僕の銀色の船は、雨の海を北上し、
目的地の虹の入り江にたどり着いたところだ


虹の入り江は、とても綺麗に湾曲している入り江だ。


ここは本当に美しい月の名所で
地球にいた頃から ....
あなたの頭蓋骨を、かき抱く
この胸に熱く
柔らかな髪に包まれた後頭骨に
私の上腕骨を回して
冷たい額の向こうの前頭骨に、頬骨を寄せる
あなたが考えていることが、私の心に伝わってくる
 ....
 
 
立ち食いそば屋で
夕飯を食った

客のほとんどは
お酒を飲んでいて
立てなくなると
ざるそばを食って
次々と去っていった

素数について
話している客がいた

立て ....
翔けだした 
雷鳥さえも追いつきはしない
億年の過ぎ去った
海峡の、氷河の流れに
止められない想いを抱きしめては、
巨きな犬の背にまたがり

髪をふりみだし
人のすがたなどでなく
 ....
 
 
傘のない世界で
きみに傘の話をしている
小さなバス停に並ぶ他の人たちも
そぼ降る雨に濡れて
皆寒そうにしている

ぼくは傘の話をする
その機能を
その形状を
その色や柄の ....
こんにちはさよなら きっとまた会おう
君がそれをまだ信じてるなら なんて切ない
灰色の木洩れ日 小さな湖
手を振って笑って
次はいつどこで会うかわからない それが素敵
思うようにうまく歩けな ....
春の雨が降る

アスファルトが匂いたつ

雨があがる

すこし唐突に星が散っている

湿気が鼻にかさなっている

風が目のまえを撫でては消える


きのう

エロい夜だっ ....
電線を泣かせるのは
木枯らしだ
冬のからだの
声だ

何も掴めないのは
街路樹だ
冬のからだの
手だ

キシキシと縮こまった
エンジンを震わせて
登り坂を這っているのは
 ....
・国語

休み時間 机の上に伏せられた教科書はみな鳥のかたちで

「死」という字を習い17年経つが何故か未だにうまく書けない


・算数

「算数は嫌いなんだよ数式の突起みてると痒く ....
ラーメン屋の湯気の中で
二人で未来を語っていた時から
おまえは何時(いつ)も ずれた視線をしていた。

駿河台の坂を上って行く途中
ヒラヒラと雪が降り始め
俺には寒かったが
おまえは ....
今日もまた音楽を聴きながら朝の身支度をする 九十年代末に流行ったUnderWorldというテクノバンドのBorn Slippy(NUxx)という曲が流れている 「Second Toughest In  .... 昨今 ひとごろしがはやっていますが
キラーチューン というのがあって
作品で自害するのだそうです

『涙の数だけ強くなろうよ アスファルトに咲く花のように』
なんて本当に思ってたんだとすれば ....
プルトップにゆびをかけて

あたしのめのまえで

うれしそうにトマトジュースを開けるきみと

ちいさな破裂音と

あたしがいて


とじこめられた空気が

はじけて

で ....
キィィィィ ンンン
鳴っている

塾帰りの娘を迎えに来て
路肩に車を止めてエンジンを切る

ガラス1枚隔てられただけで
街のノイズは膜を張られ
夜の静寂が濃くなるから

ィィィィィ ....
 
 
白ヤギさんから届いた手紙を食べている
しかたがないので手紙を書いてしまう
という展開を知りながら
次々と届く手紙を食べている
白い糸を吐きながら
やがて後悔している
黒ヤギなど ....

車を走らせていると路面には
頭から脳漿を垂れ流した犬が
しんでいるのをよけつつ
あたらしい仕事を探そうかなどと
ニールヤングを聞く
ちょうどいい音楽だ
ちょうどいい音楽なのに
「h ....
鬼がやってきたので 福豆を袋ごと投げつけた

クイックモーションから全力で投げた

「 俺が大殺界だってこと、わかって来てんのか! コラ! 」


鬼に投げつけた袋を拾うて ほぼゼロ距離 ....
大きな河がある。
河原の茂み越しに夕日が沈む
大きな赤い夕日が沈む
川沿いの巨大な倉庫の
グレーのシルエットを引きずりながら

大きな河がある。
河原の水際にホームレスのホーム
ホ ....
かつん、とネジが落ちてきて
気づいたの
あの銀色の月は
機械仕掛けなんだって
 
黒い蝶が
りらりら羽ばたいて
夜の甘水を渡っていく
 
世界が
どんなに張りぼてだって
眼に映る ....
{引用=

目にするものは、すべて
縮小された世界 ほそい指先に
絡まる色糸の道と煩雑なブロック
意識ばかりが拡散して、
すぐに ほんとうの姿が分からなくなってしまう
この街をあんなにも ....
 
