴り響く
目覚ましの
アラームを消す
あなたの手
ねぇ
あたしは
あなたの胸に
手をあてる
あなたの
大 ....
後ろから
脳を一撃された
と同時に
ウィルスも
身に入る
悪寒がはしり
発熱する
リンパはパンパンに腫れ
首から上ばかりが
熱い
ぐらぐらとしためまい
脳の中は
....
死を詩にすくわれ詩に恋して死にたくなり詩にまもられまた詩を書く死ぬまで
泣きじゃくりながら
坂道を登っていた
気がつくと
そこは
深い森
森の中だった
緑 緑 緑の渦
苔むした木々
鳥の声
時折さす
きらめく太陽の光・・・
声 ....
この夏は
すごく暑かったから
キャミとレギンスで
過ごした
冬でも
ぺたぺたと素足で
フローリングを歩く
身体を締め付けるものは
キライ
アクセサリーはしない
アナ ....
夜 お手洗いに起きて
階段をトントンと
降りた
リビングでひそひそと
話す
父と母の声が聞こえた
あの子は冷たい子だね
母は言った
一瞬 なんのことか
わからなかっ ....
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