子宮の壁を誰が叩いているの?


子宮の涙がつたって
海へ戻る

子宮にわすれてきたわたし
少女のわたし

子どもができたら
わたしと一緒に産まれるだろうか

夜に産まれた ....
緑のキャブが
ネオンサインの林を発進
道のりに
メーターと胃がせり上がる
よろよろとヨッパ雷蔵よろけ出て
盛大にベッドタウンに嘔吐する
運ちゃんは
イライラしながら前方注視
未払いの料 ....
青い波間に漂う
コバルト・ブルーのきらめき
画用紙に彩られた海は今でも
烈日を待ち焦がれている

*

雨の日は部屋の中でひとりきり
孤独を思う存分楽しもう
外国の歌手が歌う
レコ ....
 暑中お見舞い申し上げます。   たま



 地下鉄

地下鉄はまっすぐ走るものだと思っていた
車体が傾いてとなりの女の顔が急に近づいた
ね、 複雑でしょ・・
耳元の吐息はいつも体 ....
青らむ、夏の
わたしの首すじ に
風がひそかな挨拶をおくる


揺れやまぬ草の穂先のいじらしさ
痺れた指でもてあそびながら
あなたのことをかんがえる


青らむ、人の
まなじりの ....
縦に裂く指のひとつの行方には夕暮れのみの魚よこたわる



一歩めで柱二歩めで廊下燃し三歩で天地の境またぎゆく



「まとも」とは何を指すのかわからずにここまでは ....
いくつもの風が過ぎた
いくつもの雨が過ぎた

いつ結んだ思い出だったろう?
   僕の地平をゆく青い旅人に
   君の塔に棲む白い少年が手を振る

日と月とがめぐる 星座がめぐる
幾重 ....
入道雲の浮かぶ
背丈ほどもある草むらの
風の抜けていく
ふかみどりに、時折
沈むようになった鉄条網
(U地区)と
わたしが、そう
呼びつづけた街の住人
たちが、みなで立てた
鉄の ....
夜な夜な
あなたが台所から
空のボウルを持ってきて
食卓に置いた
私を人差し指でさして
「空だ」と言う為に

白のテーブルクロスに
私を寝かせて
殴り始める
夜な夜な
ボウル ....
歩いている。
あてもなく歩いている。
すっからかんの着のみ着のままで
歩いている。

足下には星屑が輝き
頭上には異様に大きな月が
幾つものクレーターを見せて
垂れ下がっている。

 ....
夜の空にかかる大きな河を
私はまだ肉眼で見たことが
ないのです

日常生活の光は
私に空を見ることなど
許してはくれない

私が疲れて眠っている間に
胸の奥から生まれてきた
誰にも ....
タイで生まれたチャンとエン
取り合い喧嘩は5つで終わり
険悪は気づまりでつまらぬし
外は様子が違うので
庇い合う事にした
14になると卵を売った
母さんと化け物遺し親父が死んで

耳目 ....
どろりと濁った沈黙は
息苦しい熱を孕んでいる
ぽつりぽつりと見えるのは
白々しい墓標の群れ

太陽の乱反射が突き刺さる
コンクリートがぶすぶすと音を立てる
それは悲鳴に似ていた
 ....
かたく包まれたものを見ている
濡らすたびにかたくなり
ほぐしたくてもほぐせないほど
ぴたりとはりつき 包んでいる


水の音がする
さかさまの
水の音がする
もと ....
産卵

この部屋には何も無いので困ります
埃をかぶったカンバスには
塗り潰せる面は無く
それだけの量の絵の具も
それを買える金も無く
絵筆もみな固まって使い物にならない
リンシードも筆 ....
{引用=


  ゆるせないものたちの
  正しい呼び方を
  毛布に{ルビ包=くる}んで
  抱いて眠る

  おやすみ、
  
  受話器の向こうの
  どこか分かりえない場 ....
 姪

七月まで腹の皮一枚隔てた彼岸におり
去年生まれた赤ん坊が
今年はそろそろ歩き始めて靴が要る
靴!
おお、八時間の惰眠と十六時間の覚醒とを
等価交換でちり紙交換に出してしまった
 ....
涙をつむり
歩くときには
薄い窓がみな
薄い空に歩き出す


