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この世で一番に苦く美味い酒は
心が独りぼっちになった時になって
初めて味わえるもんなんだぜ

独りぼっちになる為に
どうしたら良いのかって言えば
まぁ割と単純で簡単なことでさ

例えば ....
室内灯の明りを落とし
明日の為にと目を閉じて
今週は何を片付けようかと
算段を繰り返している

かつては夢を見ない夜が嫌いだった
意識が途切れてから数秒後には
当たり前の朝を迎えていたか ....
まだ二十代になりたてだった頃は
自分が周りに溶け込めない原因を
責任転嫁することばかり考えていた

全社会議が終わり、その後は飲み会
いつものように空気を読まない発言と
オチに使われる存在 ....
背中から右足にかけて
立ち上がるたびに
座り込むたびに
鈍く鈍く走る痛みは
もう一月ほど続いている

目の回るほどと言う比喩が
何処までも陳腐に響くほど
此処最近の記憶は
仕事と痛み ....
給料日まであと二日
財布の中には二千円
日に吸う煙草は二箱で
計算上は問題無し

最近一週間を紐解けば
晩飯はカレーしか食べてない
昼飯はおにぎり二つ
酒も飲めずに遊びも行けず

 ....
まるで拭う事を忘れた涙が
頬を撫でる指と錯覚するように

幾度も呟いた愚痴や寂しさが
いまいち消化できない感情と共に
過去を奪って 未来を閉ざしている

奇妙なほど暖かい冬が黙々と過ぎて ....
通り雨が上がったら
買い物に出かけよう

少し錆びたギターの弦と
磨り減って持ちにくいピックを
新しく買い替えに行こう

心にいつも引かれている
五線に音符を並べながら
誰にも聞かれ ....
たとえ咽るほど湿った空でも
たとえ二カ月しか経ていなくても
そこが「我が家」であるという事実に
これだけの安堵を感じられるなんて

雨足は強くなっていくにつれて
今日から押し流されていく昨 ....
ちりん、ちりんと
ストラップにかけた
小さな鈴が泣いていて

僕はただとぼとぼと
涙さえ流せずに
現実に草臥れていました

金に囚われた義務と
時に縛られた責任が
いつの日か忘れ去 ....
軒先から滴る雫を
広げた掌に溜めてみて
人影疎らな路上に向けて
高く放り上げてみた

生きる事はつまり
意味を削る事だと
納得したフリをして
今日も繰り返した自問

とうに出た答え ....
もう何度も読み返して
もう何度も噛み締めて
もう二度と戻らない
時間を振り返るだけ

もう何度も思い直して
もう何度も後悔して
もう決して返らない
記憶を思い出すだけ

片隅の声を ....
伸ばした指先に触れた
温もりが薄れるたびに
寂しさが生んだ幻だと
自分に言い聞かせてた

何度目かの言い訳の後
振り返った道の向こう
通り雨に濡れた路面に
微かな足跡が続いてて

 ....
暖房の効きも悪い部屋の中
膝を抱えてぼんやり過ごす
あと三十分のタイムリミット
月曜日が僕の肩に手をかけてきた

差し迫る現実を目の前に
虚しい空想を慰めに
潜り込んだベッドは
昨日よ ....
この階段さえ登れば
独り呟いて見上げた
4日分の荷物を詰めた
旅行バックを引っさげて

堕落した生活を物語る
10段ごとの一服休憩
小春日和の早朝に
肩で息する三十路前

この階段 ....
遠くにおいてきた時間を
一つ一つ取り出して
今の僕に重ねてみた
懐かしさと共に思い出す
未熟だったあの頃を

自立の為に選んだ道
自律を願って歩んだ道
幼さと若さの間で
ひたすらに足 ....
手を伸ばした先に
掴みかけた陽射し
するりと零れ落ちる

温もりが少しあって
冷たさがやって来る
1月の空に投げかける
呟きは喧騒に隠れ

とめどなく詠う詩は
誰かが作ったものだけ ....
12月の夕暮れに注ぐ
眩しいだけの陽光が
白壁に弾かれて
僕の目に付き刺さる

自然に流れる涙には
何の感情も込もってない
急いでいる訳じゃなく
探している訳じゃなく

道の端にう ....
街路樹にへばりついた電飾を見て
綺麗だなと思う心と同じほど
毒々しいと思う心もあって

静寂の午後11時
肩に仕事を抱えつつ
終電に遅れないように

少し駆け
少し歩いて

立ち ....
雨雪が相争う強風の中
いつしか雪が雨を駆逐し
束の間に風景を変貌させていく

滅多に締める事など無い
ジャケットのボタンを閉じると
吐息さえ掻き消す寒風に抗おうと
出来るだけ前を見ないよ ....
冷め切った路地に
泡沫の玩具が舞って
寒さ堪えて歩く僕の
肩に弾けて消えていった

子供達の無邪気さと
自分の卑しさとを比べ
小さく息を吐いて
無造作に首を振る

涙が出た訳じゃな ....
庇から零れた一滴
微かな時間を奪われて
誰も気付かぬ苦笑い
皮肉を孕んで頬濡らす

眼鏡に張り付く七色が
淀みを儚く映し出す
娼婦の囁く愛の歌
路上に輝くガラスの破片

雨音と詠う ....
呟いた台詞をどれだけ記しても
書き殴った言葉をどんなに叫んでも
僕の声は旋律を切り裂いているから
どうやっても詩になりきれないんかな

涙と汗は溶け合いながら
湿りきった風に運ばれていって ....
今日 道端で詩人が死んだ

一切の言葉が許されない
循環する空気が身体を冷やす
温もりの欠片も無い肉塊
言葉の澱みが鼓動を止める

今日 道端で詩人が死んだ

寒さに震えていた訳でな ....
足を上げて歩けないのは
日頃の疲れからなのか
明日が見えない今日を
繰り返すしかないからか

履き潰した靴の数だけ
削れて行く生き様があって
磨耗した靴底に気が付けば
見えない針が刺さ ....
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