君のこと愛しているよ
って
叫べるほどに誰かを愛したことあったのかな
*
おとこの子
男のひとを「きみ」って呼ぶ
私に似合わないのは判っているけど
敢えて、そう呼んで ....
命の木が 倒れた
あんなにも逞しく 揺るぎなく
大地に根を張っていたのに倒れた
おじいさんが死んだのは その次の日だった
人々が命の木の事も おじいさんの事も忘れて ....
ことしのさくらは
ふびんだな
と、かんじたのは
ぼくだけで
つぼみはみるみる
ふくらんでいた
なにか
ございましたか
はるよ
きみがきらいだ
スイッチをカチカチさせても
だれも気づかないそんなこと知ってる
タスケテなんて意味ない
笑ってる
それが悲しみでも
助けるなんてだれもできないから
ゆるい結び目は簡単にほどけて ....
なら、「行間」がいい。
先行する1文とその後に続く1文
その間に生まれる窪み。
文章や言葉の向こう側に置かれる感情は、
そこに潜っている。
潜水は得意な方で、肺胞一杯の息を連れて、
深くに ....
三日月に座って唄うあの子は誰
透明な声を響かせてレースのカーテンが揺れている
水のような夜の音が
静かにささやいた声は夢
世界の半分を包む蒼く澄んだ暗闇を
君の眠りの中へ
そっと解 ....
強烈な痛みが指から腕へ
視界から赤い線が見え始める
飾られない苦痛
遠い久の形見が残される
貴様らが嘆く
あれよりはこれよりは
そんな言葉しか出せない
酷く刺さる優越が
貴様た ....
夢はまだ
手の届く
ところに
あるでしょうか
わたしのそばに
そして
あなたのそばに
夏羽に着替えて
飛びすぎたスケートボード
今はナマズの寝床
22年まえも自粛が日本を覆っていた
コマーシャルが口パクになってNHKは夜中も天皇の下血の量とか血圧とかを画面に表示しつづけていた
そこにはクラシックがながれていた
えんえん、えんえ ....
コーヒ−カップの底で
四角い哲学者が
溺れながら
プラトン的愛について
考察している
僕が
スプーンでかき混ぜると
永遠を
ひと時が飲み込んで
一行の詩が
生まれた
何かが欠けていても 気付かないフリして
それでも満足して 日々を過ごしていた
すべてを受け入れず 拒絶していれば
簡単に終わっていく 単純な世界
隠してたキズアトが 浮き出す
“もし ....
ふいに車庫にさえずり響く
つばめかえって春の訪れ
よくかえってきてくれたと
冬の家族の顔がほころび
ふいに気まずくなってそらした
言い争った口と口
希望の羽ばたきは力強く
古 ....
*
暗くないんだって *
何度言えばわかるんだろう
―*
〉エレクトロニクス 〈 エレクトロニクス *
(曼陀羅に浮かぶ釈迦は横になっている)
*
宇宙にはこんなにたく ....
誰も批判しない箱の中
ぬくぬくしていて気持ちがいいよ
でもね、世界は
箱の外でまわっているの
天の川は決壊しました
あふれた星屑は
流れて地上へ旅に出ます
口を開ける ....
罪悪感を感じる、
生きていることに。
楽しむことに、
幸せを感じることに、
鼻歌を歌うことに。
でも。
いいじゃない。
誰の分だって、かまわない。
天寿を全うするま ....
墓地の芝生の上を
早春のあかるい風が吹き
ある白い墓標のかたわらで
小さなデイジーの花束が
微笑んでいた
そのことをくりかえし思いだす
私ひとりの影と
しずかな陽射しと
そ ....
熟睡までしばし
左腕はロボットの優雅
無駄を許さぬアルミ色
組立て式安物音楽のリストは以下
・ペーパー・クリップ
・油粘土の緑
・びよよんなバネ
・一応 悲 ....
餌をやると渡り鳥は死ぬ
餌やるひとが死んだら死んでしまう
つぎの地で餌をじぶんで見つけられなくて
死んでしまうのかも知れない
飯食うために命をかけて
何千キロの空をゆ ....
また 泣いている
性懲りもなく
言葉をかくものは
言葉でやられる
ソングライターが
急性ストレス障害になる
画像プラス言葉は
激しい
揺れる
揺れる
心も脳も
....
いろいろなものを
誰よりも多く掴もうとして
硬くなってしまった
てのひらの
欲張りな力を
少しずつ緩めてみよう
うっかり掴み損ねたものは
そのまま放っておけばいい
本当に必要な ....
しをかいてはいけない
おしりをかいてはいけないのと
いっしょで
かゆいからといって
かいてはいけない
そこにてが
とどいてはいけないのです。
雨が降る
黒い雨が降る
*
夢の島
誰が名づけたのだろう
ぐぐったところで明確な由来などでてきやしないこの島で
静かに眠り続ける一艘の船
東西冷戦の最中
高 ....
朝
青空のなかに
すべて
揃っているのに
一つだけ欠けている
つぎの朝のために
ぼくは
生きてゆける
つち
などではない
いのちなのだ
ひとすくいの
つちを
すくうために
きみはいのちに
きがづいた
鈍色の空 見上げ
翔びたいって 想ってた
この空の向こうに 君が
居る気がして ただ ただ
窓の向こう 青と白
そこに君が 居るはず なくて
幻想を見つめて 在るはずもない影 追い ....
私は見つめた
考えているとき 私は
私の体を世界全体として強く見た
きっと それは 見えない 感覚だ
異国に旅立とう いつも
伸ばしていく 私は この指先だ
語ろう 私のことを
....
ころんとひとつ
生まれたときも
生きてるときも
ころんとひとつ
ほっといてくれ
なんていうなよ
ころんとひとつ
あつまれひとつ
みんなはひとつ
皆 求めていた
この時間
たおやかな時間
ほっとする空間
言の葉を発することを
開店したばかりの
明るいガラス張りの
こじんまりとした
ポエトリーカフェ ....
日が沈むと駅は
生きるものの
蒸れた匂いで一杯になる
人々はそぞろ歩き
鴉が飛んでゆく
何もかもが
草臥れてしまったようで
それでいて
....
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