心を のべひらく

凪いだ 北の方へ

静まり返った部屋で
北向きのベッド
伏臥した 頭の上を
船が通り過ぎている

北極海航路が開かれる時
涙は溢れるのだろう

極海に船影が ....
法隆寺を後にして
大和の日も沈む夜 

土塀のつづく石畳の道 
街灯の灯る曲がり角に 
顔の無い水子の仏像が 
肩を並べて待っていた 

しゃがんで 
幾人もの丸石の顔等に 
手を ....
鼓動を知っている
急激に階段を上がり
寝床に入ると
生きている苦しみと共に
息切れと共に
脳を覆う

熱を合わせると
寝床が海に変わり
大海原を旅する船になる




鼓動 ....
儚く響く黒い海
真っ白な少年と高台
 
死に近すぎて
無関心なまま生きて
 
少年は
ルータなんて記号を
覚えながら
膣を求めて行く
 
真っ白なピンク
近づけばバイオレンス
 
少年は
友情なんて感 ....
元旦の空は
いつも真っ白い
何故だろうと見上げていると
西の方から
青い鳥が群れを成してやって来て
ばたばたばたっ
と次々空に貼りついた
瞬く間に青空が出来上がった

鳥たちはかちか ....
初出勤のバスには 
4人の乗客 

到着するバス停を降りて 
それぞれの瞬きを胸に
それぞれの舞台へ 
散らばってゆく僕等は 
地上に降りた 
4っつの星 

体の透けた 
帽子 ....
蒼い影を映して続く冬の森には
透き通った何かが隠れている
凛と張りつめた空気の中で
何かが動き始めている
それは凍りついた木々の向こうに
広がるはるかな世界
白いやさしい{ルビ時間=とき} ....
いつもと同じ場所から何ら変らずに
初日がひょいっと昇ってきただけなのに
「ありがたや」と皆で拝んだりする

昨日までの日の出とどっか違うのかな

江戸時代の「つけ」とかの借金って
支払期 ....
思い出したくらいで

あなた歩いてこないでよ

ふたりの距離

死ぬほど忘れてきたのに

たやすいことなんて

不思議なほどなかった

みんな邪魔してたね

ガラス戸越しに ....
乾ききった滴りの速さで
砂漠に打ち捨てられた
砂時計は時を刻み始めて
砂礫の大山に沈む

夜の生き物のように蠢動する
艶かしく くねくね
流砂は崩れ去り
乾いた海へ向かう

防波堤 ....
南中 傾きかげん
午後は冬枯れて
ゆっくり暮れ始め
つる草の茎は乾く

雲が湧き立つ
空き地の水溜りに
空が留まり

太陽が雲に隠され
疾風が翔る
空と大地が近づいているだ

 ....
 
十六歳だった
終わったあと
ひとつになったんだね、と囁かれ
雑誌の読みすぎだとおもった
このベッドの下に隠れてるなにかかしら、とか
制服がしわしわになっちゃった、とか
私ははじめてで ....
星のように流れていく君たち
今夜はどこを目指していくの
それとも行く当ての無い旅なのか
いく当ても知らない旅なのか
星団を組んで東から西へ
誰かが君に願い事を託す
ここで君たちを見上げてい ....
壁打ちテニスが流行っていた
とある場所がある
心に描いたネットの向う側へと
誰もがひたすらにラケットを振った
放物線を描き跳ね返ってきた球を
時が経つのも忘れ打ち返した

街灯の明りを背 ....
 
むせかえる緑
森の深みで
一本の幹を背にすらりと立つ
わたしの頭の上にはもぎたての林檎
正面、幾重もの木々ごしに
とらえようとする鋭い矢尻が
抗う弓をキリキリと押しひらいてゆく、あな ....
美しくなった、本当に
美しくなった
成人を迎えるからだの中から
魂の
幼い部分だけ
すくい集めて
投げる

そこに生まれた空間が
やさしく
かたまったら
ほし
と名づけて
揺 ....
午前の安らかな居眠り

窓の風景が寒い冬枯れて
モノトーンの射し込む光に
アケビの橙が透視できる 窓に

うたた寝の前
布団をかぶり
空を呆然と見詰めて
表情のある天候と同期して
 ....
今日も{ルビ賑=にぎ}やかな 
職場の仲間は 
跡形も無く姿を消した 
残業の時刻 

