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斜めにモノを見る
という言葉を
初めてきいたのは
いつだったか
気がつけば
斜めにモノを見ているような
最近の自分
空いている電車に乗り 席に座る
駅に停まり 駅を通過し
また駅を通過し 駅に停まり
車内は次第に混んでくるが
他の席はどんどん埋まってゆくが
私の隣はいつまでも空いたまま
誰も座ろうとはし ....
大切なものを失くしました
良く晴れた日のことです
まだ記憶だけが鮮明に残っていて
もしかしたら
あなたのことかもしれません
それはそれで
とてもいい歌だと思いました
....
かちにげはずるい
9月は考え込んだ
8月のやつったら
いい思い出だけ残して
いっちまった
かき氷
カラコロ、下駄
「髪型、かわいいね」って言ってた
あの人・・・
カエルの鳴き ....
友達も恋人も帰ってしまった
雨はしらないうちに止んでいる
ついさっきまでの
喧騒が嘘のように
部屋の中は
パソコンのビィーンという音以外
何も聞こえない
突 ....
人の嘘で
鳥は空を飛ぶ
鳥の嘘で
ドアは人を
閉じ込める
ドアの中で
人は鳥を
飛ばし続ける
+
いつも
三人なのに
いつも
八等分
してしまう
+
....
横浜の学校の帰り、
地下街で買った、
ドルフィンの絵を、
窓にかたむけて置く。
青い海の中、
海面には太陽の光がさし、
ついのドルフィンが、
気泡をだし、よりそいながら、
深みへと潜っ ....
響いた翼はためかせて
風の声へ飛び続ける
閉ざされた約束の傷
脈打つ光へさらして
こえられない私をみつめる
罪色の翼に歌う
{ルビ現在=いま} 解き放つ時
押しつぶされそうな空へ ....
流れてきたんだね、あの子。
−だって、水が濁ってる。
太陽の光を浴びたことがないのかな。
でも、真っ白な運動靴、素敵だね。
これからどうなるかも知らずに
一日中、笑っていたの。
空がと ....
あの頃は良かった
あの頃は幸せだった
あの頃はただ空を舞うだけで
皆の視線を一身に受け
私はただゆっくりとゆけばよかった
いつのまにか
鳥が空にあるのはすっかり当たり前になってしまった ....
まっちをすって
何が見えるのかと聞かれたときも
ただもういないおばあちゃんが見えるのと
悪い男達をだましたの
まっちを売って
ご飯なんか手に入らないから
わたしの無垢だった心を売って
世 ....
すこしだけ
ひざを抱えさせて、という。
たぶん
うつむいた想いと
ゆっくりと進行するあきらめ、と
降りだす直前の雲のようなさみしさ
お気に入りだった音楽や
冷めたカフェオレ、二人乗り ....
これから、お出かけ
終りに出来ないの
生きることは
終りに出来ないの
私が言った
命を授かった時からとは言わない
失ってから知った
いかること
かなしむこと
よろこび
わら ....
罪色の花が薫ります。
あやまらなくては
いけないことがあるのですが、
これは秘密。
わたしは、わたし
これ以上これ以下でもない事実
ああ絶望を失った
その時から過ちは秘密となり果 ....
ビジネスホテルの白い天井に映される
窓枠の形は青白く
夜の闇にある光源を証明します
いつしか街で一番高いビルの
冷たく四角い丘の上で
僕も証明されたいと立ち尽くすのです
月 ....
ガラン ゴロン
缶入りドロップをふると
そんな音がする
家を飛び出したはずの僕が
すっかりぼろぼろの身体になって
そんなふうにまた転がり込んできたとき
せっかく作ってくれた料理を
....
朝のやかん
なぞって
もう一度寝る
エビの夢を
見ながら
+
階段
すべてが
階段
そんな
建物
+
夕刊の
「帰」という字を
黄色く
塗っていく ....
汚いものを拭い去る、
白雪姫のキスのように。
感覚さへも失って、
あらゆる針が意味無く回る。
赤だけ残して、辺りはモノクロ。
風も無いから、雲も止まった。
指に絡まる熱情が、
....
玄関の隅に
白い蝶が 逝っている
ちりとりに さらい
外へ
いつもと 変わらぬ
朝が はじまる
仏前へ 供えるご飯
今日一日の無事を祈り
自分も 食して
....
あの日も汗を見ていたのは
水色のユニフォームと白い靴
時の詰まったタイムカードに
行儀よく刻まれた青紫色の印字
晴れた夏にタオルを投げ捨て
雪の日も半袖は変わらず
(腰に装備し ....
取り締まることのできない光の減少が
駅のホームに加算されていき
歩みと停止を繰り返す人影を貶める
遠近法を失い胸まで迫ってくる欠落に喘ぐのだ
やがて満たされる黒の描写の内 ....
29歳の僕と53歳の N さんが
向き合うテーブルの上に離れて置かれた
2つのコップ
減り具合もそれぞれに
薄い道の途中で{ルビ佇=たたず}むように
遠い未来の方から
おぼろにやって来 ....
砂時計が流すことのない一粒の砂
悲しみを知るか
桜を手折る時、残された枝の揺らぎ
寂しさを知るか
発電と称して進むことのないプロペラの空回り
孤独を知るか
鍛えられていく鉄塊の ....
光と水と二酸化炭素から
酸素と糖をつくりだす
ずっと前に教わった
植物は
自分が呼吸するための酸素と
成長するためのエネルギーを
自分でつくることができる
僕にもできるかな
....
ポチが走ってくる
ポチが尻尾を振りながら走ってくる
ポチが全速力で尻尾を振りながら走ってくる
ポチがよだれを垂らしながら全速力で尻尾を振りながら走ってくる
ポチが乳母車を弾き飛 ....
意識されない曲線の内側で
永久機関の少女性が調弾する。
その輪郭は振動し
奥深く鳴りつつ最果ての嘘を静める。
お先に失礼
直線的で清音の科白が膨張する空のもと
つきぬける(或いは私 ....
窓越しのアルデバラン
暖炉が背中でうたうなら
ベテルギウスは指輪にかわる
ポタージュの香り満ちる星座紀行は
甘くも、はかない
やがて旅人は
アンドロメダへの郷愁にかられ ....
ねむるように
愛しはじめたら
指先から
すなが こぼれおちた
これは
何の記憶?
貝の
うねうねとうごく足から
岩に
しがみついたフジツボの悩み
夢はくらくとおく
わたし ....
よく晴れた秋のグラウンド
100メートルのトラック
120パーセントのきみ
初めて見たような
険しい眼
逞しい足元
私は
どこを向いていた
抱えきれない悩み
仕舞い損ねた ....
夏が去って
私は久しぶりに襟のあるシャツを着た
それでも秋風がいつのまにか
襟元から心の奥の方へとしみこんでくる
夏は毎日飲んでいたアイスコーヒーの器を
背の高い
細いグラスを洗いながら
....
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