誕生日を祝ったりする
成長段階を経てしまえば老化して行くだけなのに
自分の生まれ出た日を記銘して再来させる
これは不思議な慣習だ
去年の今日が今年の今日でないように
刻々と老衰に向かう肉体も ....
曇を燃し
曇を鳴らす
無塵の街
暮れてゆく


滴の原にはじけるもの
風を風にする光
ゆうるりと倒れ 起き上がる影
うた 手のひら うた


 雨の左
  ....
ラタトゥイユ 振動を吸収する構造体
それはタイトルを持たないストーリー

いつもこの店の同じ席で夕日が沈むのを眺めている君は
少し首を傾けて眠そうな目で今日も誰かの約束を待っている
クリス ....
風の子怒って八つ当たり
ザアザア 木の葉が泣いている

それでも空は目を瞑り
母なる想いを抱いてる

それでも雲は声を聞き
父なる願いを抱いてる

人の子 風の子 元気な子

ど ....
箸に陰部(ほと)を貫かれ
哀れそのまま亡くなった
倭迹迹日百襲姫尊命※
(やまとととひももそひめのみこと)

三輪山大物主神の妻
大和の護神は
出雲の神
大国主の和魂(にぎたま)で
 ....
十二月の今宵、それは生まれる
光りを放つ発光体さながら
何かの対価としてではなく
忘れていたすべてを思い出させる核のようなものとして


すでに街は、待ちわびる螺旋の中心を軸に動き始め
 ....
僕の住む街の近くに
緑の草におおわれた丘があって
その頂には飛行船のなる樹が立っている

枝々に
最初は小さな小さな 飛行船がぶらさがって
そして日に日に 少しずつ大きくなってゆく
その ....
私は眼を鑑賞する////壁の空いたところに三十万円で購入した生きた眼を植えつけたのだ////まばたきをすることによって眼は私から知識を食べていく/そのときの私の軽い疲れの顫動をも眼は知識の尾として食べ .... 天に向けた指の先が真白の点に触れる、その冷たさ
私は指先から凍りついて言葉をどんどん失っていく、
貴方の去り際に際して何もひとつも思えない

透明の、重く地上に突き刺さった球体が
地 ....
過去など何処にもありはしない
ちょうど幼い私が失禁して
呆然と佇んだ道端の
あの豆腐屋が
とうに消えて無くなっていたように

私はいつ、大人になり
いつから老い始めたのだろう
私はいつ ....


 言語学者の間で、パソコンの「マウス」の語源が「魔臼」なのか「舞う酢」なのかについて議論がなされた。マウスの動き方が、臼が回る動きなのか、舞う動きなのか、が主な論点となった。僕は「マウス」は ....
何かを求める
何かを探す
何かを目指す
何かに恋する
何かを愛する

目的語が明瞭な文章がタイトで力強いように
力強く輝き他人を惹きつける人間は
必ず「何か」を内に込めている

私 ....
新世紀。
 とは言いながら
殺戮の大義に明け暮れの
墓穴堀りは相も変わらず
{ルビ典籍=てんせき}{ルビ天窓=てんそう}に{ルビ堆=うずたか}く、
歴史は繰り返すと錯覚させるが
掘り返せる ....
空になった子宮は
痛みをともないながら
少しずつ
小さくなっていったけれど
物語はまだ
そこに残っている
気配がした

だれもが
語りたい と
思っていた
産むという行いは
ど ....
優しい眼をしている。街角で行き交う
人たちはみな忘れている。周りにある
危険を。ふいに背後から、あるいは前
から、加えられる危害を。そうでなけ
れば互いの距離を取らないで、どうし
て正気でい ....
わたしはかならず
まいります

            ( わたしなど忘れて
どうぞ握って
こぼれてください
もうすぐ
/わたしの
波打ち際で

ひたすら
ひたすら
なんときた ....
盗作するのを見たことがある。
十代の頃 その人は たまたま入った文化部で
たまたま詩集に作品を出す必要にせまられて
それなりに気に入ったものを書き写していた。
非売品の学校の文化祭でだけの詩集 ....
夢のようだった
銀河鉄道の夜でよんだ
真っ白な{ルビ鷺=さぎ}の菓子を
わたしは大地に植えていた
ずい分長い間そうしていたのだった
一羽でも多くと
せっせ、せっせ、尊くひかる白い足を埋 ....
海流を眺める
油絵の具を指で擦った様な道
夜の灯りをギラリと跳ね返し
いくつもの美しいラインが交差する

背泳ぎを見ている
行く先も見えずにただ進む
後に残る軌跡は直ぐに消える
いつか ....

