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切り取って
もう少し違うかたちに

貼り詰めて
色硝子の欠片たち

鏡に映った髪が
指先でもつれて
ささくれた爪が
余計に乱暴になるから

ひび割れが目立たぬよう
綺麗なステン ....
時々は流れに身を任せ
漂うのも一興
それでも
自分のうちなる声が
一番であるべきだよね

寄せてくる波に飲み込まれそうになり
たまさか、溺れそうな気分でも
翻る強さが欲しい ....
明日の燻る原の声には
そのひとひらも、渡らない
青の部屋、青の床
踏み越えるたびに見据えるものは
舞う、散るよりも儚い覚め際へ
連れて行くように
恋し、と
だけ

そこからを渡る
 ....
空から音も無く降る雪の
つもる速度のいじらしい熱

ちょっとまえの流星は
乾燥した鋭い声で失礼のないように
(絶望はできない。
と軌跡をのこし消えていった
このとき雪はしゃららららん
 ....
人は何のために
生きているのでしょうと
涙する君に

指で一筋
零れる心を
そっと拭う

こんな僕でも生きていれば
一粒くらいでも
君の涙を
拭ってやれるから

そう
囁い ....
あたしの命が明日までなら
貴方の手でどうか殺して
それだけが願い

あの花の甘やかさに手を伸ばした日から
わかってたんだ
“もう何処にも帰れない”

心臓がつぶれてなくなりそう

 ....
わたしが

うまれてから

なみだを

 このてで

  ふくまで

ちちははは

どれほど

こころを

 ぬらした

  ことだろう


いきていく

 ....
その人が、燃えていった
毎日よりも人は集まっていた
いなくなったというよりも
手放した、と言いたかった
彼らは笑う声で
透明な空を細い道にして
順番に順番に、昇っていった
花が、咲いてい ....
真夜中、ロボットは
痛めたうでをかばいながら
他のおもちゃの手当てをする

文句を言いたそうな
他のおもちゃをなだめるように

タイヤのとれたスーパーカー
支えの折れた宝箱
首だけになったお人形

 ....
なれてしまうこと
わすれてしまうこと
わすれつづければ
けっして なれてしまうことはなく

かぎりなくむせきにんで
なんどでもくりかえします
しあわせなことを
かなしいことを

そ ....
街に吹く薄汚れた上昇気流
舞い上がる鳥たちは
自由に見えても
危うい乱雑な流れで
時に墜落する

それは風が裏切ったのか
その美しく夜色の翼を
暗闇の代理人は
タールで固めた道が
 ....
君と僕にできること
それは優しさの眼差しで
雪の白さを歌うこと


君と僕にできること
それは愛しさの眼差しで
山の青さを歌うこと


歌の心は見た目じゃなくて
揺り動かされた心 ....
いつか
笑い飛ばせる日のために
一枚の部屋に絵を描いている
暖かい一日の始まりと終わり
そこに溶けていく人たちのように



降り積もる行き止まりに
立ちすくむ人を見ている
その背 ....
花が咲き乱れ
緩やかに風が渡る高原を
想うのはもう やめた

  飛べないのではなく
  飛ばない虫

穏やかな海に向かう
明るい窓を
開けるのは やめた

  鳴けないので ....
女の子がタバコを吸うのはキライ
タバコを吸う女の子がキライなんじゃないよ
このちがい わかる?

だって さびしそうだよ
タバコをふかしてるのって
まして 彼氏がいる君なのに

せつな ....
夕暮れ
男は空を見ていた
世の{ルビ何処=どこ}にも{ルビ属=ぞく}さぬように
草原に独り立ちながら

{ルビ只=ただ} {ルビ暁=あかつき}色に染められた雲が
宵闇に流れて姿を消してゆく ....
夜と昼間のあいだには
真っ暗闇の泪川

ほんの些細なひとことで
抜き差しならないドツボに嵌り
この頃の寒さも張り付き凍えてく

あまい言の葉に ほだされて
安眠毛布のクモの糸
 ....
そして
それがほしい、と言う
響かない足音が、ついて来るのを待たずに
それがほしいの、と
繰り返して、言う

これだけ
狭い雨で何が望めるというのだろう
手を伸ばせばイチからゼロにぶつ ....
どうも気に食わない奴のような気がして

嫌味の1つも言ってやりたくなる奴で

いちいち突っかかってくる奴で

会った日は一日不愉快で

どこにでもある平凡な顔で

むしろ「ええぇ〜 ....
愛はクジラと同じで
水をやらないと枯れてしまう
そもそも
愛は大きいほどもろいのだ
クジラと同じで
そのくせ
小さなプランクトンを
一心に集めている
それが
思い出だったりことばだっ ....
熱砂の道を歩こうと
踏み出す先に砂漠はなく
求めた強さだけ
葡萄詰みの唄は遠ざかる

星座を大地につなぎ止めるもの
{ルビ哈密瓜=はみうり}の蔓、祈りのこえ
流れ星の落ちる果ては
岩と ....
雨を避けていく
ほこり立つ道を
避けていく
怖がりで
自分から触れていけない
夜を
夜の向こう側を


ダンスしている
仮面をつけた孤独たち
歩道橋の
こちら側で
向こう側で ....
(伸ばされていたのは僕らではなく、日の光だよ)

そう、
つぶやいていたのは誰の横顔だっただろう
同じ服装の顔と顔とが集まっていく、丸顔の時計の下は
いつも降り積もるばかりだった
きょうし ....
銀色の髪

明るい瞳は緑

ささやく指先は桃色

つま先はあるの?

ライラ

君はしかめっ面で花という花をみんな摘んでしまい
眩しい朝が広がるに任せる

深い深い森で
夜 ....
二日目。




雨が止まない。

夜が明けても、
そのまま降り続き、
今もまだ降っている。

お昼過ぎに、
カリミから連絡があった。

話したいこ ....
大きな街のお空には 
本当の空は無いと言うのに
太陽が高く射す昼休み
呼吸をふーーと吐き出して
皆が窓を開けた
深呼吸する時間 一斉に


大きな街のお空には
化学記号が飛んでい ....
ぐはぐははひとじゃなかった

でもはぐはぐしちゃった

だってあったかいもん

ぐはぐはは「ぐはっぐはっ」よろこんでた

ぐはぐはいうからぐはぐはなんだよ

それってわかりやすい
 ....
数学が苦手だって言うのに
もう少女ではないから
計算違いは許されない


髪を伸ばすこと
それは可能性
ダイエットコークの味を好きになること
それは目論み


統計では
きみの ....
親父の趣味は小さな鉢植え
鉢の順番を並べ替えては
玄人じみたため息をついて
またはさみを入れる

たどり着けない完成に向かって
まず渋茶をすするのも

たどり着けない完成に向か ....
無くしちゃった青い傘
お気に入りだった青い傘
さがしに行くよ
雨に会えそな雲の下

風が頬にあたるのも
ポケットの中の手が
温まらないのも
気にしない
雨の降りそな雲の下

 み ....
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