棚が倒れて割れた窓ガラスや試験管
 フラスコやビーカーが床に散乱している
 海水に浸された真綿が入るシャーレが傾いて静まっている
 実験室の椅子にすわるかれの顔をおぼえていない
 ....
コーヒ−カップの底で
四角い哲学者が
溺れながら
プラトン的愛について
考察している

僕が
スプーンでかき混ぜると
永遠を
ひと時が飲み込んで
一行の詩が
生まれた
頭蓋骨が揺れた日
駒落ちのフィルムのように
ストップモーションの連続で
日常と非日常が
サブミナル映像のように
いくぶんずれた頭皮の内側に刷り込まてゆく

恐怖感は突然やってくる。
震 ....
いろいろなものを
誰よりも多く掴もうとして
硬くなってしまった
てのひらの
欲張りな力を
少しずつ緩めてみよう

うっかり掴み損ねたものは
そのまま放っておけばいい
本当に必要な ....
たった一つの言葉が言いたくて
書き始めた詩が
僕の手を離れて宙に浮かぶ

こんな筈では無かったと
何回も書き足して
つなぎ止めようとしたが
ますます詩は僕の部屋中に拡散し
言いたかった ....
ウマウアカの谷に
春が来たよ お嬢さん
ウマウアカの谷が
歌っているよ お嬢さん

聞きかじったフォルクローレが
頭の中でループする

空を突き刺す白い山脈の彼方から
響いてくる ....
 こわれてゆく街のなかで
 こわれてゆく耳になって
 ぼくは
 通りすぎてゆく乾いた硬い音をきいていた
 ビル風に
 靴とアスファルトの
 靴とデパート通路のリノリュームの
 靴 ....
風が涙を後ろに吹き飛ばしてくれるよう
顔を切り裂くような冷たい北風に顔を向けて
身体をつんのめるようにして歩き出す。
冬の並木道は魚の骨のような街路樹と
銀色に輝くアスファルトの路面が光って
 ....
空からいきなりに
恋心は舞い降りたので
ぼくの長靴は
仕事なんか放り投げて
あの子をなぞりに行きたい
たどりに行きたいとさわぐ
鳥も帰らぬ街の残骸
その真上にも空が拡がる
空には厚い黒雲が犇めき(ひし)
雲の凹凸にたくさんの泣き顔が
泣き出す雨の一粒一粒が
いのちのかけらであったため
泣き出す雨に佇んだ
涙袋が途 ....
心は刃
心はまわる
心は発芽
心は背骨
無いものの羽


泣き声が揺れ
振り返ると海に山に居る
空から直ぐに
降りてくる指
誰もいない街を描く


灯る ....
さみしがってもかまへんよ
そやけど けんかはあかん
おばあちゃんは よう言うてました

自転車こいでこいで
も少しこいだらついた
どこどこのこおやて言われたくないから
いそいでおりました ....
今朝からの気温
変わらない気がする
私の今日をふとふりかえる

足跡があると
思いたいのも認めて
暮れる空みる

みな帰れよ
それぞれに帰れよ

祈りとかくのもおこがましく
指 ....
曇り空の夕陽は
やけに朱色の粉っぽくて
窓から見える景色が
変にくすんでいます。
日がな一日床に入って
分かりもしない本を読んだり、
他人の不幸の報道を
リバイサンから御裾分けしてもらっ ....
同じ体温を探している

ずっと

生まれたときから

死んでしまうまで

花は少し冷たい

犬は少し熱い

コンクリートはカメレオン

ぬいぐるみは反射する鏡



 ....
君は
ひとつぶ

哀しみを
螺旋構造に宿したまま
この世に零れ落ちてしまった
ひとつぶ

君は
ひとつぶ

喜びの
光にくすぐられて発芽し
言の葉の二葉を広げてしまった
ひ ....
嘆こう
いつか早朝のラジオで聴いたんだ
「前半しっかりと絶望すること。
 それが復活や飛躍への、ステップになるのです」
私たちの脳は生きるために
絶望と絶頂を繰り返す

友だちが教えてく ....
再び歩き始めるんだ
膝を抱えてうずくまった場所から
行き先なんて確かめなくていい
立ち止まった自分を責めなくていい

pauseを解除するんだ
内なる声が途切れた位置で
イン ....
跡形もなく過ぎ去った過去は
過去の栄光ではなく日常のホームドラマで
思いやりのある家族とお節介な隣人
歴史好きの親父とミーハーな娘
東京に行きたくて
髪の毛を染めたキャサリン
着ている ....
 うらぎりの雲がうかぶ
 青空のした
 ぼくは
 ぼくを問いただしていた
 オマエハ ナニヲ シテイルノカ
 と。

