すべてのおすすめ
朝目覚めると新宿花園神社へ
俺はお参りにいく
行き別れた一人娘マリーとの思い出
眠らない街の大晦日
毎年繰り出したマリーとの除夜祭
今は一人石畳に座りこむ
俺の縄張りは三丁目から御苑界 ....
海に行く
護岸の上でいつものように
体操をしているおじさんと挨拶する
釣り糸を垂れる
魚が一匹釣れる
魚を一匹殺す
やがて日が暮れたので帰宅する
途中おじさんはもういない
今日 ....
わたし、ほんとうはせみが大嫌いなのに
せみを見つけるのが
とてもじょうずで
命あるものみなとうとい
なんて嘘
目にみえるものすべていとしい
なんて、嘘
わたしはせみが嫌いで
で ....
ぼくらの夏は
本田さんの庭の前の川淵に
どぼんと飛び込むことから始まる。
終業式のその日は
水泳パンツ持参で
通知票はほったらかしで
どぼんどぼんと
淵に飛び込む。
先生が
....
この街は眠らない
どんなに僕が疲れていても
この街は止まらない
どんなに僕が悲しくても
こんな時
君に側にいて欲しい
話して欲しいんだ
子どものころの ....
まるで空に手を伸ばすように
咲いている
マーガレット
欲しいものはなんだろう
太陽も
土も
暖かな空気も
すべてあるのに
セミたちが
総合掲示板へ集い
はち切れんばかりに叫ぶ
嫌なら見なくていいものを
目に焼きつけて
身体をこがし のたうち回る
知る以上に
傷つくことを恐れていない
そんな姿を ....
ながいあいだからっぽの
まどぎわの
たなの
うえの
すみっこに
おいてある
きんぎょばちの
なかで
おどっている
きみの
すがたを
すがたを
すがたを
....
回し
回し続ける地球儀の
いくつも繰り返す
朝と夜
モザイクの奥を
見透かすかのように
目を細めてみても
真実なんて浮かんでこない
見えるのは
摩擦熱で燃え尽き
落ちていく ....
七面鳥は醜い
青くなったり赤くなったりしながら
肉瘤を伸ばしたり縮めたりする
肉瘤は強さの象徴
弱そうな雄鳥をみつけては
目一杯に伸ばした肉瘤をみせつけてやる
今夜は久しぶりのお食事会 ....
会社に行ったら
がむしゃらに
仕事をこなして
家に帰ったら
絶え間ない雑用を
次々に片付けて
外に出たら
ボランティアで
誰かのために汗を流して
それでも
時間が余りそ ....
みてみたい
星の誕生する瞬間を
流動する熱い肌
なめらかですべやかな肌
それでも
笑えるしあわせ不仕合せ
今晩のおかずは何?
魚の視界
鳥の羽ばたき
貝の呼吸
ひとりのつぶ ....
深夜のプールに
腹を裂いた犬の死体を浮かべた
悪いことしてない
したいからした
細切れにされた僕が
立ち尽くし
一つしかない空の星を
噛み砕いた
わたしはわからない
口をきけない
あなたの悲しみ
わたしにはわからない
耳がきこえない
あなたの悲しみ
わたしにはわからない
目が見えない
あなたの悲 ....
明日がある
と貴方が言ったので
私はすこしだけ淋しかった
いつだっけ
明日がどこにあるの
と尋ねたら
東北東
と答えたのよね
貴方は
どこからくるのか知らないけれど
明日は ....
ほんのり
ほんのり
片思い
恋の悩みと語るには
あまりに未成熟
きみの手紙の「ふ」の字から
微笑む顔を想像し
眠い眠いを繰 ....
月の夜
わたしは犬と話す
板張りの部屋で
椅子に座り
大きな犬の頭を撫でながら
大きな窓から差し込む
月の光は優しく
犬とわたしを包む
指先に犬の体温
不幸は甘い蜜の味がする。
だから一度でも
不幸を味わうと、その甘美さを忘れられず
毎夜毎夜、
幻覚に捕らわれてしまう。
自分の不幸は蜜の味。
不幸の一滴を口に含んでみる。
初めは ....
わたしがむやみに数えるものだから
蛍はすべていってしまった
わたしが思い出せるものは
ひとつ
ふたつ
と
美しい光
いつつ
むっつ
と
美しい光
けれどもそこ ....
風のない日に
ぼくは急いで
時計の針をもとにもどした
帰り道に迷うのは
せめて僕のほうだったらいい
通りすがりで、そっと交わす言葉からは
いつだって真ん中のところが零れ落ちていく
駅の階段を
夏に降りていく
君は一つの呼吸で
手を振 ....
影踏み遊びの様に
君の本当を
捕まえられず
長く伸びた影を
捕まえた頃には
もう、消えかけて
自分の居場所さえわからない・・・
君の僕への愛の炎は燃えているかい
亜熱帯みたいな
駅の地下道で
ギターを弾いているお兄さんがいた
悲しくて切ない曲ばかりだった
何時間もギターを聴いて
目を ....
茨の道だとわかっていても
人は歩かなければならない
この恋も茨の道
人は弱いようで強い
強いようで弱い
あいたくて
恋しくて
思いはつのる
....
見上げている空にも
今ごろ風が吹いているのでしょうか
雲がゆっくりと
あるいは形を変えて
あのやがては消えていくものたちのように
わたしももっと強くなりたい
熱い吐息に
幼い印象の前髪は
こころなしか
ゆれてしまって
ほほえんでいればよかった
時空の過失
それがゆるさなかった
遠く
白鳥座の
あれはなんだったか
暗く重く奥ゆかし ....
ひとしれず
くさかげのはいいろに
ある男女のすがたあり
わたくしと
しねる?
ああ
それがさいごの会話だった
涼やかな目
はいいろが 濃くなる
しなやかでとげとげしい ....
四六時中の想いは
必要以上に
君と僕とが不可欠だから
必ず壊れてしまうよ
はぐらかそうって魂胆じゃなくてさ
短命に舌鼓は
哀しいなって思うんだ
ほのか ....
つながっている
その声に
心がうつって
つながっている
指を絡めるように
ひとつのことばと
その隙間に
つながっている
瞳を
間近で見ている
ように
....
容赦ない夏の
どこかの軒下で
わずかな風を拾い集め
リンと鳴ったところで
気休めなのだろうけれど
気休めに救われる
瞬間もある
声にならない声が
遠くから鳴り ....
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