静まり返った部屋で 
ぱらぱら 
書類の{ルビ頁=ページ}を{ルビ捲=めく}りつつ 
手にした判 ....
じゃじゃりり〜ん 


紅茶が美味しい原宿のCafeで 
初老の紳士が羽織ったジャケットから 
小銭が床に散らばった 

赤いチェックのワンピース 
栗毛に{ルビ薔薇=ばら}のリボンを ....
あなたは ふらり
何の気なしに
立ち寄った旅人のようですね

来訪が嬉しくて 嬉しくて
こころからおもてなしするのですけど
ずっと ここに留まってはくれず
また ふらり
どこかへと旅立 ....
 むかし僕は天使だった。
 せなかにつくりものの羽をつけ、そでのすこしよごれた白い服を着ていつも母ちゃんのそばにいた。
 かがみにうつった母ちゃんの顔はまるでペンキを塗ったように白く、やけにまじめ ....
 
 
 
 
 
 
それは、浅はかながら
艶めきを晒している
 
狂い踊る群衆の隅で
一心に
咲き誇ったまま
 
 
燃える
 
 
******
 
 
 ....
途切れた先のピアノ線
かつての相対的な不協和音
世界中のノイズから
取り残された果て

遠くで一瞬のまたたき
目を凝らした瞬間に
それは波動に飲み込まれ
見えない明日をブ ....
背の小さい盲目の少女が 
ノッポな友達と腕を組み 
うれしそうに通り過ぎた 

コートのポケットに 
両手を突っ込んだぼくは 
耳に入れたイヤフォンから 
Bump of chicken ....
お金や幸せを掻き込むという
縁起物の熊手
わたしの望む幸せとは
そんな熊手の上手から漏れた小さな幸せ

例えばそれば
何時に無く目覚めの良かった小春日和の午後
所在無いままに陽だまり ....
キコ キコ キコ
刃物

キコ キコ キコ
刃物は裸にされ
燻し銀の鈍く照り返って

キコ キコ キコ
刃物は研ぎ澄まされている

流しの蛍光灯の
白々しい明るさ

ザク ザ ....
集めている


草花の歌声を

鳥の時を

空気の鼓動を

水の根を

空の恋を

魚の道のりを

暗やみの夢を



ひたすら

見つけては
集めている
 ....
ハンガーが足りないため
シャツとセーターを7枚着込む



窮屈な身体をもたれ自室の戸を開け
間取りを読み
鏡だけの部屋で鏡が
なぜ
縦にあと3センチ長くないのかを
考える

 ....
 来春、君と結婚したい男が私にごめん、と言う。

 すまない、と繰りかえして言う言葉が頬を滑らかに這う。
 ずっと不思議に思っていた。私が、どうして君と繋がり合えなかったのか。
 胸を打つ ....
楽しいクリスマスになりましたでしょうか?
ステキな時間を過ごせてましたら幸いです

私が2歳か3歳のときに
父がサンタクロースの格好をして
プレゼントを渡しに来てくれたことがあります
 ....
渡 ひろこさんのおすすめリスト(2910)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
のべひらく北極海航路- アハウ自由詩308-1-6
水子ノ声_〜法隆寺の小道にて〜__- 服部 剛自由詩308-1-5
鼓動- 小原あき自由詩20*08-1-5
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ひかりの鳥_- 服部 剛自由詩608-1-4
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白雲の_黒雲の- アハウ自由詩607-12-30
パレード_〜年の瀬の夜〜_- 服部 剛自由詩807-12-28
「_Help!_」_- 服部 剛自由詩307-12-28
懐抱- 明楽自由詩207-12-28
この世界を離れて_★- atsuchan69散文(批評 ...7*07-12-27
燃える大輪- 山中 烏 ...自由詩3*07-12-27
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ダイニングキッチン- アハウ自由詩207-12-26
集めている- 小原あき自由詩20*07-12-26
解放されたからだ- 佐々木妖 ...自由詩8*07-12-26
君と時効- 鴫澤初音未詩・独白107-12-26
Merry_Christmasでした- 北大路京 ...自由詩5*07-12-26

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