まどろみの風下で
アミメキリンの夢を見た
縁側の木漏れ日の
網目をかいくぐって
鯨偶蹄目キリン科の
枝先に腰掛けていた
うたたねの岸辺で
アミメキリンの夢を見た
首を長 ....
夕日なんて見たくない
きみは言う
紅く
どこまでも紅く
終わってゆくものなんて
透明になんてなりたくない
ぼくは思う
歓びは
柔らか ....
仕事帰りに街を歩けば
赤い灯青い灯夕闇を照らす。
裏通り馴染みの
一杯飲み屋に
そこに
今日を捨てに行く。
そこでぼくは
ひたすら喋りながら
呑み続ける。そしたら
なんだか偉 ....
「幸せ」と云ってしまえる自分に驚く
「幸せ」と云われたらきっと
私の胸はかすかに痛むのだろう。
「失いたくない」と思えば思うほど
「失いたくない」と云われたくなくて
だからお願い、何も云 ....
今宵はヤケに月が綺麗なので
この酒を月で割ってみる
杯に波々揺れる金色の月
軽く指で掻き混ぜ 杯の中で朧月を作ってみる
しんと静まる夜更けは 安らぎを奥深く提供する
また酒が恋しくな ....
適材適所のフィット感に 私が感じているのはいったい何だろう。
比べたことはないんだけど
ぶつかるたびに動揺が1つは確実にあって それを振り切るのに半日以上かかる。
世界が幅を狭めてくる ....
あふれるようなやさしさが
あふれてしまったのでどうしていいかわからなくなった
ひまわりの広告をみて
ひまわりだねえ
と言う
ひまわりだねえ
と返しながら
ひまわりをみている
ひまわり
桜がちりはじめているので
かなしい
かなしいと言ったら
かなしいのか
と ....
「竜巻」
君はハイヒールを投げ出すように脱いで
僕のキャンバスの中で
踊りに明け暮れる
遥か彼方に竜巻が描かれているだろう
あれは
君に惑わされた僕の渦
「波紋 ....
風を数えることができない
今私にぶつかった
私の髪をさらっていった
風を色分けることができない
だれかの悲しみに
順列をつけることができない
少し待ってくださいと
目をふせる人をフォ ....
その人には顔がなかった
ゆっくりと動く喉仏
見なくても分かる 嗤っている
高い位置から嗤っている
私の苦手な目をして
私の苦手な言葉を紡いでいる
その人には顔がなかった
....
{引用=
海面からみあげるとこんもりとした森が公園である
ブランコと藤棚のフジ
それからベンチ
蛇行しながら遊歩道の鎌首をもたげる
ぼんやりした外灯がともる
雨ざらしの石段をの ....
飲みかけのコーヒー
食べかけのプリン
吸いかけた煙草
死にかけの犬
読みかけの本
書きかけの日記
脱ぎかけのズボン
掛けちがえたボタン
揃えられないブーツ
禿げたマニキュア
散 ....
高校生活のころ
湿気高い、と書く癖で
わたしの詩だと読みあてた人は
乾というキザなネームが合わなくておかしいと笑う
貴方には才能があります
がんばってください
一晩中ふるえてか ....
夏の甲子園。
全国高等学校野球選手権大会 決勝戦。
北大路高校 対 羅生門学園。
エース三千院が好投しております。
9回裏。
羅生門学園の攻撃 二死ランナー無しで
バッターは3 ....
雪がこんこんと降り続いた次の日は
まだ夜が明け切らない早朝から
トラクターのエンジン音が響く
凍てついた大気では
空に昇る煙も、どこか力無い
そんな極寒の中で
現役を引退した男たちが
除 ....
懐かしい向かい合わせの座席
小旅行ってことばの似つかわしい車内の雰囲気
(偶然だったのかな、向かいの席に座った男のひととの軽い会釈)
それでも嵌め込み式のガラス窓では吹き込む風に往生する ....
ナナ、もうきみが
誰とも性交しなくていいように
全部塞いでおいたからね
安心して
そとをあるいておいで
昼間に、いくつか電話をかけた。仕事のための電話と、連絡、それから遠くにいる友人と、誕生日を迎えた男の子に。
恋人からは、いちにちに何度か電話がかかってくる。きちんとご飯を食べている?とか、洗濯物 ....
ひんやりとあなたの背中
ねぇ こっち向いてと
云うことが出来ない
でもこの距離感が好き
洋楽を小さく歌う私に
あなたは「わからない」と告げる
別にいいのよ
たいしたことじゃない
....
電車の自動扉から
春が吹き込む
そして夏が来る
アナウンスが夏を告げる
夏はにこやかに笑いながら
春を押しのけようとした
春はなみだを流した
アナウンスは夏を告げる
駆け込み乗 ....
はじめてが
まだまだ
たくさんあるって
素敵
ドキドキする
ワクワクする
はじめて
先のみえない
楽しみ
途中の
緊張感は
つなわたり
がっかりするのも
また ....
ときどき考えることがあるんだ
ぼくは河童で
きみがぴよぴよひよこだったら
いろんな緑と黄色がまじりあう
そこにはジャングル
ぼくらのおめめは密林の暗がり
恐竜は鳥に ....
明日坊主が供養に出かけるのに雨は好都合らしい
この頃お隣さんに越してきた三十代の人妻がやけに気になってしょうがない
早い者勝ちにはルールはないのだが
面倒くさがりやが決まって肝心なと ....
ヘルスケアとヘルタスケルター似てると思う国
政治がない選挙屋ばかり 評論家が今日も斬る
平和のためゲンセンをカい 資源の眠る海
原理原則あとから決めて 先に予算組む
ダイジョーブ 根拠 ....
?
無言の哀しみを垂らすカオス
木霊する虚数の戯れ
無限と背中合わせになって
月が次第に傾く
頂点で迎える明日は
まだ迷いながらも十二単を纏いはじめる
?
今昔のとき
....
みんな幸せになれたら
みんな幸せであれたら
きみのまわりだけでも
幸せの定義もかわるくらい
もともとどんな定義だった
分からない?分からない?
みんな幸せに ....
わからないから不安になるんだよね
好きなひとの心うちと
明日の空模様
開けてびっくりでは困るけど
あてにはならない春の天気予報を頼りに
ご機嫌いかがなんて訊ねてみる
わたしから ....
底ふかい
ながれる霧の
亡失のよあけに
サインのかげりがうかびあがると
ゑづは
狂いはじめ
つよくあしでまといの舌苔
怪訝と
したたりで
烏合を吐きだすつぶてに
そまる
....
優しい目で
どこまでも
温かく深いもので
きみは撫でる
残酷さや
死のもつ暗闇さえ
あるいは鋭い目で
銃弾のように
まっすぐ届いてゆ ....
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