ばあさんが男を一人しか知らないとしても
人生の物足りなさはそこに在るのではなく
今日もやかんの熱湯をポットに注ぐことや
皺だらけの寿命の尽きるのが
再来年でも明日でも変わりはしない
そのこと ....
だあれもいない夜に私はたっています
それは夜のくらさのためではなく
そのくらさが私の影とまじりあうからでもなく
ただ私がどんなものともつながっていない
無縁のものだからなのです

とおくふ ....
雨の音がまるでオルゴールのようだと、ナナが言った。
僕はオルゴールなんて見たことがなく、それがどういうものなのかは知らない。そう言うとナナは目を丸くして驚いた。

「ゼロはオルゴール ....
難破船が、出港する。船であるからには。海が。あるからには。心優しい、友人たちよ。惜しまないでくれ。わたしは。幸福とひきかえに、世界を。手にするのだから。



棒のようなものを、ふりまわす。 ....
 耳を
 澄ませば
 夏草の受け止める
 雨音
 さふぁり


 金魚のひれ
 ひらひらと
 漂い
 脱俗を
 せまる


 食うのみに生きたが
 戦後と
 あなたは言 ....
しおからい肌のおもては なまぬるく うらがえしてもどこか遠くて 新緑の季節
五月の朝の陽光を浴びた
ニコライ堂 緑青に覆われたドーム屋根

明るい陽光に
くっきりとした陰影を残した
コンドルの遺産は
一二〇年経った今日も
聖橋から靖国通りに向かう坂 ....
隣のビルに向かって叫ぶ

レモン!

酸味を含んだ飛沫が
届くといいと思って

レモン!

屋上で
柵に手をかけて
 
レモン!

箱詰めにしたレモンを
宅急便で送ってお ....
光は動き
樹は見つめる
はざまの前に立っている夜
はざまは風になってゆく


双子の夜の片方が
先に朝を知ったので
昼はななめ
夕はななめ


光が変える絵 ....
 {引用=
 実在しない恋人に捧ぐ。



公衆便所で 首を吊る姫君
顔色ならば じゅうぶんに、わるい

たとえば 美しい女でなくても 踊れる舞台は あった。

たとえば、「もう ....
舞台の緞帳はいよいよあがり

しかしその舞台のうちで更なる幕は開かれる

改革は合わせ鏡

今や幾重にも続く世紀の幕開けに

観客は右に左に首をかしげ

出演者達は台本を忘れ

 ....
重油が雲のように流れうねる
粘液質の眠りの底に響いて届く
何色かの鐘の音色に共鳴する
筋肉繊維の無数の弦が共震し
開かれる眩暈と明晰の間の扉


甘く緩く脊髄を対流する
胸 ....
冷蔵庫ゆっくり冷えていくものが光のような気がしてならない



やっと今一人で立てた足元にいろんなものが這いのぼってくる



ゴミ置き場月光に散る貝殻が泣いてるまぶたに見えなくもない ....
 
 
ページをめくる
本の中にたくさんの
文字が落ちている
こんなにたくさんの文字を
いったいどこの海から拾ってきたのだろう
時刻表を見ると
海行きの最終列車はもう三分ほど前に
近 ....
朝起きて 台所のブラインドを開けると
猫が 物陰に隠れて
つたの絡まる切られた木の上の方を見ている
そこには ヒキナギのつがいが
巣をはぐくんでいるのだ
が いつもはもう チチチとさえずるの ....
額にコインを強く押し付けたら
願いが叶うと信じて
おまえは毎日
穴が空くくらいコインを押し付けて
何かを祈ってる


はたから見てると
なんだかバカ ....
太陽が西に傾き
橙色の弱光が窓ガラスを抜け
誰もいない教室をほのかに染める
グラウンドでサッカーボールを追う少年達
その声が
遥か遠くに聞こえる

教室の後ろの掲示板
はられた絵が眠る ....
命を助けてもらったなら
大切にしなくちゃいけない

今日俺は獲物を逃した
獣と魚を一匹ずつ

あいつらは俺が乗り気じゃ
なかったことに
感謝してるだろうか?

そりゃあするだろ ....
手首を切り落とす、
という妄想が頭から離れない。
私の手首を切り落とすのではない。
最愛の人の手首を切り落とすのである。

切り口はなるべくすっぱりと潔いのがよい。
切れ味よく骨まで切り落 ....
灌木と雷雨を連れて町を出た
辺境には辺境の掟があるのだと怒られた

探査船に乗って星を出ると
ドーム内の環境シミュレーターで
雷雨は分析され、灌木は実をつけた

この確率は奇跡ですね、と ....
 
 
虫かごと網を持って
虫をとりに行った
どんなに網を振り回しても
虫以外の生物や
生物ではないものしかとれなかった
とったものは逃がしたり
あったところに置いたりした
元の姿に ....
こころにもないことを云うあの人の こころはいったいどこにあるのか 注)2009年秋の連歌と2010年春の連歌に書き込んだ自分の句だけを抜き出して、並べました。



止まらない メリィゴーランド 銀河系

水面の空を 傘先で突く

愛おしき 黄昏を追 ....
海のはなしをしよう
とりとめもないことでいい
海の青さや広さや深さ
どんなことでもいい
海のはなしをしよう
難しい言葉でなくていい
海の美しさや眩しさを
波のように繰り返しはなそう

 ....
{引用=


冬になると、一枚板の壁の隙間からは風が、骨の芯に沁み入るようで、いつまで経っても、身体は温まることがない。だから足先から、這い上がる冷たい手の平にうなされる夜は、一向に眠る気配を見 ....
妄想の残骸と 覚醒の余韻の 間で 猟銃を構え 隠れ 
祈るように 待つんだ 
弱々しくても 灰色や黒色でも やがて射す
光の意味合いを 希望と 呼べるように
狙うんだ
 ....
鍵がないことに気が付いて
ドアノブに手をかけると
抵抗もなくドアは開いた
一度振り返ってから中に入る
靴は脱ぐべきだと思いながら

リビングにつながるドアを開けると
見たことのない女が水 ....
命が終わるの言葉

死後の世界を信じていても
私がそこに行けるとは思えない

家まで歩いて帰ると
2階の窓からきみが外を見ていた
忘れてはならないものらしい
愛した男の名前と
その男を奪った女の名前
そして事の顛末一切合切と発せられた言葉の一字一句まで

こんな近くに勤めているとは思わなかった

東神田の交差点を右 ....
疾風夜

薔薇の鎖 風を閉じ込めた部屋
揺れる群青の窓辺で僕は、白い羽根を広げる
静かに散る、金色の唄 か細い息で、世界地図を描く
指先に砕けた、きみの肖像 土と血の味が、にじむ
歪んだ外 ....
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