聞こえて来るものがある。遠い過去から聞こえて来るものがある。それでもそれは今ぼくの耳元で鳴っている。ノイズ。新宿のエスカレーターを下っていく友人を見ながら、私は友人がこれから会いに行く人のことを考えて .... {引用=捨て猫だった
やせっぽっちで
瞳ばかりが大きいだけの
頬ずりしたくても顔が小さすぎて
両手のひらにおさまってしまうくらいの
けれどあたたかな体温をもっていて
まるで熱のかたまりみた ....
寺山修司二十歳のおりのエッセイ(「カルネ---<俳句絶縁宣言>」)に「美学をぼくはVOUクラブで学び、…」という一節があります。「VOUクラブ」は北園克衛が結成し、詩誌「VOU」を発行して .... )夕暮れの埋め立て地には工場が立ち並び
渋銀色に改装されたフォルム
いつのまにか潮の匂いは消えていた
聞きなれない」庭のブロックが悲鳴に聞こえるのは
蹴り返している少年のボールがあまりに硬 ....
{画像=110307010254.jpg}
{引用=アカハチ}
 ....
降りつづいては
落ち着いてゆく
肌の裏側
こがねの腺


無い手を透り
こぼれるもの
失くした姿を
響かせるもの


夜の土の上
たくさんの色が話している ....
※詩という創作活動はどのあたりから始まるのだろうか。

 詩と散文を作る手段全般についての情報と意見交換の会議室で「あなたの詩の書き方をステップをおって説明してください」とういうテーマの時がありま ....
私の大好きなコンラート・ローレンツは
例えばこうだ
ある日、庭に引っ張り出した寝椅子に
ぼろを引っかぶって昼寝していると
狼がやって来て
コンラート・ローレンツを食ってしまうのさ

「お ....
 吉原幸子が亡くなってもう何年になるだろう。その吉原と近しい間柄だった石原吉郎が亡くなってからでもすでに三十年が過ぎた。一年がとても早く、時代の移ろいのスピードが加速度的に年々増してきている気がする。 ....  とても好きだけれど、真剣に読めば読むほど後ろめたい気分になる詩がある。自分の核になっていたはずだと思っていたのに、今の自分からは遠い、そんな詩がある。


年老いても咲きたての薔薇 柔らかく
 ....
チャイナから阿片中毒のターンテーブリスト呼んじゃいなブリストル経由でやって来た眠れる獅子は四肢痺れたまま決して罌粟なんてヤってねぇヨっつって痙攣したまんま曼荼羅絵皿をスピンすっぴんだと顔面凶器のガ .... その少年が死なねばならぬ 理由はどこにも無かった
夜明けの遅い南西の島の窪み
降霜を知らぬ灰白色の谷間
その通い慣れた道を
生まれ育った町から一歩たりとも出ぬ内に
その少年が死なねばならぬ  ....
夜明けの人よ
この胸の彼方の青い丘に立ち
おそらくは私を待っているのであろう
夜明けの人よ

あなたのもとへと
私は行きたい
けれどそれにはまだ
私が過ぎ去らねばならぬもの
私を過ぎ ....
行っておいで

彼女は言った

でていけば
また
帰ってこられるんだから
体の大切な部分から
どんどん小さくなる
チャーリーは今、
暖色系の床の隙間に
私には見えない
1ミクロンの狭間に
残されていた最後の
チャールズが
落ちていくのを
眺めていました。
 ....
乾いた大地に
夏の厳しい日差し
しおれてしまった花に
水をひとしずく下さい

*

空っぽになった部屋で
なくした希望を探す
仕方がないと言いながら
耳障りなため息を吐く

* ....
{ルビ一昨日=おととい}が日蝕でした今日細い月を探すと見えていました

カラス座が見える春には懐かしく地平線下の星々を思う

花たちの静まる気配に何事かと思えば空に月浮かび来る

向こうか ....
刃をもって地図を刻んでみる
道を失った時はいつもこうする
するとそこに印しは現れ
私はようやく安心する
悩みなどない
刻まれて山となった老廃物のベッドで眠る
それは悩みではなく
  夢
 ....
ガラパゴス諸島に行かなくてはならない。
彼が生きている間に。


彼はきっと、清潔なゲージの中でキャベツを食べている。
その眼が私を映してくれる間に、私は彼に会いに行かねばならない。
聞か ....
お父様と お母様の 夜の営み
その 家族計画の 失敗により
私は 部落の 長屋に 生まれました

つぶれた魚屋の生臭い あばら家に住んでいた
私よりも 貧相な 子たち
何故か その子たちが ....
サハラ砂漠に
たまごが一つ。
砂に埋もれて
蒸し焼きになる。

ガンジス川に
たまごが一つ。
僧侶の足に
踏まれて割れる。

冷蔵庫の中に
たまごが一つ。
中身は既に
くさっ ....
三月ですから
春の匂いをただよわせる風も吹き
草木の色も何となく鮮やかに見えるのです

あなたは
うまくふくこともできない口笛で
僕が知らないメロディーを
そんなものたちに聴かせるように ....
まもなく幸せになれるでしょう

と言われても
不安感の先立つ今日この頃だから
それって、ほんとかなと首をひねってしまう

フィギュアスケートとかのスポーツ番組みてると
まもなくまもなくっ ....
手のひらの小窓にあなたから写真がとどく。


風にあおられた火が波のように打ち寄せる深い
闇のなかにわたしたちが暮らす岸辺があるみた
いですね。
怖くもあり、それが真実の勇気であるようにも ....
小さな炎が鳥になり
葉の下の土を照らしている
傾く森
灰を数える


瞳に足りずに 瞳を足し
あふれるものは 金の浜になる
打ち寄せるひとつ
手のひらになる


 ....
弟ガイウ
母ガ癌ダト
マルデ命ヲツカサドル神ノヨウニ
母ノ余命ハ半年カラ一年
私ハワライナガラ
ソレヲ知ラナイ母ニ
来ルコトモナイカモシレナイ
来年ノ旅行ノ話シヲシタリスル
海ヲ渡ッテ ....
かわいい、こどもみたいなかなしさ。
いつかは別れると思ってた。
でも全部わたしになった。過ぎ去ってはじめて、わたしになった。
だからもう一度出会えるよ。新しくじゃなくて、続きじゃなくて、ただ ....
ねえ 何を数えているの?
そんなにも 緑が眩しい庭で
蟻たちが運ぶ 死んだ虫の数?
オジギ草に悪戯しているのは
無邪気な蝿
チューリップの首を 切り落としたのは
ぼくだよ
雑草を刈る ....
野生の鶏が森に溶ける朝
立ちのぼる夜の残り香
白く踊る靄
女たちのはごろもの袖が
空に還るよう
斜めに抜ける鉄道の跡地に
芽吹く春を見守っている
私の肩に麦をふりかける人よ
瞳は黄金を ....
足柄山の山中に
(大江山の中腹に)
大きな栗の大木が
その巨木の瘤の中
蔓で編まれた黒い籠

籠の中の麻の布
布に包まれた赤子一人
黒々とした髪を持ち
大きな体に漲(みなぎ)る精気
 ....
高梁サトルさんのおすすめリスト(1411)
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