 
風邪をひくと
風邪の気持ちがわかる
希望がないのだ
夢を見ることはできても
悪夢ばかり
風邪は子供

もう会えない人が
夢の中にいる
もう会えないとわかってるのに
また ....
子犬が母犬にじゃれる様子が
かわいいというあなたをみる私
あなたという母親を見る娘の目で

あなたが私を生んだことは確かですが
私は私の意志で生まれたんですと
いう機会はない

あなた ....
白い波間に 漂ひながら
をいをい泣くのは どこの子か

紅い波間に 繋がれながら
こいこい招くは たれがため

揺らぐ 夜空の片隅に
この世の黒を残さぬよう
明き月はまだ消えぬまま ....
サラみたいにさ
ピアノでロックを歌いたいと、思っていたから
キーボードを買った
トランクに積んで、運転席からメロディーを紡ぐ
音楽を思うと、ときどきからだが、高校時代に浸される

私立校の ....
痩せて行く月を眺めながら
君はにこやかな笑みを魅せ
二人っきりの時間はそんなに無いはずなのに

黒猫は二人の間を取り持つように
しっぽを足に絡み付け媚を売り
君はそれににこやかな顔で応 ....
海へと向かう
風になりたかった

誰にも
心地よい匂いで
なんにも傷つけずに
透き通る
そんな
自由に
なりたかった

けれど
夕暮れどきの
風はいつも冷たくて
帰 ....
  橙に染まることはあっても
  緋の季節は 彼方へと去り
  空はただ 紺のトーンへと落ちていく
  ロイヤルコペンハーゲンブルーに暮れる今日は
  やがて三日月の窓の明かりを際立たせる
 ....
 
 
もっと簡単にあなたを愛したい
複雑な手続きなど経ることなく
もっと簡単に
もっと簡略に

僕は僕の皮膚を越えて
外に出て行くことはできない
僕から出て行くのは言葉
それは様 ....
午前一時七分

   ごらん
   粉雪が降っているよ
   まるで天使の羽が舞っているように
   今は
   僕らだけの窓辺
   君と一緒に過ごしたクリスマス
   最初の告白
 ....
指紋を眺めると、そこに宇宙があった。切 
株を覗くと、そこに宇宙があった。時計を
見上げれば、秒針の音が絶えず響いていた。  
日常の風に紛れていつも周囲に渦巻いてい
る、それぞれの宇宙。肩を ....
渡 ひろこさんのおすすめリスト(2910)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
月面航海記(虹の入り江)- 楽恵自由詩14*10-2-15
骨まで愛して- 楽恵自由詩16*10-2-11
素数- 小川 葉自由詩1110-2-11
氷の犬- 月乃助自由詩15*10-2-10
作り話- たもつ自由詩1610-2-9
あたたかい夢- 塔野夏子自由詩8*10-2-9
エロい夜- 吉岡ペペ ...自由詩910-2-9
冬のからだ- nonya自由詩18*10-2-9
教、育- 吉田ぐん ...短歌3710-2-9
名残雪- ……とあ ...自由詩13*10-2-8
水槽の中の泡沫の原子- within自由詩8*10-2-8
キラーチューン- 猫道自由詩510-2-7
トマトジュース- 水町綜助自由詩5*10-2-7
耳鳴りに親和する- kauz ...自由詩12*10-2-6
かいこ- 小川 葉自由詩6*10-2-6
星空を見上げる- フミタケ自由詩7*10-2-6
節分に_鬼がやってきた- 北大路京 ...自由詩14*10-2-6
ホーム・スウィートホーム- ……とあ ...自由詩9*10-2-6
メイプルシード- 佐野権太自由詩15*10-2-6
「地図の街」- 月乃助自由詩18*10-2-6
風邪- 小川 葉自由詩510-2-5
母娘の夜- 朧月自由詩610-2-5
邪魔- 一酸化炭 ...自由詩1*10-2-5
Little_rock'n'roll- たちばな ...自由詩810-2-4
魔法- ……とあ ...自由詩19+*10-2-4
線路沿い- 千波 一 ...自由詩6*10-2-4
連詩_「星一つ」_奥主_榮__萌木_碧水- 鵜飼千代 ...自由詩4*10-2-4
もっと簡単に愛を- たもつ自由詩2110-2-3
アヴェ・マリア- 乱太郎自由詩15*10-2-3
ひとつの宇宙_- 服部 剛自由詩5*10-2-3

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