朝のうちに
小さな未来を想って
二段重ねの
小さな容器を
すきまなく埋めていく
もう何も
いらないと思っていたけど
やっぱり同じに
朝はきて
そんな莫大なものに
途方にくれ ....
神秘を踏み外して世界が回る
その少し下 メランコリーの上辺を
飽きもせず日々の生業に傷つく
21世紀のシチズンズ・オブ・ザ・ワールド
歌うように花が咲いて
またコスモスの季節なのだと気づ ....
聞いた街を流れる 車の写真撮影をした
今日の新車に 壊れた音楽の モロッコの部屋の前でドライバーを持ち上げて
パンクして 買ってきた誰かを使ったけれど 運転した
私は紹介する 知らない古 ....
大きくなれるか
しんぱいだった
大きくなった人は
毎日を
すいすい行ける
たとえば
魚の骨に
困ることはなくて
ともだちとけんかして
教室のまん中で
泣いたりしない
....
金星の風景的未踏の地に放られて
サラサーティーとか音姫の需要について
の論文をねそべってかいてる
紙が飛ばされて
それをおおげさに追っかけ
ホントは自分が
大声でそのことを笑っ ....
働いて
働いて
帰宅
シャワー
飯
就寝
起きたら
また働いて
かたかたと
長い帯
シュレッダーの
跳躍
....
とめどなくながれるきせつに
おぼれてしまいそうになります
しずむこともできず
おなじようにもてあそばれるこいしに
うたれてはあざがふえていくのです
水面に浮かべた
ティッシュペ ....
透明なコスモスがつぶやいて
風鈴の綿雲は
はやぶさの風来坊となって消えた
かがり火ょ
赤いランプとともに
燃えつきょ
鬼火ょ
白い灯台とともに
燃えあがれ ....
僕は産まれるまえからエロ事師だった 。
その名はクレマシス 。
いまでも覚えている。
テレビの踊り子をじっと見てたとき、思わず口から 「カタクなったぁ!」 と ウィンナーのようなオチ ....
at 4:00 PM
渇き疲れた 繭の空
絹糸が
照らす
遊歩道
南の国の
入口を抜けると
幼いわたしが
立っていた
冬に咲く
紫陽花のような
ちぐはぐな気持ち
....
駅でモノクロが笑う
見逃してしまいそうな一瞬の隙に
夕暮れに口紅を塗りたくる
張り詰めた不安を化粧で隠して
私は女
悲しいくらい弱くて
切ない
切ない
と
ただ馬鹿みたいに繰 ....
*
ビブラートに揺らぐ空の裂け目を
幻視の鳥が飛ぶ
*
明滅をくりかえすビル群が剥がれ落ちる
((NYという記号を描くその一点として わたしが燃やされる))
....
天井の隅には
蜘蛛の巣があるけん
蠅のばあちゃんが教えてくれた
台所の窓にはヤモリがおるけん
近寄っちゃいかんばい
婆ちゃんは
何でも知とると
だけん
長生きしとるばい
この家の ....
あなたはいつも
ことば
そのもの
あ・う・んの息が
僕の水晶体を潜り抜け
脳髄でぱっちり点滅する
あなたといつも
ことば
戯れてごろごろ
猫じゃらしであやしたあとで
バケツ ....
平日は
ぎっしりと湿った砂が詰まった頭に
素敵な大人のお面をつけて
行列の最後尾で傾きながら
特別快速の通過を待っている
休日は
いっこうに衰えない逃げ足に
穏やかな家庭人のジャ ....
娘が幼稚園に入るまでに
通園バッグを縫わなければならなくなった 我が家では
まず 寸法を測って キルト地などを裁っては
思わされる 間違って絶ってはいけないと。日本語があまり
得意ではない ....
扉などあってもなくてもよくて、
それはわたしの肺が
さくばん死んだ蛾の燐粉で
みたされるのとおなじこと。(こうこつ、
通り抜ける、みどりの、さけび
それは あした
砂丘につづく列車に
骨 ....
外で遊ぶわたし
よそ見していると・・・
ごぉぉぉぉん!!!!
いた〜いボールがとんできた
痛すぎて声が出なかった・・
このときボールが嫌いになった・・
その後も2度・・3度・・同じことが起 ....
壊れたメトロノームの
壊れたリズムで
第一楽章は始まる
歪んだ旋律が
琥珀色のホールを満たし
それでもヒトたちは
祈るように席に座り続けた
やがて楽団員が一人また一人と
舞 ....
井の中の蛙
大海を知らず
自分がお山の大将と
思っている。
世の中の事は
何も知らない。
ただ勉強しか
して来なかった。
いいのか悪いのか
わからない。
知らぬが仏と思って ....
今年はとうとう
夏が来なかった
夏はもう
来なくなってしまったのだ
きっと冬も
もう来ないだろう
私たちに必要な食物は
どんな薬を使っても作れなくなる
そうして私たちは
少しず ....
胸に彫刻刀をあてて
誰が家紋など彫ろうとするのか
いづれ君は
かどをヤスリで削って
私は誰でしょう、なんて
笑って(泣いて)
それでも
叩いた音の響きで
君はすぐに見つかっ ....
愛はすぐに終わった。
愛と恋は違うというけれど
具体的にその具現性に於いてどこが違うのだろう。
愛には恋が必要で
恋には愛が必要だ。
言葉のパラドックスを解いていくと
そんなに言葉はたくさ ....
萩原朔太郎著
ウォーソン夫人の黒猫
再読
これはポー系統の猫だから
けど
朔太郎本来の猫だって
案外
おわああ
ここの家の主人も
病気です
お ....
{引用=
雨ざらしの、皮膚の、角質層に浸透しない乳液と、老廃物で崩れ
た二重と、汗ばんだ呼吸で、余計に湿度を寄せて、抜け落ちた獣
の毛が、二人の表面に貼り付いてとうとう一対の獣になっ ....
何にもない日ではなく
一年に 疲れている
私の立っている 何にも
あなたは 流れていく
島は 持っていない
遠くに 壁の光が見える
風のコーヒー
闇は スーパーの匂いもして ....
人の心に
真理などありはしない
されど 皆
自分の心に
真理を求める
絶えず変動する心に
真理などありもしない
単純な不自然に
気づけば
人は救われる
闇のなかで
....
愛だ愛だと
実のない喧しさを尻目に
繊細であるが故の傲慢さを持ち
無欲に満ちた私欲を身に纏う
君の
横顔
溢れたから弾いたんだ
怖いから目を逸らしたんだ
君の
無 ....
小さい頃
マンションの庭で
四つ葉のクローバーを探した
何であんなに幸せを見つけたがったんだろう
あの頃と、大して変わってないのだ
もう20年近く経つけれど
昨日のことのように、昔の情 ....
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