あなたの灰皿でくすぶる愛着押しつぶす
私たちの家はどれも玄関から伸びる廊下が無数に分岐し
だからしょっちゅう間違えてあなたの悪夢に落ちていた

不安が強引に掻き毟るから
アトピーが再発して横 ....
忘れては夏の水底のぞきこみまばたく広さまばたく遠さ



無音から無音に至る無音には尽きた灯の色ただ打ち寄せる



激しくも涼しき雨を走り抜け糸ぬぎ捨てる ....
ぐれてイグアナになった友人は
何か
忘れ物でもした顔をして
酒を飲んでいた
たまたま
その夜は
人間に戻っていたらしい
挨拶をすると
眼はイグアナのままで
何を考えているのか
全く ....
子を探す母親は
探して探して町じゅうを
探して探してあちこちを
空き地を路地を公園を
橋下を覗き川面に目を凝らし
袋小路を野を丘を
森を林を墓地を巡り
家という家訪ねて回り
隣の町を裸 ....
――青空に白く輝く雲の塔
  降りしきる蝉の声
  激しい夕立
  長い夕映え
  潤むような硝子の星々――

見えない額縁に
あざやかに切り取られた
今この時 に
記憶と予感とがふ ....

聞こえた 
え 
聞こえました?
天啓

夜ポートランドの丘の上
越えて走れスーパーカブ
時速二五マイル
パンパンパンと
マフラー破裂する
流星が
昇りながら脱線して
エ ....
分光された夏。白くて柔らかな豆腐に、包丁を入れる、賽の目切りに。私は産まれた。母親の腹を裂いて産まれた。味付けは醤油だけ。醤油を垂らすだけ。夜が短くなった。止められない時計に抗おうとやっきになって、焦 .... {引用=

6月の雨が
まだどこかに残っていて
それが7月の終わりになっても
降り注いでいる
一月以上寝かせたからだろう
いらないものがたくさん混じってる
人間の気持ちに置き換えたら
 ....
友達がぐれて
イグアナになった
もう
人間に戻る気は
ないらしい
奥さんと話をしたら
俺は百舌鳥になりたいと
息子が暴れるそうだ
わたしも
たまに
こっそりカメレオンになるから
 ....
{引用=前書き: 
毎日暑い日が続きます。毛深い方、そうでもない方、弁別すれば薄い方、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
ご好評をいただきました「陰毛を考える」もいよいよ最終回となりました。
引 ....
右目――人間

二つの共鳴する糸を だれも知らない
夜にそそがれる毒で
わたしがかたむいていることを知った
犬はそっぽを向いて わたしに「ナンセンス」の
意味を教えてくれた 現代(矛盾の世 ....
思い描く
ラブソング
想像する
重さ

月夜に蝉の終わりの羽音
打ち上げ花火の余韻
声を殺して泣く
身体感覚とたましいが
握手する

風が
薄いカーテンをふ ....
{引用=前書き: 
毎日暑い日が続きます。いよいよ本格的なお手入れの季節を迎えましたが、必要な方も無用な方も、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
ご好評をいただきました 春の総力特集・「朦朧を考え ....
ぼくは    青の発生 図書室のいすに
きみが    手紙を置く 冷たい空気を抱く、金曜日
好きだ    be動詞で駆け抜けた週末 決壊する 私    
、と思    愛の行き先も知らず 自分の ....
何でもないような海の入り江としての
何ですらもないような亀を抱えている
私が元気なだけなのかもしれない
亀なのかもしれなかった


日の色は流れなのかもしれなかった
仙人を見つめていた
 ....
葉月八日は身のためゆうて
この日は誰も船出しやーせん
凪いじゅうても泣き見るがやき
昔の昔はほりゃ{ルビ無茶=わや}するもんもおったけんど、
へんこつ、権太が目にもの見せちゃるゆうて
葉月の ....
この草の匂いは
懐かしくない
どこか
遠い所で育った
草だ
この周りの
草ではない
どこか
知らない場所で
育てた
草だ
静かの海
ここはどこまでも静寂な 砂がさらさらと、
乾いた想いを落としていく
初めて出会った日を思い出しては
ナトリウムの大気に
耳をすませる

小さな部屋で聞いた
パステルの紙を走る ....
ほんとうか
どうかわからない月がある
空を見る
隣に見える星は 
月にむかって首かしげてる

歩く私の
影も吸い込まれた黒の空気に

命細々

永遠を夢みていた頃の映像を
心に ....
{引用=(自動筆記の試みとして)}
薄っぺらい靴底を通してアスファルトが足裏を焼く。
体温と等しい大気の中、人は噴き出す体液で白い布帛を半透明にして抗えもせず、
仕事に炙られ夏にじっと茹でられる ....
お晩でがんす

