すべてのおすすめ
あなたと私の間に
こんなにも近く届かない距離がある
この街で生きていくことは
距離を取ることだ
と
私を見下す太陽は
説教をする
説諭する
どうしようもなく
見渡せないほどの遠くなら ....
やさしさの
形は何かと尋ねたら
君は丸だと答えたね
金柑蜜柑夏蜜柑
すこやかに香り
夕暮れの
色は何かと尋ねたら
君はまっすぐ指差して
....
あなたの
遠くを見やるまなざしの
その先に
コロン と
僕を置いてきたい
六月は私を
饒舌にする
こちらにおいでと
手招きする から
とむらわなくてはいけません
あやうく
道路の真ん中に
立っているから自分で怖い
輪郭だけが強くなり
私もい ....
にぎりつぶせることを
しっているので ては
づっと こぶしのままだ
ひらいたら
つかみかかって
ひきづりだして
やるか
やられるか
てをださないかぎりは
てを ....
走ったけれど
間に合わなかった
道の傍らで
途方に暮れていた
側に立っているのは
コンクリートの塊で支えられた
錆びた看板
バスは未だやってこないらしい
乗り遅れたのが ....
あのころ
あなたの優しさに包まれて
ふたりで歩いた一本道
あなたが消えてから
ずっと近づく
勇気がなかった
この通り
寄り添った肩の
あたたかさ
出会ったことを
大切にしよ ....
月も霞み掛かっててしまって
君にも届きそうにない
街は流れる光であふれて
僕は溺れそうになって
色んな事そんなふうに
眩しく見えるのは
君の残していった影がまだ
この部屋に落ちている ....
友達と仲直りをした娘は
昼食を食べ終え
さっさと青空の下に飛び出していった
子供同士っていいね
うん
娘たちは今ごろ
どのあたりを走っているのだろう
昨夜の小さなほころび ....
ふしちょう
ねのまに さるまい
ゆき
うみ
の
なみ
だ
うみ
はくえんの だん
かぜ
ち の ひ
つき
....
チョコレート色の夜が
しずくに溶けて 流れ出す
とろりとろりと
自分ばかり見て
しずかに ひそかに
排水溝へ落ちてゆく
私の足元を
暗い色のしずくが
うずを巻いて とりかこむ
逃 ....
私に
水を下さい
あなたの
笑顔を
優しさを
私に
全て下さい
私は
道端に
咲く
花のように
誰にも
気がつかれないまま
枯れたくないのです
私に
水を下さい
他の誰 ....
強くなると言う事は
自分の弱さに
うまく付き合っていけるようになる事。
ある時世界は小さく頷いて
私の肩に優しさを呼ぶ
私は水の中でユメを見ていた頃のように
水の外で地べたに頬を添わせていた時のように
優しさの幽かな震えに私を預ける
しかし気が付けばいつ ....
結びかけた靴の紐が
切れた瞬間に
砂時計の砂は
落ちきった
海が燃える
紙飛行機の上で
くしゃみする
ひっかき傷のせいで
墜落す ....
手のひらの中のことばしか
私はうたわない
振り絞る
ようではだめで
あじさいの
集めたあさつゆは
いつか
消えていくように
そんな
出会いだったと思う
それは消えた ....
僕には羽がない
鳥のように
空を飛べない
悲しいこと
泣きたいこと
あなたが
負った傷
すべて
誰よりも
早く感じて
治して
あげたかった
羽があれば
すぐに
会いにいけた ....
わたしは、ほんとうは楽譜なのです
と 告げたなら
音を鳴らしてくれるでしょうか
指をつまびいて
すこしだけ耳をすましてくれるでしょうか
それとも声で
わたしを世界へと放ってくれるでしょうか ....
いくつか 折りたたんでいくうちに
角が たくさんできるから
どこかの角で
会えればいい
続かない我慢が
言葉を避ける
触れるものは きちんと
きちんと きちんと
....
誰も気付かない
雑草に埋もれながら
濁った太陽を浴び
くたびれた大地に根を張り
凛と
揺れる花びら
意地っ張りな道の端
譲れない生き様
誰も振り向 ....
しみったれたあんたの背中
パンと叩いて
さよならしてあげる
なんてらしくもない小気味良さで
バイバイ
ヘッドライト後にして
なんとか見上げた空の横っちょ
さっきか ....
好きだったのは
こうして静かに
時計の鼓動を聞きながら
ふたり黙ったまま
くるはずのない奇跡を
じっと待つ時間
それは永遠
無限に続く鍵盤のようだった
あなたがいなくなっても
....
ブローチを包んだふたりの手のひら真珠貝
そのまま取って置きたいと思った冷たい毛先のにわか雨
ひとつひとつキズを覆った笑顔真白より少し優しい
決して触れ合うことはない生きている限り
....
日常の扉から ちょっと寄り道して
いらっしゃいませ
荷物をお預かりしましょうか
溜息をお預かりしましょうか
洗い晒しのジーンズを着るように
....
悲しみが生まれた頃は
見えないものなのです
それは
徐々に姿を現すのです
時間が経つにつれ
小さくなることはありません
同等の質量を維持したまま
心の真ん中に居座り続けます
....
ヒトに生まれてきたのでした
死を放った放物線に
何も絡ませる事も無く
時の歪むのも構わず
日を含んだ風に戦ぐ葉に
影をゆらす
私が揺れている
火の声を聞くようになってから
いつ ....
かんにんえ。
しなやかな指で 黒髪をすく
うなじはうつむき
{ルビ石榴=ざくろ}のきれつに遠さをおぼえて
その甘酸っぱさをささえる
やり切れなさの仕打ちが 私語する
きしむ本音が
空 ....
{引用=
天から
落ちてくる
不完全な
言葉たち
罪深き
言葉たち
こんなにも
ぼくは
傷つきたがって
いるのに
ぼくを
打ちのめす
こともせずに ....
傘の下で笑う
あふれる殺意で
階段を流れて落ちる
雨に
気がふれる
ゆがんで見える
横断歩道の白線が
濡れた足元のしみの
曲線が
....
ムーニールーがありんこを相手取って
裁判をしているころ
お日様は林檎を
真っ赤に染めて
林檎はムーニールーに食べられるのを待っている
カタツムリが雨の中
小さくくしゃみしたけれど
ム ....
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