店内のがらんどうは今映し出されたあたしたちのこころだ
かわいてる性器からうやむやに引き出して
血まみれのキーボードに移植する捏造された記憶の権利を主張する
声はなまなましい粒になって ....
霧氷を知らない 海風の町に
 ひと夜の冬化粧
  許された 雪の舞う月の夜


すべてを白く染める 悪のような力で、
あなたの寝室の灯かりが消える
 僕は自分であろうとして
  逃げ出 ....
天高くヒト肥ゆる秋雨の宵
換気扇がブーブーと油煙を吐いて
焼け爛れたローズマリーの匂い
隣のアメリカ人は今夜も豚肉らしい
ブーブーブー これで一体何頭目?
カンサス・シティーの豚舎の嘆き
 ....
手は内側を流れる音楽を運動に変換して紙の上に文字としてしたためる。紙に落ちる手の影は皮膚の内側の湿潤で深く染め上げられている。私は友に手紙を書いているのだ。友は声として仕草として視線として輪郭として色 .... 絡み合う2匹の軟体動物さながら愛し合う
舌と舌とが唾液を攪拌しながら弾かせる
無声子音の破裂音
こうやってお前を吸い込み食べちゃいたいよと
賞味し合う前菜じみた聖餐の
静かな咀嚼音

そ ....
「箱」

部屋の中で降る雨
窓はもはや絵画
三角錐の頂上はそれほど高くはなく
そこはとても四角だった

誰かしらの手がきっかけで
箱は隙間を許し
本棚は本棚に
テレビは音を放ち
 ....
はばたくばかりで飛べない暗がり
右目の奥を巡っている
音の無い
騒がしい動


葉の影がこぼれるなかに
歳をとらないものがいて
影をつなぎ 鳥を描く
少し離れた 冷た ....
人類は実に
新たな生命の存在を
吐き気でもって知るのだ
吐き気でもって

つわりは悪阻と書く
なるほど悪詛に違いない
ふしだらに股を開き快楽に耽溺した
メスザルへのささやかなる天罰か
 ....
海辺で見初めた瓊々杵(ニニギ)は想う
木花之佐久夜(このはなさくや)の美しさ
国つ神の娘であったが、
直ちに契りを申し入れ

このはなさくやは戸惑うだけ
笠沙の岬は出会いの場
 ....
瞳孔の暗黒の中に 太陽が一粒落ちて 沈んでゆく

狂気へと たそがれる 一筋の緊迫した神経
暗闇にもたれて 電磁波の凶音を 非難場所の平原
音符が草々と香り 鎖雨と ひっそりと 通じ合い  ....
さかな色の、光が
夜の道を跳ねる 

記憶にふる 蒼い雨の想い
街灯の光りは、やすらぎの
{ルビ七色=にじ}を生むこともない孤独に満ち
つめたい 明かりを揺らす


力尽き 腐植し始 ....
高梁サトルさんのおすすめリスト(1411)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
生まれの日- salco自由詩5*10-12-4
降り来る言葉__XLIX- 木立 悟自由詩310-12-4
(タイトル)- カワグチ ...自由詩310-12-4
風の子- きみのて ...自由詩310-12-3
日本昔話- ……とあ ...自由詩5*10-12-3
season's_greeting- 月乃助自由詩16*10-12-2
飛行船のなる樹- 塔野夏子自由詩9*10-12-1
- 葉leaf自由詩4+*10-12-1
氷結する球体としての孤独- 北街かな自由詩310-11-30
_今日- salco自由詩7*10-11-30
日々2- 葉leaf自由詩8*10-11-28
生きるということ- yumekyo自由詩9*10-11-27
日常茶飯- salco自由詩5*10-11-27
産む- 北野つづ ...自由詩10+10-11-27
優しい目をしている- 北野つづ ...自由詩7+10-11-27
あふれるころ_(幻肢の砦たち)- 乾 加津 ...自由詩8*10-11-27
なんだろう- 砂木散文(批評 ...6*10-11-26
空想の鳥- kawa自由詩310-11-26
嗚咽という沈黙- プル式自由詩810-11-25
ツイート- モリマサ ...自由詩310-11-25
ひとひらの雪- 月乃助自由詩9*10-11-24
豚肉を哲学- salco自由詩5*10-11-23
手をめぐる文学的断章- 葉leaf自由詩6*10-11-23
《楽典》_粘膜上皮- salco自由詩8*10-11-23
Ten_days_of_blue__1/4- 瑠王自由詩410-11-22
ひとつ_遠く- 木立 悟自由詩310-11-21
つわる- salco自由詩9*10-11-21
このはなさくや- ……とあ ...自由詩5*10-11-20
酔歌_-_4_/_****'04- 小野 一 ...自由詩4*10-11-19
雨の奢り- 月乃助自由詩11*10-11-19

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