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セルロイドの筆箱が
カタカタと
     そんなふうに
胸の{ルビ襖=ふすま}を揺らす
何気ない言葉

  風、もしくは紫陽花
  色を移しながら

みんな好きというあなたは
きっ ....
季節外れのマリーナの隅に
ON AIRのオレンジのサイン
夜はそこにだけピンライトを当てる


思いのほか雪は強くなり
ラジオ局で流す古いジャズが
熱く火照って静かを乱す

厚い硝子 ....
愛情なんて贅沢だ
と書かれた紙切れが一枚
くしゃっと
捨てられて

愛情が贅沢だから
愛情と書かれた紙切れも
きっと贅沢なのであって
そして
その贅沢な紙切れをくしゃっと捨てる行為も ....
無言電話がかかってきたので、無言で待った。

遠くから、海の音がした。
 
 
 
 
   





ひとつ月を見ない。

最後に彼月を見たのは、
四つ前の七日双月であった。




双月。

ひとつ月と、
ふたつ月は、
兄弟月である。

大変 ....
鎌倉駅の通路の壁に
寺へと続く石段の写真が展示されていた

門の向こう側の境内には
不思議な光が満ちあふれ
そっと上げた足先を写真に入れると
体ごと吸い込まれた僕は
気が付くと
石段の ....
規則的に並んだ 長方形の、
石の上に横たわる
やわらかな、暗室
腕をまっすぐ 前に伸ばして
星座の距離をはかる
おや指とひとさし指で足りるほどの
遠さで
わたしを見下ろしている


 ....
消えてしまった夏の日のサーカス
なにもない草原に現れては溶けていく
夏の夕暮れはどこか嘘のようだった
煙のようなもの
で、構成されていると
なんとなく信じることにした
わからないこと
適 ....
昨日 切り捨てられた廃線の
駅 構内には
まだ暖かな気が
そこら中に点々と赤味を帯びて
揺れ立っているというのに


朝に 幕
夜には 鉛の月影が
ゆっくりと光りを奪っていくのだと
 ....
皮膚を、
へだてているのは同じではないか、その
頂へ
ゆっくりと
のぼりつめるさま
あるいは
交わってなにひとつ溶け合わない、交わりは
交わりのまま皮膚の
上にしんしんと塗布
さ ....
煙草を買おうと部屋を出た

外は大粒の雨

アスファルトは鯨の背中の

光沢で濡れ

商店街のタイルばりの地面は

輝く水をたたえる湖

薬局のトタン屋根を

雨が叩く バ ....
冬の芝生の上で
小さなスズメ
たくさん

冬の風 吹いて
小さなスズメ
たくさん

枯れ葉と一緒に
ころがって
風に舞って飛んでった

小さなスズメ
一生懸命

 ....
二月の冷たい雨が降る午後
近所の喫茶店でお茶を飲みに
愛読書を鞄に入れ ビニール傘を差し
家の門を出て川沿いの道を歩いた 

川の流れる{ルビ辺=ほとり}の土に
一羽の{ルビ白鷺=しらさぎ ....
あの日の筆圧で
定着したインクが
原稿用紙の余白に
青くにじんでいた

その万年筆の字体は
水性の化石だった
硬質のにじみの層は
幾重にも連なったブレストーン

そこでは私の声もに ....
かたちが あるって
そのかたちさえ あいまいで

かたち みるめも あすをもしれぬ
かたちなきてに はぐくまれ

にじんでは なく
きえたいと きえたくないと

どちらへ まいられて ....
私が生まれるより前に
戦地に赴き病んで帰って来て間もなく
若い妻と二人の子供を残して世を去った
祖父の無念の想いがあった
 
私が生まれるより前に
借家の外に浮かぶ月を見上げて
寝息を立 ....
遠い朝では
誰かが零れていく音が届く
十三階建てのビルの可能性のひとつ
非常階段の手すりはそれでもまだ綺麗で
ただいま、というその言葉の行方も知らない

人の夢に誰かが寄りかかって
君は ....
カレンダーを一枚めくり
二月の出かける日に ○ をつける

数秒瞳を閉じる間に過ぎてしまう
早足な{ルビ一月=ひとつき}の流れ

数日前話した八十過ぎの老婆の言葉

「 あんた三十歳? ....
日に夜をついで、
月の影をかいくぐり。

地平の弦の彼方、
鬼は羽ばたく。
僕の顔が
不細工なのはさ
きっと君が悲しみに暮れるとき
君を笑わせてあげるためで

僕が斜頚なのはさ
どうせいつも君の事
考えすぎて
首を傾げすぎるから
神様が気を利かせてくれたんだ ....
夜に呼ばれ、
風に身を浸す。

月に影を渡し、
光脈を流れ。

響明。

光は響き、
すべて満たす。
空の底
空気圧
破裂してしまいそうな
煙のように混ざり合ってしまいそうな


ねえ
そこで泳いで
きみの背中は
一時間だけのため息が根を張るように
そこでひっそりと、目を閉じていく ....
 
 さりげない日常に
 きらめく刹那が訪れる
 
 長い深い夜を飛び越えて
 朝日のまぶしさに目を凝らして
 昨日まで思い気持ちが白紙に戻れば
 それでいい
 
 生きると言うこと ....
      藍子は
         あげは蝶 の髪留め

      大切にしている

 花模様のスカートからあらわれたのは 
      淡い足

 半分開いた口で 飴 を舐めた
 ....
惚れるひとつ。
溺れるふたつ。

ここにひとつ影。
ふたつ追憶に溺れる。

果てる波みっつ。
あっ、わたし
ふきとばされにきたのかもしれない

冬の砂浜では髪も波打って
耳も引きちぎられそうに寒くて
 ワタシヲ
 マモッテキタハズノ
 カタイカラサエモ
泡となって ....
パレード、通り過ぎる、そんな頭上の光を
楽しいという感情を置き忘れた日の夕闇
彼はそのために全てを考えるということをして
流れていくひとりぼっち、常日頃想うようにすること
ステップ、音楽を歌う ....
僕が最近
涙を流すのは
祖母の痴呆が悲しくて
ではなく
きっと
地球の砂漠化を防ぐため

やりきれない感情に
心が沸騰してるのも
温暖化のせいだろう

きっとそうに違いない
私の底に滴るのは
暗い砂だ

私が歩んでいるのは階段だ
いつも
上っているのか下りているのか
どうしてもわからなくなる階段だ

記憶の中には
私の指たちが仄白く棲息している
それら ....
地図の上に 雪は ない
天の上は 雪を知らない

火を
かざして 求めるのに

土に
よごれて かきむしるのに

足りないものばかり 
足せないものばかり

凍らせなさいと ひ ....
落合朱美さんの自由詩おすすめリスト(2390)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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雪夜のステップ- 銀猫自由詩8*06-2-2
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そうします- 砂木自由詩10*06-2-1
私が生まれる前に- 服部 剛自由詩18*06-2-1
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「_ひとつふたつ。_」- PULL.自由詩13*06-1-30
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世界は漂泊する彼らのための- 霜天自由詩606-1-30
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スウィート・メロディー- 塔野夏子自由詩9*06-1-29
つぶやく_熱- 砂木自由詩6*06-1-29

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