むじな似のおんな魚選る夜五つ
閉店後精肉売り場よぎる牛頭
三叉路で人待ち顔の地縛霊
お嬢さん背中に手形ついてます
タクシーが女客拾わぬ上り坂

ウシガエル田んぼあぜみち ....
夏休み
坂の途中の煉瓦塀
遊び疲れて帰る途

突然、夕立の中
古いモノクロフィルムの
縦縞ノイズのような雨が降る

崩れかかった煉瓦塀の
裂け目から洋風の庭に
飛び込む
そこは荒 ....
頂点を仄青く明滅させる三角形が
部屋の片隅に居る

銀のお手玉をしながら
華奢なアルルカンが宙を歩いて過ぎる

星のいくつかが
音符に変わり また戻る

硝子瓶がひとりでに傾き
グ ....
きのう手紙がとどきました。ふるさとのこころの箪笥から。
【前略 私は あなたの本当の母です。あなたは 親に「橋の下でひろってきた」と言われると喜んで、高貴な産まれを夢想するような娘でしたね。卵が先 ....
冬でも雪が降らない
そんな暖かい僕の家でも
おまえは寒そうに
ストーブの前で丸くなる


背筋に稲妻の閃光が走るような
艶光りするおまえの
ビロードを思わせる黒い体毛
思わず ....
 夜想曲

おお夜よ、おお夜よ
人は眠りを貪りながら死は恐れ
瞼を閉じて覆い被さる闇を追い出し
より暗い臓物の中へと逃げ込んで
しかし閉所恐怖をも克服する為
そこにマッチの軸で
天国の ....
三角方眼定規で
下くちびるを切った
風が薫って
夏草が
指から
ほどけていった

立体裁断で
ドレスを裁つ
いつだって
晒されぬままの布に
踊り
今はおそらく
泣いている
 ....
シャネルの前にはいつものように孤独な乙女が
「私の志集」を薄い胸の前に掲げて佇立している
思えば20年以上前から立っているけどリレー制なのだろうか
夢多き若気の士心は1部300円というのに誰も買 ....
私がとても遠いのだと思っていた人は
すぐ目の前にありました
なぜならその人は海だったのです

必要とあれば向こうから
そうでなければひいていきます
私がどんなに駿足でも
どれだけ望みを握 ....
         



経糸の波が島に打ち寄せ
砕けた珊瑚の欠片が筬の羽の隙間を通る  
浜は白く織り上げられ
降っては降りてくる日射に
転がる岩岩は奪われた影を慕っていたが
素足 ....
高梁サトルさんのおすすめリスト(1411)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
美しい私- 自由詩2*10-7-30
めぐり_ひびく- 木立 悟短歌510-7-30
ぐれてイグアナになった友人は- 曲がり屋 ...自由詩810-7-29
子探し- salco自由詩6*10-7-29
夏の聖域- 塔野夏子自由詩3*10-7-29
天啓- 自由詩2*10-7-29
分光- within自由詩6*10-7-28
雨の残りもの- 真島正人自由詩9*10-7-28
イグアナ- 曲がり屋 ...自由詩310-7-28
夏の総力特集_・_「陰毛を考える」_最終回- salco散文(批評 ...14+*10-7-27
ロンドンパリ- 耳野 亮自由詩210-7-27
よるのうた- たちばな ...自由詩910-7-27
夏の総力特集_・_「陰毛を考える」_第1回- salco散文(批評 ...4*10-7-27
アムール、あるいは愛の果て- 耳野 亮自由詩310-7-26
座る隣の仙人- 番田 自由詩110-7-25
咲の婿取り- salco自由詩4*10-7-25
牛はどこで死ぬ- 曲がり屋 ...自由詩5*10-7-24
静かの海- 月乃助自由詩18*10-7-24
路地裏事情- 朧月自由詩210-7-23
夏の奴隷- salco自由詩6*10-7-23
金鳥の夏_…- salco川柳7*10-7-21
お化け屋敷- ……とあ ...自由詩8+*10-7-20
現象:或る七月の夜- 塔野夏子自由詩7*10-7-19
やわらかな殻- るるりら散文(批評 ...13*10-7-19
るる- 寒雪自由詩210-7-19
- salco自由詩6*10-7-19
立体裁断- たちばな ...自由詩10*10-7-17
7時15分の女- salco自由詩9*10-7-16
潮と月と人間と- 瑠王自由詩14*10-7-16
布晒- 楽恵自由詩17*10-7-16

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