 おおきな地異が
 おおきな波が
 きみから
 大 ....
魚たちは
丘に打ち上げられ
濁った空気を吸っている
けものも
けだものも
身を潜めて眠っている
鳥たちはどこか遠く
姿を見せない

灯りのない街を
明るい部屋で夢想する
シ ....
空の途中の領域
中途半端な浮遊感と一緒に
風を翼に受け
停止したまま浮遊する
彼だけができる芸当

地上を常に意識する狩人は
樹木の枝葉の間から
    見え隠れする野鼠ほどの小動 ....
 歩き始めの段階、道は同じ眺めのため選択間違いはよくあるのですが、間違いだと気づいても引き返す勇気がないため、どんどん先へ行ってますます道に迷ってしまうことがあります。特に最初選択した道が平坦で歩きや ....   長野県信濃町の
  町立一茶記念館に
  猫の館長さんがいるという


  名を
  杉山ソラという


  ソラは
  館内を巡回し
  館長席のあたりで昼寝をするので ....
※詩という創作活動はどのあたりから始まるのだろうか。

 詩と散文を作る手段全般についての情報と意見交換の会議室で「あなたの詩の書き方をステップをおって説明してください」とういうテーマの時がありま ....
どこまでも続こうとする坂道
喘ぎながら

繰り返される独り言のような呪文
聞きながら

やみくもにしがみついたあなたの背中
眠ったふりしながら

安いおしろいに混じった汗の匂い
嗅 ....
それは突然舞い降りてきた
何の前触れもなく歌もなく
楽しさの全てを食い尽くすため、
僕の身体に入り込んだ。
それは少しの疼痛で
全て揃った腰のパーツの
どこかにスーッと入り込み
きっとど ....
乾いた大地に
夏の厳しい日差し
しおれてしまった花に
水をひとしずく下さい

*

空っぽになった部屋で
なくした希望を探す
仕方がないと言いながら
耳障りなため息を吐く

* ....
言葉足らずの季節がやってきて
降り注ぐ涙も白い息を吐く

部屋の暖炉で暖まっていたのは
自分一人だけ

棚に飾ってある詩集が
染みで黄ばんでいくのにも気がつかず

突然起きた表層 ....
学習ノートの裏表紙
鉛筆手書きの宝島
包装紙の海図を持って
君はダンディ、僕 博士
太っちょガバチョを従えて
駄菓子屋で買った黄粉飴
カバンに入れて粉だらけ
黄粉に塗れた三人の
宝探し ....
渡 ひろこさんのおすすめリスト(2910)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
廃校に立つ未来の子どもたちに- 石川敬大自由詩19*11-4-2
哲学- 乱太郎携帯写真+ ...17*11-4-1
失語症- ……とあ ...自由詩5*11-3-31
てのひら- nonya自由詩17*11-3-29
詩作を続けるために- ……とあ ...自由詩15*11-3-29
ソング_・_オブ_・_インディオ- nonya自由詩15*11-3-26
女性性に関する一考察- 石川敬大自由詩17*11-3-26
風邪- ……とあ ...自由詩6*11-3-25
春雨は罪つくり- 橘あまね携帯写真+ ...411-3-24
見知らぬ街- ……とあ ...自由詩7*11-3-23
ノート(ふるえのあとに)- 木立 悟自由詩511-3-21
おもいで- 朧月自由詩411-3-21
夕暮れ- 朧月自由詩411-3-21
一日の終わりのエイリアン- ……とあ ...自由詩17*11-3-21
同じ体温を探している- 小原あき自由詩4*11-3-21
ひとつぶ- nonya自由詩14*11-3-21
嘆く背に桜前線の風が吹くように- たちばな ...自由詩19*11-3-19
再出発進行- nonya自由詩8*11-3-19
DESOLATION_ROW(廃墟の街角)- ……とあ ...自由詩8*11-3-18
きみに寄り添う- 石川敬大自由詩11*11-3-17
しなやかに朝を迎えたい- いとう自由詩2311-3-14
あおばずくー閃光の欠片2ー- ……とあ ...自由詩711-3-13
目的_ー道6ー- ……とあ ...自由詩7*11-3-6
猫の館長さん- 石川敬大自由詩9*11-3-6
【批評祭参加作品】無意識と創造性- ……とあ ...散文(批評 ...711-3-6
柔らかな化石- nonya自由詩15*11-3-5
ぎっくり腰- ……とあ ...自由詩8*11-3-3
悲しみ- 未有花自由詩23*11-3-3
待つ- 乱太郎自由詩1811-3-2
宝探し- ……とあ ...自由詩611-3-1

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97