淡い夢をみる夜がある
夏休み庭に植えたブーゲンビリアに
いつの間にか背丈を追い越され
生い茂る葉がどれだけ季節を重ねても
記憶は夏しか残らなかった
 ....
{引用=領域を徐々に侵してゆく不均一な煙のような
その渇きは}

意識の最も深い階層に砂の粒はあふれ
ああかつてのそこはなんであったか
今を放浪する怪物の名は私の三分の一足らず
どうして気 ....
あなたのくちびるから海がこぼれる
塩からい水が胸を濡らすから
わたしは溺れないように息をする
そっと息をする


空の高みが恋しいと指先をのばし
両手を広げてみるけれど
あなたの海が追 ....
 
お茶の水橋を医科歯科大学の方向に渡る と
すぐ聖橋の下を潜って秋葉に抜ける道へと右折する。
途中、神田明神から降りてくる坂の方向に左折し、
秋葉の方向へ右折する 
と いつもの明神下の路 ....
しっかりとこの身体に
結んだはずの君を
何処かにやってしまった
結び目は赤く染まって
不自然に千切れていた
早く見つけなくちゃ
今度は振り落ちないように
飲み込んでしまおう
縫い付けて ....
吹く風よ微笑む人の面影よネム絶え間なく船出の風情
 
朝ごとにアサガオその名に天国を青さに空を映して地上に
 
花、柘榴。タコさんウィンナ血の味を実に成す前に朱色地に散る

鬼の木は{ルビ ....
見知らぬ人ばかりが
夜に追突した
追突した夜は
分散し
それぞれの夢に混じった

あ、と驚きが
その人々を捕らえ、
携え、
さえずりを
引き抜いて
躊躇いに換える

夢が重み ....
つつがなく
夢を終え
私はもう目覚めている

ここにいる
一人の人間として
酋長の口笛を携えた
一人の血肉として

バネだけが
きしむひと時は
帰結した
それは他者により
投 ....
片親とか貧乏とか



決して触れられたくない琴線抱えてる子供は








暴力で捻じ伏せるか







 ....
眩い光りは衣を重ね
いつまでも消え去らぬ 
それは人知れぬ
夏の海峡の 輝きを増した陽炎
落ちてきた 数知れぬ星達をあつめた天の河のように
静かによこたわる
無数のきらめきは、時を惜しみ
 ....
カムパネルラの瞳が
どこからかしずかにみおろしているような星空

君の沈黙 君の横顔
それはなにかうつくしく けれどものがなしい
予感に満ちているようで
僕も黙ったままでいる

僕の脳 ....
灰が灰に手を回し
車輪のように夜になる
波が生まれ波を追う
鏡の裏に降りつもる
見えない星を聴いている


海を指す道
影の筆
水わたる光
夜を夜へ運ぶ手のひら ....
言葉よ、さようなら
わたしの中に、在ったものが
まったくちがう世界へ、ゆくのです

イメージや感情や
そういった、見えないものが
見えるようになって、現れるのです

意味を持たされても ....
開け放たれた窓からは
初夏の高台から望む
雨上がりの小さな街が一望出来る。

マッチ箱のような小さな家には
色とりどりの屋根が
張り絵のように
斜面にへばり付いている。

空は真っ青 ....
ベッドの上で背中合わせに座る
言語で相手を欲情させる
触れずにイかせる

卓球のラケットを2本用意する
ベッドの上で向き合って座り
体表を叩き合う

男の尿道に万国旗を仕掛ける
女の ....
気だるさに押されて足を進めた。
雪が降った道路は
ひとに轢かれ続けたから、
淀んで色を見出せなくなっている

震えた子供は一人では帰れない
しかし一人きりでも歩かなければ家には着け ....
{引用=

真っ白い砂の中に混じる小石をじゃりと鳴らしながら、薄闇に光る下弦の月明かりが照らす平地を、真っ直ぐに歩いていく。そのうちに見えてくる、ゆるやかな勾配の坂道を登ったところにあるバス停で、 ....



