私の中の音楽達は皆
荷を詰め込んだトランクをもって出ていきました
だから今は
産まれたてのように静かです

ただ目に映る春をのぞいては
待つことは得意で
この部屋に漂うちいさな粒たちを見つめている

名も知らぬ六等星のような
ささやかな薫りでこの額を満たし
右足の小指が凍り付く夜には
息を吸う度に、
わたしの声帯を傷付け ....
もの憂いのには もう飽きた

あかるいうたを 謳いたい






夜明けのまえが なお暗い

とはいえ わたしは しっている

こごったような 濃紺の

ぴちりとパ ....
下降していくカラスが
田んぼの土手を
はいあがる虫を食べている

田植えの前に掘りおこされ
苗が植わるように綺麗にならされる土

地中から 土と共に掘り起こされた虫が
待ち構え ....
山麓 冷たく 響く
小川の せせらぎ 凍らせる 鳴声
霞んで 透けた 紫 朝の大気
止まない 一律の 音を含んだ 風の波
湧いて弾ける音符 空気の震動
漣打つ 潤んだ瞳孔 覆う 生臭 ....
Oh,今宵 金星の真下に三日月が!

何と申しましょう
トルコの国旗を縦にして いえいえ
モーリタニアの国旗を藍で染めたよう
ちょっとした回教徒気分にございます
その贅沢な、可憐な様をどう ....
{引用=


きみの吸う 酸素にさえも憎しみを 覚えた朝に鍵をかけます。


珈琲と本と煙草とキスだけで 育ててあげる。( it's happiness .)


純情がいない世界は ....
女の声は殆どが水で出来ている


舐めとればそれはひどく甘ったるくて
お祭りの屋台で食べた綿菓子みたいに
口がべとべとになってしまうんだ


男の声は殆どが煙で出来ている


吸 ....
ふわふわと大人になって
ざくざくと大人ぶる日々

涙こぼれそうな時も笑って
どん底に落ちたってエネルギー充電

それでこそ大人だ
僕は一人ぼっち、胸を張る

春の風を背中に受けな ....
 
午後三時

初夏の森は緑の海
風に揺れる光が跳ねている
ひらいたままの図鑑
次のページがめくられるのを待っている
外の景色に気をとられて
どこまで見ていたのか忘れてしまった
図書 ....
速さを速さに過ぎる文字が
すべてすべて骸骨に去る
平らな井戸よ
容れものの子よ


二重の息や光の帯
朝へゆく朝 止めもせず
ただ見送ればその先に
二重の雨の ....
帰り道に迷わぬように
アメを落として歩いたきみ
心のかけらが落ちました
月に浮かんで
消えました

空からふった銀のかけらは
どこかの星のきみですか?
銀河通信は遠いので
心にリボン ....
忘れ去られた 古い校舎
人知れず 
ひな菊が一面咲く
小さな 白い縁取りをした
数知れぬ麦藁帽子
花の絨毯は緑に抱かれ

さやかな風が吹き 過ぎる
もう夏の気配を孕んだ晩春のそれは、
 ....
曇り空の下を歩く人々がいる

それを見ている視点はまだ迷っている

彼なら今をどう語っただろうか
この先をどうノートにしたためただろうか


何にも変わらない
希望のあとの絶望って深 ....
何か暖かいものがほしかった
一杯のコーヒーでもいい


通りを一人歩くと
つらぬくような
つむじ風が身にしみた
うらぶれたレンガ屋根
中をのぞくと
ケーキとロウソクがひとつ
 ....
一枚に千切れた紙と名を書いて
繋ぎ合わせた父と母の名
愛するものが未来にあって
そこに私がたどりつけないとわかったら
なんて
当たり前のことでしょう?

愛するものが過去に埋もれて
もう私にはとりかえしがつかないこと
くらい
知っているか ....
タニシ君
君がうらやましい
だって君は堅い殻を持ち
人間から踏んづけられても平気なのだろう

カタツムリ君
僕は君がうらやましい
君は水が乏しい季節を
眠ってやり過ごすことができるの ....
駆け上がったスケールの天辺で
頭にティアラを乗せられた途端
3オクターブ下の森へと転がり落ちた
黒鍵に打たれた身体に赤い痣が散る
地面に投げ出された
ティアラの真直ぐで静謐な輝きは
脆い影 ....
                    
内地から釣りに来た太陽と恋人たちを
島尻の斎場御嶽にガイドする。
財布から百円玉を取り出し受付機でパンフレットを買うのを指笛に
午後の観光が踊る。
 ....
つつじから蜜を吸いとる口元が こぼれるようにあまく光った

胸もとはこぼれる花弁の花水木 火照る頬には蝶々が咲く

風が光れば花たちは咲き笑い きみが笑えば空が高まる

日ごと濃くなる ....
 
 
卵に言葉を教えた
教えた言葉を
卵はすべて覚えたけれど
口がなかったので
話をすることはなかった
雲が形を変えながら
夏の空に消えていく
わたしが生まれてから
何度も見たそ ....
31
朝日は海の深いところに落ちている。

32
彼女は、彼の下駄箱に手紙が入っていたのを見て、代わりにポストに投函した。

33
彼がアルバムを整理していると、出会う前の写真に不自然なほど写り込む、 ....
{引用=何かを言いかけて
何かのままにしてしまう

そんなところに
きっと淋しさはあるのだと思う

そんな淋しさのそばで
やっぱり何かを言いかけている
そんな自分がいること ....
21
恋人が血塗れの姿で、私の頭を凝視してくる。

22
砂を吐いていると、あさりがたくさん採れたね、とブルーの壁に区切られた丸い空から聞こえた。

23
科学者が妻に、ナスカの地上絵は飛んだのだ、と ....
あれが家内です
わしら夫婦の蠅です
縄張りはこの家の台所
餌の豊富な
極楽のような我が家です
おかげ様で
子宝にも恵まれ
豊かな暮らしです
大家さんは生き物好きで
わしら以外にも
 ....
濡れたままで立ちすくむ
シャワーがザァザァと音を立てている
頭から水に撃たれたまま僕は
君の記憶すらも流してしまおうとしている

モウドウデモイイヤ

光を感じることができなくて
荒む ....
星空をみてた

指で細い線を描いた



流れ星をみた



折れた花の茎のように


頭を垂れた




空が白む頃

帰りそびれた月が

少しだけ

 ....
眠れずに
    話し続けて窓から見えた白い月
集合場所は明かされぬ森の中
    獣達は眠らない
獣のような人間も眠らない
    人間もまた獣のように目を光らせる

夜にメスを入れる ....
黒人の肌 ぎらつき 呼吸に波打つ筋
それを照らす 白金の太陽
槍の尖 限りなく零に近い 一点に灯る 
定められた使命 狩りの前の舞踏
散る 汗の


白人のガレージに隠された ス ....
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