猫を救った日の事
月山一天

わたし
猫好きやねん
本間に
大好きやねん

この前
小学生が木の上の猫に石投げててん
許せへんから
わたし石拾って力一杯投げたってん
そしたら小学生の前歯と猫
一緒に落ちてきてん

わたし
あほな猫ほどかわいいもんない思てる
自分で木登っといて
降りれへんなんて
かわいすぎるやん
けど
わたし
あほな小学生ほど憎たらしいもんない思てる

やし
その子からポケモンカード取りあげたってん
「あんた、動物はモンスターやないで」
言ったってん

かわいそうな猫
ほんま痩せとるから
近所の公園で一緒にポテチたべてん

静かにポテチ食べさせられんの
ほんま嫌やし
二人でいっぱいバリバリ食べてん

きょう
お母さんが学校から私をおろしに来てん
お金下ろすみたいに
あんな泣きそうな顔して
退学させます言うて
頭下げて

あんなん
石投げられた方がましやんな?
そう言うたら
「ニャ〜 ニャ〜」
って話して来てん

そのとき
ほんま

人の声
聞いた様な気してん







自由詩 猫を救った日の事 Copyright 月山一天 2005-06-23 11:36:09
notebook Home 戻る