春を見て
鳥はなんて思うだろう

月を見て
蛙はなんて思うだろう

虹を見て
花はなんて思うだろう

雪を見て
雲はなんて思うだろう

空を見て
木はなんて思う ....
「渦を巻いてみせろよ」


しじまというよりしじみの合間に退屈が席巻する
それはまるで石鹸のように泡立って
老廃物に似た哀しみを界面活性化させても
太平洋に渦潮が巻くわけじゃな ....
この際、生理や物理なんて
大人のお伽は邪魔だ
畳の上に、
ヨーヨーなんかとぶん投げて置くさ。
柔らかなまま
君のおちんちんを引っぱって引っぱって
電車に乗って、新宿で乗り換えて
上野動物 ....
外は今日も騒がしい
豊かな自然
沢山の人間と沢山の生き物
私は今日も窓からその変容を眺めている
それはもう毎日のように

この窓辺から遠くへ臨むことだってある
窓越しに映画を見に行ったり ....
風が駅前の野原に吹いている。
野原に生えた野草の葉は
優しくうなずきながら
隣の葉にお辞儀をしている。

風が駅前に優しさを運び
優しさで満ちあふれた
空き地の前に僕は独り佇む

風 ....
みんなで
海、行こう
今すぐ行こう
水中メガネなんて
海で買えばいいよ

母さんの
あの向日葵のボレロな
裾をめくって
叱られる前に
駆けぬけようぜ

追いかけて
波を追いか ....
{引用=


せかいから見つからないよう息をして、(あなたがほしい)(あなたになりたい)


神様が恵んでくれたO2を奪い合ってもえてるぼくら。


すぐ傍でかれらが笑っていることと ....
「織姫、彦星」

一、

年に一度の逢瀬の日だと地上が先に盛り上がってしまい、天上の二人は今ひとつ盛り上がれない。


二、

毎年「あの時の子よ」と織姫は子供を連れて来るが、ど ....
沈みゆく陽の揺らぎ
それは
遠く、ただ遠く
待つことの幸せ

青いさかなの首飾り
それは
諍いのない空の果て
明日を生きる
水のこと

夜光虫の静かな灯り
ちいさく
名前を呼 ....
じっと生活していると
だんだんと埃まみれになってきて
埃のおばけみたいに
手なんかもうサボテンのよう
そんな時に誰かがやってきて
ふーっと吹いて埃が舞って
おばけの中から一瞬わたしが出てき ....
ここは雲の真底すずしい風が吹くじきに全てが雪崩れ落ちて来る

夕映えのお天気雨が東方の空高く架けた主虹副虹

緑から朱へまた赤からまた青へ 光と水のクロマトグラフィー

美しい挿絵のゲーテ ....
雨の降る音のエンドレスループループループループ。
(聞こえない音が聞こえるという錯覚、朝の訪れを恐れている、太陽が殺しに来る、夜の足音が遠ざかる)
揺れながらにして落ちる、段落を刻みながら箱庭 ....
 ―落語家 三代目雲流亭祥月(出目金もとい)の草稿より―

 
 大門の手前で探るは懐具合と肚の裡。緋襦袢めくろか賭場で摩ろうか、
踵返して暖簾で正体無くそうか、それとも暫し。と四歩の間を行き ....
高梁サトルさんのおすすめリスト(1411)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
常夏常世_- 楽恵自由詩8*10-7-16
共存- 瑠王自由詩7*10-7-14
海のあなた- 石瀬琳々自由詩20*10-7-14
いつもの酒- ……とあ ...散文(批評 ...6+*10-7-13
内臓- 自由詩210-7-13
落とし文月- 小池房枝短歌7*10-7-12
比重- 真島正人自由詩3*10-7-12
騎手- 真島正人自由詩2*10-7-12
生きている限り朝陽はお前の為に射すんだから- TAT自由詩4*10-7-11
七夕- 月乃助自由詩16*10-7-11
カムパネルラの瞳- 塔野夏子自由詩8*10-7-11
ひとつ_めぐり_Ⅲ- 木立 悟自由詩210-7-11
「言葉よ、さようなら」- ベンジャ ...自由詩5*10-7-11
この街- ……とあ ...自由詩12+*10-7-10
愛の実践講座- salco自由詩6+*10-7-10
雪道- 山岸美香自由詩310-7-10
わたしたちは星屑の地平に眠る- 黒木みー ...自由詩4*10-7-9
love_songs- 小原あき自由詩19+*10-7-9
圧縮詩_13〜15- しろう自由詩4*10-7-9
上野動物園に行く- salco自由詩12*10-7-8
飛んでいく家の話- 瑠王自由詩5*10-7-8
駅前再開発2- ……とあ ...自由詩12+*10-7-8
海ロード- 佐野権太自由詩9*10-7-8
- あぐり短歌8*10-7-7
七夕祭- 明楽自由詩18*10-7-7
パピルス- 佐野権太自由詩7*10-7-7
埃まみれの_#1- 瑠王自由詩3*10-7-7
ほし文月- 小池房枝短歌3*10-7-6
夜明けるクラクション- 水川史生自由詩210-7-6
夫婦極道- salco散文(批評 ...4*10-7-5

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