非対称のしあわせ
暗がりのむらさき
すれちがう音
知ることなく去る音に
黒が結ぶ蒼


星ぬぐう想い
明かりの消えた
棘 棘 棘
招びよせたなら
(ぬくもりな ....
濡れた鋏の翼で ブリキの鳥が
夜を 透明に 幾重にも 裂いてゆく


路上の暗がりの奥と 知覚の裏側に
魂が 横たわって 繋がる 
そこに
黒い向日葵が咲き
黒い獅子が眠る
白鳥 ....
噎せ返るような鉄錆の匂い
ぞぞぞぞと這い上がる、
正体不明の警告
止まない水音
ひたひたと忍びよるのは
影のない、


転がっていたのは物だった
しなやかな筋肉は硬直を始め
この眼 ....
そうして
列車は燃え上がる火山の山腹を廻り
向かい合って座っていた僕たちの
車窓から美しく災害が眺められた
列車のドアから乗客たちが飛び降りていった
飛び降りては降りそそぐ炎のように水鳥を抱 ....
庭園を吹き渡る気流に乗って山脈を越えると
なだらかに広がる山腹の緑の森と
森に囲まれた湖
そして川があり滝があり
庭園を巡る園路は地形に沿って這い回り
緑の平原は地平まで広がり
その地 ....
花園に対する興味を失ってからもうずいぶんと経つが
今更になって入場を許可された
偶然にも暇をもてあましていたということもあり
成り行きでそこへ向かうこととなった
かつて想像していた光景ほど色鮮 ....
{引用=

波がひけば
それを追いかけて
靴を濡らさないように
足が冷えないように

事実だけを伝えて
その真ん中にある感情を
単純に「痛い」なんて声高に言わないきみを聡明だと思う
 ....
逃げろ!

すべての口紅から
すべての適温から
すべての海図から
すべての王様から

逃げろ!!

すべての脂身から
すべての窓枠から
すべての音階から
すべての標本から

逃げろ!!!

ただし
 ....
弱々しい光が まどろみに咲く
鈍く 浅い眠り
左右に滲む 時計の針音
指輪の中に 溶ける指
白い時間に
記憶が 目覚めの中に ほどける時
物憂い 発光は ぬるい痛みを帯びて


 ....
ここは 来たこともない街角
さもなければ
山色の険しいけもの道 
道標もない白い雪原

あたしは一人ぽつねんと 立っている

足あとさえもなくして
道に迷ったのです

どうして ....
先生は言いました
あなたも自分で選んできたはずでしょう


とと

かか

ここ

ボタンから指をはなせば

なな


てて

折り畳まれた頭をもったの ....
左折レーンにいた
交差点にしゃがみ込む人たちを見た
赤い小さな水たまりを見た
音声を風が運んだ
がんばって…
がんばって…
助手席の彼女が見たもの
人の言葉を持たない小さな生命が
消え ....
とれたての干し柿とは何か
とりたてのめざしのようだ

とれたてのお新香とは何か
とりたてのふりかけのようだ

聖なる書改訂版には干し柿も
めざしもお新香もふりかけも
あの人が光りあ ....
羽をもがれて
あなたは水に四肢をひらいた
金にも見える
銀にも見える


波が燃えて
緑に落ちる
手のひら消える
手のひら見える


息が息をふちどり
冬 ....
延々と旋回して ぼくらが密集するのを 待っている 
銀の鳥群
あれは 狩りの前の儀式


狩る側も
狩られる側も
祈っているんだ




戦場へ行こう
両親を想って  ....
{引用=

君はどこから

何を引っ張ってきたのか

そんな
顔をして

僕には

読み取れない

君の
やせた歯茎が

うれしいのか悲しいのかどうか

ま、
と ....
台所に転がっていた
折りに入っていた桜餅は
ちんまり小さくて
一口でも食べ切りそうだ

桜色が濃すぎて
鮮やかでキッチュで
どう見ても体に悪そう
だから少しニヤけながら食べよう

 ....
そんなことはない、が
結局は開かれることなかった口の内側で吠えている

不便のないところでは
それがどんな狂犬だろうと
誰かしらがいい薬を処方してくれるでしょう
それで利口に生きていける
 ....
淡い 
藍色の
球形の
液状の
暗い
深海の
二枚貝の
目蓋は

まるで

眠りについた 幼子を
見守る 
母が
御伽噺の 厚い 表紙を そっと 閉じる かのように
 ....
気づきませんでした
知らぬ間に
時を なくしていたのです
one hour ahead

そんなときはきまって
静かに 自分を抱きしめる
そうあることが、あたりまえなら
失うことな ....
涙、あふれて止まらない
まるで透明な血
鼓動にあわせ
まぶたのずっと奥
体の真ん中から
どくどくあふれて止まらない

もういいからと
誰かが許してくれた
誰? 何を?  ....
8センチヒールで足をくじいた日 あなたの背中バファリンのよう 23時。
さてと、と男は義手を宇宙に伸ばす
するすると、それは暗黒へと伸びて行く無限梯子
スコッチのグラスを置いて、バケツをかぶると
穴だらけのおんぼろアポロで出発だ
ずっと宇宙とコンタクト ....
トイレの中を
赤い鳥が
泳いでいる
すっかり
無駄になったものは
なんて
きれい
捨て去ってしまう
ぜんぶ
胸ぐらを
つかんだ
手の硬さ
殴ろうと
思って
会った相手を
 ....
ピエロの仮面を被っていた理由を
楽しくなかったからと言ってみたのなら
つまらない嘘をついたことになる
どうせかっこつけるんだとしたら
不器用な人間だから、と漫画の受け売りをしていたい

そ ....
寒い季節に浮かぶ 旋盤された月 白く散った光の環
環光が
凍りついた街灯を弾き 音叉として響かせ
夜を宇宙の一角へ切れ込ませる頃


分母だ
物差し程度の尺度では敵わない
星の数ほ ....
逃した魚が尾ひれを揺らしながら
泡のような歌を唄うから
僕とお母さんは今夜もふたりきり
空っぽのお皿を囲んでいる
待ちくたびれた夢の中で僕は
とても大きな魚を釣った

お父さ ....
あなたは一輪の花をもってわたしのもとへとあらわれました

あなたは一輪の花をもってわたしに別れを告げました

わたしはまた新しい花瓶にその二輪の花を共に活けるでしょう

そして同じように水 ....
夜な夜な通う男があった。
おのれとは不釣り合いな貴人であると思ったから、
娘は誰にも告げなかった。

幾山越えて川越えて
林を抜けて森抜けて
夜な夜な参る者の名を
ちちはは知らずたれ知ら ....
くらやみのひかれた丘の上で
私は黙想している
近くに大きな河がある
冷たい風の向こうがわ
乳のように深くて豊かな河が
夜に寄り添うように
よこたわっている

河は今、水かさを増している ....
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夥しい静寂の_/_****'02- 小野 一 ...自由詩3*10-3-23
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- イシダユ ...自由詩410-3-22
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とれたての干し柿とは何か- ……とあ ...自由詩10*10-3-21
場所- 木立 悟自由詩410-3-21
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桜餅- kauz ...自由詩9*10-3-20
ありったけの花束を- 瑠王自由詩9*10-3-20
雪盲_/_****'02- 小野 一 ...自由詩4*10-3-20
【夏】時間- 月乃助自由詩11*10-3-20
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針刺して- 佐々宝砂自由詩9*10-3-18
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