冷たい陽だまりのなかで

沈静と高揚と紫色の雲をどうぞ

季節と季節の間が短くとも

熱せられたアスファルトから発するコールタールの匂いが懐かしくとも

いつでも駆けつける用意がある、 ....
{引用=
おぉ
黒い服に身を包み
大げさな声でぺちゃくちゃとしゃべり
鳥の血よりも鳥の
モモ肉を好み
トウガラシの種を庭に植えては
庭の土を更新
し続ける者よ
お前たちのあざ笑った
 ....
空白は皿の上に在る
私はパンを籠から取り
ナイフで割る
そして
硬く焼きあがった皮を千切り
ワインを飲む

空白はやはり空白のままで
給仕が皿を下げ
新しい皿を私の前に据えた

 ....
やがて晩秋というのに夜中のしじま
身を寄せ合う恋人達の姿もない
灰色のロミオは塀の上
ソネットをひとくさり
オウ、ムォウ、マオ、アオー
猫が、まるで狼族の遠吠えのよう


{引用=出て ....
蒼穹も黄金の砂丘も皆寝静まって
全ては動かない
ひと棹の楽器も横たわっている
微風さえもが画布に張りついて
夢の ゆ の字

黒い少女の纏う長衣の
この世ならぬ配色は
仄かに艶めかしい ....
記憶の破片が降る
僕の肩に、額に
瞳に
鋭い角を立て
時の欠片が容赦なく降る
夕陽を浴び
舞う
髪に散る雪のごとく
溶け
傷を残さず
僕を傷める
過去の破片が降りかかる
眼の上 ....
信仰という確信的な迷妄
その心地好い陶酔 自我に奥深く祝福される切ない悦び


エウテルペが宿した 重く病んだ遠い夢 
闇を蓄えた天空から 銀色の稲妻走る脳裏に 
白金の灰が降る それは  ....
あなたはわたしに「ななし」と名付けた
それ以来わたしは薄い皮膜を漂っている小さな虫。


光らない星、開かない窓、結ばれない紐、濡れない傘、
ない。ない。ない。ということでしか ....
ディスクユニオンを出る
暗い夜空に街灯が光る

ニュートラルな気分
家に帰ろうと歩を進める

風が頬を撫でる
その事実をただ受け止める

無機質な心地よさ
生きている/それだけしか ....
石のなかから硝子をひろう
いつのまにか消えている
手のひらに残る かたち
ふちどり


こきざみな夢
菓子の弦
水は灯のそば
傷と波と壁


語りあいな ....
壊れた時計をいくつか
この部屋に飼っているので
どうやら時空にちょっとした罅が入ってしまったらしい
ふいに宙の思いがけないところから
時ならぬクロッカスの花が咲いたり
誰のものとも知れぬ指た ....
夜空から剥離した星明かり
星騒に眠られぬ夜


人知れずやってくる 孤独は、
ただ一人でいることでも
まして、理解されずにいることでもないのです


それは、答を待ちわびるということ ....
晴れ渡った空の青が濃いのは季節の分かれ目だから
あたしは出かけなければならなかった
剥離は目撃しなければいけないのに
お父さんは寝転がってゴルフばかり見ているし
9月さいごの日曜日だからと言っ ....
他のどの白い花木にも思わない山茶花だけが降る雪に似てる

結納を終えほっとした友の父「本とマンガは全部持ってけ」
 
落ちたザクロ割れ目ざっくりぎっしりとダリのルビーがのぞいて見えてる
 
 ....
{ルビ機構=システム}の一員に過ぎないという自覚
この無自覚で人は何でもやる
けれどメンゲレの対象認識、その冷酷は
機構に責任を帰せられるものではなく
導き出された個の資質に他ならない
善き ....
        静かな窓のまえに立って
       汚いことばをいくつも吐く
      うす甘い空に雲がたなびいて
     鏡のようにつるつるの水の上を
    あかるい色の羽を ....
今日の終わりの夕暮れに
街は開店前の呑み屋のようで
ぽっぽっ ぽっぽっと
灯が灯る

昌平橋から見上げる高架
縄のれんのような柳の木
ぽーっと灯る提灯脇に
昭和の夕暮れ 宵の口

 ....
{引用=人は誰でも他人の黒衣。操っていると思っても、操られている。
阿呆のからくり糸巻車。
そろそろ時が来たようね
中世から、このてのひらの上の地図まで時がなぞる、阿呆の船の輪郭。
ガリレオ・ ....
「あのね、

から物語は始まり、
彼女は電話をきったのです。
金木犀の香りの詰まった壜に、あなたの名前を書いてる、
「か・こ」

シャーレに
なつかしい-あなた
あたらしい-わた ....
未明からカラス達が鳴き騒ぐ
燃えるごみの日
電力を享楽する都会 まして貪欲な鳥達に
夜盲は無縁なのだろう
ゥアー ゥアー
アー アー
グオッグオッ オッオッ
アガ アガ グァー
多彩な ....
水は重く、水は重く
地に深く沈みこんでいる

