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裏側を見る
裏側に 目をこらす
物事の
すべての裏表
人の中の
すべての裏表
目に見える
太陽にその目を灼かれる
明るい光のもとでは
目に見えるものしか見えない
目に見えない
....
その女の乳房は
四月の桜のように満開で
うすももいろの
空にも恥じない明るさである
肌色は世界に開き
柔らかな匂いで部屋は満たされる
私は小さな白磁の杯で
そうして
お前の笑顔を嗜 ....
とうめいな みずが
ゆるり ゆるりと
うたうように たゆたう
ひなたの ぬくもりを
ほのかに あびながら
しあわせそうに たゆたう
....
ねこみみの新幹線が
魔法陣の街
すべる
すべる
あなたの
腕でブレーキを
かけたり
遠ざけたり
ふざけて腕を
組んだり
甘くみみを
噛んだり
笑いあって
....
流れ星を見た。
うつむく彼の頭撫でながら
見ていたら
すっ
すっ、て
花火大会の余韻も
冷めやらぬ私の頭上
初めて見たよ。
2つも。
髪の毛をかきあげたら
鳴くんだよ
....
銀の柄を握って
車輪を回していました
沢山の貝が車輪の下から生まれてきたので
焼いて食べたり
髪に飾ったりしたのです
髪は細かく編んで
魚を獲るのにつかいました
魚のヒレはいつま ....
いかつい アスファルトに
息のように 降り続けていた
電柱の 灯
夜の空に おしかえされた
雨に 流されている
かきん と ついてる
ガラス の 冷たさ
なじまない ....
話したいことは
たくさん
でもあなたが
そばにいると
話せない
嫌われたくないから
あなたのことを
見ていたいから
朝
緑に染まる川沿いを歩く
白い花がいくつも流れている
八高線の高架下
電車が通るたび
元の樹を離れ
降っていたのだった
周りの遊歩道はそこだけが白く
ぽっと明るい
故郷に降る ....
久しぶりに実家に戻ると
父はまた少し小さくなっていた
質量保存の法則というものを
信じるのであれば
生真面目に生きることを止めようとしない父は
きっと
何処かで
何かを
与 ....
{引用=
空から
ぶら下がっている
スイッチの
紐を
一緒に
引こう
月が
常夜灯の
ように
琥珀色に光って
僕たちの
最期を
しばらく
映 ....
老人ホームの送迎車から
半身{ルビ麻痺=まひ}で細身の体を
僕に支えられて降りたお婆ちゃんは
動く片手で手押し車のとってを握る
傍らに立つ僕は
宙ぶらりんの麻痺した腕と脇の間に ....
砂利道を歩いていたら駐車場に入り込んでいた
小さなアパートからぼんやりと光が放たれている
こちら側に足を向け男が寝転んでいる
手には携帯を持っているようだ
テレビがついていてちらちらと画面が動 ....
手をつないだそのむこうに
遠く手招きする君がいて
急かされてる
君の手が背中を押して
前へ前へと
歩みを速める
そういえばもう
桜も散ってしまったのだけれど
ボクは桜の青い葉が好き ....
黙る
さも何か居るかのように
いいでしょう?
カンナサルビアホウセンカ…
すべて食して夏に{ルビ副=そ}う
しんと訪れる
宵の膨張空間
{ルビ世迷=よま}い言すべらせる
「あたし何 ....
り りく
蝶 の 足は
おもくなり
つかまっていた 草葉
そっと 目を 開ける
大きな杉の木 のてっぺん
見る間に越えて
生まれたすべてを かけて
のぼり ....
そして何事も無かったように
日常は流れて行き
そこに何事も無かったように
あなたは立っていて
拍子抜けのふたりの間に
静寂だけが そっと
....
水平線をながめて
二リットルの水を浴びる
空と海の間の
相容れない一本の線は
わたしたちに にている
つまさきを砂に沈め
光を背にあびる
水はしみこみ
かわき
そして きえる
....
{引用=
深夜、
線路を枕に
寝ました
駅のホームには
過ぎ去った
時間が、
停車して
いました
星が
綺麗でした
遠くから
君の声が
聞こえ ....
さあ なにを言う
きらきらと
輝き疲れた
君らに。
なにを言う
風の香りだけを
語る俺が。
なにを言う
蛙と
野ネズミと
そして
向日葵の咲く
この土地で。
あの頃
全ての流れ星を追いかけていた
水田に映し出される蒼い蒼い光の粒が
幾千もの時を越えて堕ちてくるのなら
山も川も空も海さえもそれを歓迎するだろう
光の螺旋を仰ぐ時
足元 ....
うつむくこころ
君の吐いたため息は
この山の斜面を
なめらかに降り
湖に細波を起し
田園の稲穂をかすめ
電線を揺らし
ビルの谷をすり抜け
橋の下をくぐり
小さく開けられた窓に
....
アパートの階段を
上がろうとして
あなたの部屋は
2階の真ん中あたり
これは夢だ
そう思いながら
わたしはドアを開けずにいられない
小さな1口コンロで
焼きそばを作った
火力が弱いか ....
わたしの体の真ん中に
小さな芽が
顔を出しました
わたしはその芽を
大切に大切に
育てようと思いました
その芽は私の体から
養分を取るので
わたしは土になりました
数ヶ月 ....
霧雨の降るぼやけた朝の向こうから
「夢の国行き」と{ルビ記=しる}されたバスが近づいて来る
後部座席の曇りガラスを手で拭くと
数ヶ月前に世を去った
認知症のゑみこさんが住んでいた{ルビ空家 ....
168時間ぶりの日曜
きみはやまない雨を心配そうに見ている
どこへ行くあてもないのに
ただ景色が色を無くしていくだけ
そうだろ?
レイニーレイニー
雨音はまるで散り ....
きつく結う、
わたしの髪を、
わたしには見えない後ろ側で、
わたしの髪を、
きつく、結う、
その役目だった指々を、
ふと慕う、一日の終わりに、
嫌な煙草染みた髪を強く洗う、
....
雨上がりの舗道
駆け抜ける小学生
蜜蜂の
飛び交うがごとく
けたたましく
雲間から
射抜くように
陽が照らし
水たまり踏んで
飛び散る光
笑い弾け
輝く
村でいちばんの器量良しで
口笛が上手だったその娘は
母親が死んだ晩に
喪服のままで森の奥に消えて
二度と帰ってきませんでした
道に迷った旅人が
森の奥で口笛を聴いたという
そんな噂も ....
わたし
猫好きやねん
本間に
大好きやねん
この前
小学生が木の上の猫に石投げててん
許せへんから
わたし石拾って力一杯投げたってん
そしたら小学生の前歯と猫
一緒に落ちてきてん ....
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