痛々しいカルマのヘドロで
埋めつくされた胸のぬかるみに
重々しいリグレットが渦巻き
不気味にフェードインする
ギロチンの陰影があった
そして あぁ なんと ....
今すぐ結婚しないひとの
いのちの心配をしてはいけない
花びらがすき放題に散っている
桜木も見あたらないのに
どこからか来て巻きあげられている
雨のあとの曇った朝だった
....
腐った夜。隣の部屋で愛を営む学生カップルの残虐性は情状酌量の余地がない。今夜僕はあまりに寂しく気付いたら死んでいそうなのでとりあえずウイスキーをグラスになみなみと注ぎ貧乏ゆすりで下の階の住人の睡眠を妨 ....
いつも通りに立っている街路樹とお店
青と赤の信号も一仕事終えて
夜勤の黄色だけが道路を照らす。
いつもの塾帰りにリュック背負って帰宅中
市役所前の街灯の下
そのでっかい足場に腰を下ろす。 ....
ゴーサイン、そうあるべきでないこと、線路の交差、乗換え案内、小型化、軽量化、構造の繁雑化.....
冗談、胃袋みたいな鞄、鞄みたいな小部屋、小部屋みたいな恋愛、恋愛みたいな冗談。
腹痛、睡 ....
風が吹き
水面は揺れ
草木はざわめく
梟は語り
兎達は眠り
闇が優しく包む
水面と踊り
梟を照らし
雲と語らう
星と共に
いつもそこで
優しく柔らかく
眠りにつ ....
椅子と椅子の隙間から
右側だけの手紙を書きます
今日は洗濯物を
たくさん畳まなければならないので
表札はきれいに外しておきました
見えるだけの郵便局の前から
鳩の歩く音が聞こえて ....
真っ白だった 目を閉じていなければ
真っ暗だった 目を開けていなければ
けれど解っていた 春が来ていることは
春は名のみの風の寒さを言い訳に
知らないふりをしていた
気づかな ....
近づいてくるあなた 遠ざかるあなた
死んだ犬 ガードレールの枯れた花
停電の夜はあんなにも優しかった心は
春の日差しに照らし出されることを避け
中央分離帯の薄汚いビニールの陰に隠れてし ....
何度もひとさまの葬式に参列してまいりましたが
いつもいつも「死」はよそよそしい
きっと、わたし自身の「死」は
わたしの体に起こるけど
感じられるものじゃあな ....
微笑み浮かんだら 授業は うわのそら
教室で運命・赤い糸さがしてる
願いが叶うなら 君の泣きじゃくる顔も
見たい 見ていたい 10年後も その先も
君に惹かれるのは なぜ だろう ....
苦しい
安定
息継ぎ
安息
ハーモニー
不協和音
unite
divide
バイオリン
カセット
猫
音楽会
水面を見上げると
ちいさなおんなの子の顔
こちらの様子が気になってしかたないのか
大きくなったり小さくなったり
*
わたしだけの世界
酒屋さんの軒先に置かれた古い火鉢
....
もう
君のいるところは
桜の花が一面に広がって
陽気な君を
さらに陽気にさせているのだろう
はかなさよりも
いまのよろこびを
空いっぱいに舞いあがらせて
まだまだ
遠い桜前線
....
どうにも出来ない事があるとすれば
“時”が駆け抜けるのを 追いかけて捕まえるのは
勝負にならない
だから次の“時”を 待ち伏せて
罠にかける事を考える
卑怯者だと言われるのだろう ....
全ては愛の為に
全ては人の為に
全ては己の為に
全ては神の為に
病を診て、人を診ろ!
ストレスの軽減をしろ!
なるほどと思う。
診療報酬にならない。
金にならない気持ちが
大 ....
- マルガレーテへ -
懐かしい旋律よ 黒髪が黒い鍵盤を浸す時
古い一族と共に お前は 滅びる
彼女が今 白い鍵盤を 血の赤で汚している
彼女の唇が ....
うちの近所に
知的障害者の施設ができるときいて
みんな反対した
知的障害の姉をもつ私は怒った
うちの近所に
性犯罪の過去をもつ人がもどってくるときいて
私はいやだとおもった
抱き ....
想い出はきらきら光る宝石箱に
そっとしまっておくの
誰にも穢されないように
誰にも奪われないように
時々独り宝石箱を開けると
昔と変わらず想い出はあたたかい
何時だって戻れるから
あ ....
ふるら
ふるり
舞い落ちる
薄紅色の憂鬱に似たもの
らるら
るるり
鼻先で笑う
どちらの岸にも辿りつけないもの
うるら
うるり
降り注ぐ
乳白 ....
もうすぐ今日が
地平線の向こうへと
まだ生きたかったと
怨念を残して去っていく
その時太陽の傍らで
道連れに消えていこうとする
今日をぼくと共に歩んだ
ちっぽけな気持ちの欠片
....
なぜか目が離せなくて
胸が刺されたみたいに痛くて
お腹と胸の間の部分の
違和感が続いてゆく
喉から手を突っ込んで
とれない
とれない
ジタバタする
もっとあたしならとかいったり ....
大自然に生かされているだとか
生かされていることに感謝するだとか
もう言えない
大自然がちゃんと生かしてくれないから
私たちは文明を発展させていったのだ
たまたま牙を ....
人の怒り
兎の悲しみ
牛の痛み
マンモスの憂い
ゾウリムシの儚み
蠍の板ばさみ
イソギンチャクの絶望
カワウソの焦燥
蝮の煩悩
ウォンバッ ....
この桜は
雨に濡れているだけ
はるかの地で
咲かなかった仲間を
忍んではいない
感じてはいない
そうだよね と
目で触れる私に
ふぁさりと首を振る
風がこたえたのか
雫は球にな ....
ヘッドホンの向こうで
うわわわわと言ったきり君の声が途絶えた
それっきり君は闇へ運ばれていった
復旧作業という任務を負って
心の中がぎしぎし音をたてる
まだか
まだ足りないのか
....
お前と会ったのは、あの教室。
シャイなお前はうつむきながら、
俺が話しかけるのを待っていたみたいだ。
お前は差別を持たない。
お前は人を羨む心を持たない。
どんな人間でも持っ ....
私は誰と何を語ることもなく
少しの話しをだれと交わすこともなく
私は 死んでいくのは とても
寂しいことだと理解した
きっと何かを見ることだろう
長い 流れの中で
少ないのだ ....
最初フットボール大の素粒子だった
それが爆発して
今日も宇宙は拡散している
宇宙の果てとはどんなだろう
果てのむこうはなんなのだろう
フットボール大の素粒子のころ
....
サク ラ サク
たわわな薄紅色も
頬を撫でる花風も
輪郭が和らいだ街の影も
去年とは変わらないけれど
わずかなためらいと一緒に
飲み干した酒の味は
去年とは違う
サクサ ....
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