岩陰に臍のように窪んだ一角
降り井戸の底の暗がりに残された一匹の
赤い鎧を着た魚
地の底よりふたたび湧き出してくるものを
みつめる黒 ....
 明るい心臓の奥深くに
 私のかたちに似た木が一本
 ひっそりと佇んでいる

 その木は、
 常緑と呼ぶにはいささか
 難解で
 落葉と呼ぶにはいささか
 陽気である

 そし ....
ブヨブヨな意気地を腐った体とギガだせー服で包み
指先大の仮想世界で王様やってるチンカス野郎と違って
原寸大の実社会で膂力を持て余す益荒男にとっちゃ
徴兵制もねえユルユルまんこみてーな日本は窮屈極 ....
星もなく
ふあんに耐えかね
肩にくいこむ夜をおろすと
知らない山のほうから遠吠えがきこえる
呼んでいる
/存在(たいしょう)ではない たしかに
よばれている
脳天から電光石火よびさまされ ....
風のなかを
風になれない音がすぎる
到かない光が
夜を見ている


凍った川のむこう
動かない夜
音のいちばん熱いところ
炎の奥に鳴り響くもの


姿のうし ....
掲げた手首に引かれた風コンパスと炎の赤道は喉を掻き切り流れ出す椰子の黄色い核が浮き沈みする痕では半人半霊の拝む太陽の焦点も焦げている瞳孔と溶けるチョコレートの肌に押し寄せる波濤そして火傷するほど疾 .... 雨に流された街は、
洗礼を受け
軽妙なステップを踏む猫が
聞き覚えのある昔の歌を
口ずさんでいる
 

秋はもう病んでしまっていたのです
倒れたショウカセンは、
( どんな英語の綴り ....
天国にいってしまったら
天国から手紙は来ないから
せめてできることだけを
おぼえないとなあ

せいかつは強弱のヴォリュームでいきること
ときには手をぬく
つんのめるほど減り込まないよ ....
蜂に刺された事はある
蛇に咬まれた事はない
犬に噛まれた事はあっても
狂犬病を伝染された事はない
ライオンの檻には近づかない
骨折はあるが、頸椎や脊髄の損傷はない
指は切ったが切断に至った ....
ハーリーガニ が高らかに鳴り響けば
雨が上がったばかりの濡れた砂利道を
南風にまぎれてサトウキビの匂いをまとう
誰もが浜辺に集まって来る
普段は森の奥に潜んでいる精霊や屋敷神さえ
肩を組 ....
高梁サトルさんのおすすめリスト(1411)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
『冷たい陽だまりのなかで』- Leaf自由詩1*10-10-28
おぉ私の瞳を赦し給え- 真島正人自由詩5*10-10-27
空白_Ⅰ- 曲がり屋 ...自由詩510-10-26
Calling_❤_Juliet- salco自由詩6*10-10-26
ルソーの月- salco自由詩7*10-10-24
記憶の破片が- 曲がり屋 ...自由詩310-10-23
コメディ_/_****'04- 小野 一 ...自由詩5*10-10-23
異子。亜子。- 手乗川文 ...自由詩19*10-10-22
シンプルな瞬間- kauz ...自由詩6*10-10-21
夜と白- 木立 悟自由詩610-10-21
出現者たち- 塔野夏子自由詩13*10-10-21
Whale_song- 月乃助自由詩12*10-10-21
少女詩_さいごの日曜日- salco自由詩6*10-10-20
十月夜の四方山話- 小池房枝短歌6*10-10-20
メンゲレ- salco自由詩2*10-10-20
穏やかな日- はるな自由詩410-10-20
街の灯- ……とあ ...自由詩14*10-10-20
演劇の有用性について- salco散文(批評 ...3+*10-10-18
理科室/わたし- 桐谷隼斗自由詩410-10-18
燃えるごみの日- salco自由詩7+*10-10-17
井泉- 楽恵自由詩13*10-10-15
私のかたちに似た木- 豊島ケイ ...自由詩13*10-10-15
殺しの法悦- salco自由詩5*10-10-15
インクルード- 乾 加津 ...自由詩15*10-10-15
ひとつ_ほとり- 木立 悟自由詩710-10-14
星の航海術(スター・ナヴィゲーション)- 楽恵自由詩910-10-14
Cloudy,14℃- 月乃助自由詩20*10-10-14
1011- 唐草フウ自由詩15*10-10-14
_健康- salco自由詩18*10-10-12
爬龍船- 楽恵自由詩8*10-10-12

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