ひろげたお店を片付ける
そしてトイレで用を足したなら必ず水を流す
便器の底を覗けば
生きてきた私自身の素性が判る
※
早や店じまいの季節になったものだと
ひろげすぎた店 ....
若葉は青臭くていいと
老いた葉が
羨ましげに
鑑賞している
尖っていた葉は
あなたを守るため
傷つけるためじゃない
でも 遠ざけたのは
青くて頼りない葉だったから
そ ....
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自由 / フリー でいたい
色々なことに捕らわれていては見失ってしまう
ただ真っ直ぐ向いていたい
でも君は時折ぼくに向かって言う ....
「夢ならば」
肌を刺すような風
なびいて
夢 紅葉狩り
枯れていった草
大地に帰り
恋 秋の囲い
夢ならば
流れ去る一筋の光
夢だから
忘れいく装飾の色彩
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どうやらこの世界では僕が天使で君は女神だ。
背中の羽で飛び回る自由と好きなペアを弓で射る自由。
背の高い女の子と低い男の子、
気の強い女の子 ....
息を切らしながら山道を登っていくと
薄暗い脇道から片目のポインターが飛び出してきて
びっこの前脚で器用に跳ねた
どうしたらよいのだろう
何かの病で左目を失くしたのか眼窩は
底知れぬ闇 ....
あなたの唇に息を吹き込む
サンピエトロ大聖堂を流れる僕の風
祈りはあなたのために
そしてピエタ像のように抱きしめて
僕はいつでもペテロになってあげたいと
あなたの唇に言葉を貼りつける ....
あの{ルビ鋼=はがね}の壁を
いつしか破れると信じて
今日まで生きてきた
壁一直線に何度も叩いた拳は
赤鬼よりも おどろおどろしく
涼しげな白の壁が 次第に青くなっていく
この一振 ....
住めば都
住めば田舎も名所
住めば都の風がふく
住めば都で花が咲く
ごもっともだ
いぃことわざだ
だから
原発の除染が完了すれば
ふるさとに帰りたい ....
顔を上げるとそこは晴れ
雲が犇めく青い空
或る者がそれを美しいと尊び
まるで人の心みたいね、と
浅はかなリリックを書き連ねる
それと恰度おんなじ頃
社会生活にあぶれた蛇が
安アパートのポ ....
俄かに湧いた嗜欲
降りしきるリビドー
僅かながら煩悶
還元的自慰行為
動じぬか理知
乗らぬか理知
壊えぬか理知
それゆえ理知か
行けど行けども
合致せず飽和
致し方なく
....
僕の瞳の奥で
針を手に持って微笑む君
それって
拷問と呼べないか
満潮
魚がよろこぶ
真っ青になる地球のどこか
沈んでいく
月が二つあります、
社会のように
わたしをとりまいて引きちぎる
右に 左に
西に 東に
分裂しなさい、と
輝く
無性 ....
1)
庇には樋がなかった
コールタールの屋根をはげしく打って
雨は黒い路地に、まっすぐ流れおちた
ひくい窓を大きくあけて
わたしは雨の音を聴いたはずなのに
路地に敷きつめられたコー ....
くるっと
くるっと回って
見つけた
影法師
地面に寝転べって
空とかくれんぼしている
くるっと回って
いなくなった
影法師
僕はまた別の影法師になって
あなたの見つめている空拭いておく
心の溝にくゆる{ルビ煙=けむ}
二分ノ一の修羅妄執
言葉の{ルビ辺=ほとり}に滴るそれは
烏合の如き矢を降らす
空は鈍色にして晴天
惚れた晴れたの夢枕
潤む空気はコンクリヰ ....
ノッテいるかい?
ロックンロール好きかい?
頭を動かし
キチガイになる
リズムに乗り
全てを忘れる。
頭が空になる。
水を浴びる。
踊る道化師
見る阿呆
ストレス発散
充 ....
全てが壊れる時
全てが産れる時
苦しい
息ができない。
優しく逞しく
雄雄しくあれ
力尽きて
痺れる
倦怠感
筋肉痛
眠気
苦痛
儚くも逞しくもない雑草
卑屈になるには育ち過ぎた
真綿で自殺を図るような詩人
歯に十二単着せてスマイル
まだ息が白くないから秋だ
劇的な何かを待ち望む ....
どこかで誰かが泣いていた
悲しくて
それとも恋しくて
※
悲しさに理由なんていらないけど
流した涙はしょっぱくて
それでいて仄かな甘さなんて感じてしまう
なぜって
....
きみが覆いつくした 世紀は輝く
きみは高らかに筆を降ろし 画布から水面につたう
きみは光と水を 調合する
きみは招待で
振向くきみは侵食のようだ
きみは廃棄物マニフェスト ....
悪玉菌
キットカットかじりながら
大人になったら
食べさせてあげるね
きっとね
幼なじみだった君は
お姉様気取り
自然の成り行きか
一緒になった僕たち
わさびの入った苦言を
ちょこちょこかじ ....
冬の気配を感じる日
信号待ちの足元に
からから枯れ葉が舞っている
まるで君の言葉のよう
冷たい風に吹き負けて
枯れてしまった君の言の葉
....
淋しん坊
チロルチョコを袋から
取り出し
お口にちょこっと
甘さ控えめなんて
昨日受けた健康診断の結果に
右端の隅におしとやかに
載っていたけど
ただ今
夜の10時
もうなんか〜
もうなんとなく〜 ....
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打ち寄せる砂浜に
文字を書いている
崩れ消えて行く文字達
流木を持ち
強く刻み付ける
水際に暗く強く ....
月
(乱太郎)
淋しげに唄う
恋などとっくに忘れて
靡く淡い音色
月の後ろ髪が解かれるとき
湖面の中央辺りに
漂う
在りし日の君の輪郭
月
....
慈善事業をする
行方不明者を確保し
保護者が来るまで
付き添う
仕事でクタクタの中
飛んで会いに行く。
仏の顔も3度まで
今度は許さない。
詩集を届ける。
皆喜んでくれる。
....
喉を嗄らして
低周波で世界に発信する
・・・・ここだけの世界。
発信器の低出力は金の無さか。
それとも設計自体に問題アリ。
コンデンサーが怒れているのか。
....
思い出の数には限りがあって
両の手のひらからこぼれた思い出は
ひとひらの色あい
鮮やかに晩秋の野山を彩っては
やがて力尽き
道端の
ふきだまり
静かな眠りに何を夢見る
※
....
君が窓の外ばかり眺めているから
僕はさみしい
君が郵便ポストばかり覗き込むから
僕はさみしい
探している答えは ここにあるよ
僕が その答えだ
歌われないメロディーが
綴られ ....
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