夜の鏡に像はあふれて
すぎるたび ただ
うしろに寄せて


幻にはさまれ
揺らぎながら
道は ....
森ガール ギャザーで媚びる河馬や河豚
優あおいイコン鏡の草ぺんぺん
やり場なき乙女心やブスロココ
主観猛者ピンクハウスが夢の跡
川風は匂うレギンスのオバハン
レディガガ、踏んで下さいミー。敬 ....
{引用=




朝は深く、
ただ中空に泳ぐあなたの意識に
射し出された火が寄り添っている


瞼の内側で退化し続けた羽に気付いた夜のこと
終に
全身を震わせて飛び立つのだろう ....
午前二時の欲望の鱗に覆われた美しい女よ、君の心臓で春の星座が死に夏の星座が生まれる、そのガラスの左足からは無垢な昆虫少年が駆け出す、その眼は夜露に沈めた薔薇のきらめき、その背中の湖畔では恋人たちが火星 .... 心を肋骨の隅に隠したまま
街を徘徊するのは
あなたたちへのあてつけです

楽譜の中に落書きをして
戸惑うあなたは
滑り落ちたおとを
「ほら、みてごらんよ」
とつまむ
誘導尋問だと ....
世界中の人々の
世界中の一軒一軒の
世界中の恋人達や少年少女や男や女や
老人や赤ん坊達が眠っているような
この街の
この今の
この私の夜中だのに
地球上の大陸と島々
地球上の海洋河川湖 ....
静かに明るい
夜の午後の朝
ひとつの曇から
すべてはすべてにはじまってゆく


花の窓に映る午後
通りには
黒い服の人々が立ち
じっと空を染めている


路地へ ....
気持ちいいのだけつなぎ合わせて完成の途中の完成を収めた 音

1.宙に漂ううちに覚えた一番最初からあった子守唄
2.そこへ還るための入り口
3.ヒトデ、珊瑚その他深海生物の日常会話
4. ....
小さな薪がいつまでも燃えているような
雑然とした部屋の中で
冷たい風が僕の傍にあった
艶やかな声の為に白墨を幾つも食べた
僕は狼よりも孤独だった

僕の愛の歌はどれだけの人の傍を ....
ただいま。
とは言わずに
疲れた。
と言って玄関を開けると
五年ぶりの父は
風呂にでも入れ、と言った。

ただいま。
とは言わずに
なんだお前か。
と言って五年ぶりの兄は
新聞を ....
空腹で目覚めたあなたはラッキー
一週間の脂質、蛋白質がたっぷり溶けた
洗濯機にあるだけパンチュ投げ込んで
南南東に進路を取れ
七時の揺れでグレタ・ガルボのフレームが
吸殻の上に倒されたけどお ....
せせらぐ闇の絡まる音を 寝転びながら聴いていた
耳たぶを床にくっつけて
爪っ先で悪心を蹴っとばし
かかとで抑鬱を押しのけて

扉のすきまに吸い込まれてゆく

耳の中身が水深1000キロメ ....
涙なみだ花のつぼみを押し抱きながれるままの失語の春の


ほしいまま虚空をすべる鳥にこそつばさに適う言葉も持たず


指さきを染める苺のいじらしさキスするほどのかわいい夢を


見残 ....
高梁サトルさんのおすすめリスト(1411)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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食卓に飾る花- ズー自由詩3*11-6-27
月夜- ……とあ ...自由詩16*11-6-27
ミルキーウェイ- 三条麗菜自由詩6*11-6-26
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黙祷- 山中 烏 ...自由詩2*11-6-14
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白亜- 透明な魚自由詩511-6-13
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空白から象形を独白する- 北街かな自由詩411-6-10
失語の春- 石瀬琳々短歌8*11-6-9

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