君恋し改札口に佇めば嘘つきの空闇に広がり
この街のいつわり愛は面はゆく胸元揺れてなほ移ろえば
みおを引き声のまにまに小舟ゆき行き交う人の波打ち際に
漂いて水面に朽ちた古木 ....
多くの誘いにのまれる週末。うわべだけの笑みと嘘。美しい車窓を思い出すは涙のあとか。気がつけばウゴいていた。黙っていれば同じこと、
何かのたとえとして私に示すのですか。
甘い嘘と星のかずだけ ....
入院してる友達のために折ってるのと
その子はちょっと淋しそうに
鶴を折っていました
それを手伝おうと
わたしも折ったのですが
できあがった鶴の
羽を広げようとしたとき
その子 ....
お金があって 何不自由なくて 欲しいものが全部ある
そんな生活もいいけど
おじいさんになって おばあさんになって
桜の咲く道を 車椅子の君を押したり
炎天下のアスファルトを 一緒に歩いたり ....
誰かに
みせつけるように
差し出した
蒼白い手首に残る
ためらい傷一筋
取れかかった瘡蓋
赤い傷口に
鈍く光る刃先
何故に
ためらったのか
死の際で垣間見た
希望と言う名のま ....
ガラス越しの空
幸せそうだね とても
あの人もこの人も 全てがみんな幸せそうだ
金木犀の香る頃
君が教えてくれたこと
今になってようやくわかったよ
伝えるすべは
もう 何 ....
さっきから君のことが
好きでたまらないと思っていたが
さっきより君のことが
好きになっていることに気がついて
こりゃもう仕方が無いので
風船みたいにいつか割れちゃうのかな
なんてのんきなこ ....
まどろみの中で貴方の去る気配感じてみぢかき夜を恨みぬ
白肌のうるおう術も知らぬまま落ち逝く沙羅の姿さやけし
雨の矢に毒を塗りたし恋ごころ睡蓮泣きて梅雨雲を呼ぶ
星合ひの前夜に胸の ....
わたしの体の真ん中に
小さな芽が
顔を出しました
わたしはその芽を
大切に大切に
育てようと思いました
その芽は私の体から
養分を取るので
わたしは土になりました
数ヶ月 ....
亡霊ときみの名付けし少年の漕ぎしブランコ揺れている初夏
遠ざかる白い小舟の行く先を流れる水や風に聞く午後
紫陽花を抱きしめているパレットにきみの瞳の色を混ぜつつ
防波堤越 ....
傷つけても
失っても
私はここに存在する
風が止んだ
ビー玉の模様を見つめ問いかえす今日の天気は晴れだっけ
ため息の数だけ幸せ逃げるよと言われ思わずため息ついて
新宿の喫茶店から外眺め忘れものを忘れてる
手についたドクダミのにおい汗の色 ....
男 ここにイチゴが3つのったケーキがあります
女 どのお店の?
男 無視。ケーキはひとつ、道具はフォークの他にはナイフが一本
女 コーヒーか紅茶はつかないの?
男 無視。さて二人で喧嘩しないで ....
思い出の森をさまよう僕はもう少年時代の歌詞から遠い
おにぎりの形している山登る今はまだまだ海苔の真ん中
紫陽花に紋白蝶の眠る午後わたしが汚れているのが解る
花粉から誘われ ....
ただ単に 必死になって さがしてる
それだけなんだ きっと明日も
何割を 打てたら 満足するんだよ
率ばかり 気にした結果が 二軍落ち
逃げないで 打席に立たなきゃ ノーヒット
白い球 だけを見てれば わかる筈
我が為に ご褒美あげる ホ ....
あなたが遠くに
住んでいるから
ではなくて
あなたの心が
深い霧に包まれていて
そこに続く道を
見失ってしまったから
名曲で 語れるほどの 愛なんて。
[祖父の思い出1]
タバコが好きだった祖父を思い出した。
あの人は大きかった。
父よりも大きかった。
いつの間にあんなに小さくなったのか・俺は知らない。
俺だけが知らなかった。
タバコは死 ....
春の花ほつれゆくまま雨模様
現し世のなべて二重の涙かな
雨の舌双つの蝶を行き来する
手のなかに生まれ滅びる己かな
留めおく術も失くし ....
かき氷 いちごシロップ すくう恋
あなたを愛することがなければ
たぶん一生知らずに済んだこと
せつないという言葉の重さ
罪を背負って生きていく苦悩
夜ごと幻影に抱か ....
右も左もわからなくなったら
手のひらをみればよい
右の手にはひらがなで
「て」と書いてあるから
そうやって教わった
あの頃まで振り返る
何かこの先に進むための
ヒントがあるよ ....
ひとり部屋の中
あなたを想う
恋だと思っていた赤は
食べかけの林檎みたいに
淋しい音がした
生まれ変わったら何になる?
いつかそう聞いたのはあなたです
あなたが
パンダになるのなら
わたしも
必ずパンダになります
あたたかい陽だまりで
あなたに寄り添って
新しい命を育 ....
通っていた大学の正門。
そこから少し中に入ったところに君。
そしてもう5mのところに自分。
お別れだった。浅い意味でも深い意味でも。
傘から勢い良く飛び出したはずなのに振り返ってしまい、
....
母さん僕は
あなたの子供であることを何度
嫌味っぽく言ったかしれない
似ていると感じるほどに
それを振り払うような喧嘩を何度
繰り返したかしれない
そんな母が
「田舎に帰 ....
ブランコに51kgぶらさげて光らすための助走をつける
20歳になったら生きる意味がない崩れるための両足で立つ
空っぽになるのに伴う痛みならどこでなおしてもらうんだろう
....
水たまり広がる波紋に耳すましきみのリズムでやってくる夏
砂浜に置いてきたもの捨てたものロケット花火と添い寝する夜
8月のリップカールのてっぺんで届きますよにぼくのメロ ....
「お前をつれていくことはできない」
とネコは言った
「お前はこの旅に耐えることはできないからだ」
と言った
「それほど過酷なのだ」
凛とした目で遠くを眺めるネコ
何かを決意した ....
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