よく泣いていた
眠るまえ泣き
屁理屈に抱かれて眠った
それを繰り返していた
そうしているうちに
かなしみと添い寝できるようになっていた
泣こうとしたらいくらでも ....
町の明かりに
じぶんを問いかけている
やくざが入れ墨に
じぶんを問いかけるみたいに
ぼくの遺伝子がONになる
海を聴いている
茶色いレーズンを吸っている
....
盲目のピアニスト
孤児院育ちのボクサー
....
暖かいミルクティーを入れた
ティーカップは首を捻るように
皿の上で少し、傾いている
人生は、少しぐらい
わからない質問のある方が、面白い。
(僕等は日々のテストをクリア ....
僕等は一体いつ頃から
目に映る世界の色を、忘れたのだろう?
カーテンの木漏れ日へと、はいはいしながら
丸い瞳を見開いた、幼い頃の自分。
大人になってくたびれたこの胸から
今 ....
いつものようにキスをして
電車に乗った君の
窓越しの笑顔に、手をあげて
一人になった休日の僕は
駅ビル内の喫茶店で
朝食のパンをかじりながら
ふいに
自らを漂う雲と思う ....
自分のすきなものを
あなたにそっと教える
まるで幸せを
あなたにわけるように
いつかあなたと
わたしのすきなものを
一緒に楽しめたなら
すきなものは
大事なものになる
わすれ ....
君の10年分を昨夜ずっと何度も見ていたよ
眠らずに何度も見ていたよ
生まれたばかりの君を
心細い私
心の弱い私は
君を育てるという大きな壁にぶつかって
泣いてしまった
くじけてしまい ....
配管の網の目に棲む
浴槽にためる湯が 水位を
どうするのかを見ている
うらなりの子のように産みつけた
執念をよびさます
学くんに貸して戻らなかった鍵盤も美和子さんにそっとわたした恋文 ....
浄化する現実路線
聖なる賄賂
信じて舞う
瞳を閉じて ひらひら 揺れて 恋
きらめく滴 雪は溶け 水
誰にも知られない部屋に
内側から閂を掛ける
時計の針 ....
空白に 行くところなく 影ゆれる 空はいよいよ 青くなりゆく
むかしもいまもそうだ
の・ようなもの
家族ゲーム
メイン・テーマ
それから
そろばんずく
・・・・
黒い家
・・・・・
椿三十郎
・・・・・ ....
現実から逃げてしまう。
自分よりも空虚な空間を見つけることに
フォーカスしていて
無いものねだりばかりで
最近、自分を見失ってる気がする
いつからか自分で得なくなった?
....
地に飢えた哀しみより街に住む孤独の苦しさ
古い映画を観ればすぐに涙ぐむ癖に
アフリカの子供たちから顔を背けるわたしたち
土地を追われた哀しみはすでに絵空事で
ひもじい辛さも ....
埼玉から都内の西に越して
一部屋減った
3LDKの都民住宅
なにも家具が入ってない
下見のときは
とても とても
広く見えた
が!!!
おとな5人と成猫2匹には
狭い ....
夕暮れの校庭で
少年が一人
逆上がりの練習をしている
息はすでに上がり
手のマメは破れているけれど
何度も地面を蹴り続けている
成功したところで
得られるものも
失うものも ....
あり合わせの野菜と特売の豚ばら肉で作った野菜炒め
ちょっと辛めなのは彼の好みで
できたての熱々をふたりのお皿に取り分ける
彼はと言えば相変わらずのパソコンに熱中していて
彼のお皿にはお ....
自転車通勤がしたいと思い
16万円の高級自転車を買ったが
わたしには通勤先がない
などと今まではそういうパターンで
俺はずっとやってきたわけだが
2011年からはもう少し工夫をして
魔獣や ....
ふたつの冬が互いを削りあっている頃
孤独な吾が身が突然痛み出す
痛みます、昨日と変わらぬ今日なのに
精神の不具であることは恥ではないはずなのに
何故、かくも私は不自由な心の持ち主なのだ ....
世界の距離が
もう測れなくなっている
ゆっくり水が染み込むように
着実に到達してくる
空気で感じられぬうちに
世界は離れていく
あなたがみている世界と
わたしがみている世界は ....
あさいちのJRに乗っている
コートの大人たちでふつうに混んでいる
ぼくは中二の秋くらいの気持ちになっていた
電車のなかにいると引きこもってしまうのだ
みんなが立派そうに見える
みんなが上 ....
僕はいまだによく悩む
そんな時頭の中では家なき子だ
じっと我慢
ハリーポッターの魔法の棒でもあればね
石ころが美女に変身するような
ひらめきと
それまでのくよくよを一気に粉 ....
冬の星空は、美しい
そして、今夜は 月も明るい
満月か これらか満月になろうとしている月なのか
こうも月や星が明るいと 夜遅い時間であることを忘れてしまう
あれは ....
「有害な空気を生み出す煙突のようだね」
そう呟いたのは、他でもない私の心でした
体内をぐるりと回り行き場を失くした有害物質は、ため息と共に吐き出される
透き通った冬の空気
吐いた息は煙 ....
ある日70メートル離れて後を付いてゆく 。
ボルカ氏の散歩は奇妙だが目的地はちゃんとわかっているつもりだ 。
ゴチャゴチャした秋葉原の街。ぐるぐるとまるで空っ風のように旋毛曲がりに通り ....
何かしら対価を見出したので愛するんだと思う
男のひとなら性欲の捌け口だとか
下心で膨らんだ股間を隠し
君だけを愛しているなんて恥ずかしくないのかな
女のひとだとしたら
無性に巣篭もり ....
くちびると舌でつよく吸った
おまえからの写メを見つめてる
あかい地球につながってゆく
漂ってあかい地球に浮かんでる
かるく閉じたおまえの目
くちびるが
ちいさな ....
通り沿いにガラス張り
湯島のちいさな洒落たカフェ ペグ
オーナーの娘だろうか店員女性にときめくわたしは
「おはようございます。玄関マットの交換です!」
の発声加減については役者なみだ
マ ....
電車のホームに自らを叩きつけるようにおりた白い紋白蝶は風に吹かれて響くように揺れながら嵐のように揺れながら蝶のように美しく軽く軽やかな足取りの女の黒いヒールの爪先に踏み潰された。
朝の光のな ....
私を追いかける影が
夜の音を奏でながら
二つ一つと距離を壊す
崩れそうな私がささやく
「もうそろそろ
殺してもいいでしょ?」
私には出来ない まだ出来ない
私を優しく包む闇が
....
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