すべてのおすすめ
ことしのさくらは
ふびんだな
と、かんじたのは
ぼくだけで
つぼみはみるみる
ふくらんでいた
なにか
ございましたか
はるよ
きみがきらいだ
つち
などではない
いのちなのだ
ひとすくいの
つちを
すくうために
きみはいのちに
きがづいた
掌に海がある
水平線のむこうから
海賊船がやってくる
わたしから大切な記憶を盗み
それで得た金で
毎晩酒を飲み騒いでるのだ
わたしは海に飛びこみたいけれど
この体から出ること ....
現代詩手帖を
ツタヤで立ち読みした
イチローが
内野安打を打つたびに
子どもが一人死ぬ
というような、うろ覚えだが
そんな詩があって
胸を打った
その後
....
不在票が
届いている
裏の公園の
桜が散ったのだ
こんなにたくさん
さよならを伝えたくて
春が終わっていたのだ
私がいない時に