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いつか詩人になれるなら
世界中を旅して回ろう
草原を駆ける羊たちの群れを
湖に映る青空の影を
収穫を願う人々の踊りを
感じたものを
感じたままに
言葉に紡ぎ出せるように
世 ....
求めなければ、
こんなにも苦しむことはなかったのに
そっと手を握る。
冷たく、無機質な手。
もう動くことのない手。
その手で、自らの頬に触れる。
夜は終わっていた。
私は立ち上が ....
――月が 落ちていた
頭上の太陽は 甲高く鳴いている
西の山で、勤めを終えた私は
ふと 名もない町を訪れた
眼下の生き物たちは
汗を搾り取られ 滴り落ちている
....
真っ白な壁にくるまれて
身じろぎ一つしない 彼女の
静かな寝息が こんこんと響く
そこは いつも
扉に囲まれていた
円い扉、四角い扉、
ぶ厚い扉、簡素 ....