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駱駝は人手に渡してしまった。
少しの水と、一日分の糧と引き替えに。
だから二人の娘は手をつないで歩いた、
月下の沙漠は、
はろばろと二人の前に広がっていた。

邪恋の娘ども、と囃し立てられ ....
飛ぶ鳥はとても軽いのだということを
わたしはときどき忘れる
飛ぶために鳥が捨て去ったものの重さを
わたしはときどき忘れる

鳥の骨は細く軽く
すきまだらけで脆いということを
150kg超 ....
ボトル開けてください
マスターは無口で気楽
狭い店内は薄暗く
窓の外にだけ鮮やかな色彩

まだ呑めるまだ夜は浅い
高い酒を黙って呑む愉楽
突き出しの菜はほどほどに辛く
心の中でだけ送る ....
世界中の誰も知らない理由で
あなたの小脳は壊れてゆくらしい
あなたの父親がそうだった
あなたの子どももそうなんだろう

昨日わたしは清涼飲料水の検品をして
二万本に一本の割合で出るという
 ....
さよならを言ういとまを
あなたはくれないだろう
私の知らないうちに
あなたはどこかに消えるだろう
夜空の星はいつまでもそこにあるわけではない
青空の太陽はいつまでも輝くわけではない ....
{画像=070219164910.gif} 初夏の夜、首が痛くなるほどに
高い空を見上げて、
あれがかんむり座だよと、
いつかそう教えたのに、

あなたは忘れてしまった。
七つの星でできた王冠を、
あっさりと投げて捨て ....
おまえは準備しているか、
俺たちは戦わなければならないのだ、
クローンの少年少女が大群となって押し寄せてくる、
選挙権もないくせに武器だけは手にしている、
だから俺は来るべき戦いについ ....
最初にぼくたちは井戸を掘った
深く掘り進めば
清らかな水が湧き出すと信じた

けれど 掘っても掘っても水は出なかった
そこでぼくたちは業者を呼んで水道を引いた
それからぼくたちは ....
其の人は南洋にゐた事があつて
だから私は其の人を思ふ時
まづは珊瑚礁の島々と
南の海とを腦裏に描いてみる

南洋の風物は鮮やかで
翡翠の海に{ルビ屹度=きっと}
色とりどりの ....
 1

少女は夕暮れにオルガンを弾き
聞き覚えたメロディを拾う
不安定なコードで単調な伴奏を繰り返し
遠い歌声に耳を傾ける

暗い森の奥 澱んだ沼の畔
彫刻のように動かぬ蟾蜍 ....
服部 剛さんの佐々宝砂さんおすすめリスト(11)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
影さやかな月のもと- 佐々宝砂自由詩16*08-4-18
軽さへのあこがれ- 佐々宝砂自由詩44+*08-3-18
創書日和。酒_【ねえマスター?】- 佐々宝砂自由詩4*07-10-26
Sweet_Genes- 佐々宝砂自由詩8*07-9-28
奇跡について- 佐々宝砂自由詩1207-6-8
上下左右- 佐々宝砂自由詩20*07-2-19
かんむり座- 佐々宝砂自由詩2805-5-3
来るべき戦いについて- 佐々宝砂自由詩304-12-26
家庭の成立- 佐々宝砂自由詩4*04-12-7
石となりし人に- 佐々宝砂自由詩3*03-11-28
遠いひと- 佐々宝砂自由詩403-11-25

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