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迷ってばかりではないんだよ
ゆっくり歩いて来たんだ

途中に声を掛けてくる者もいたけど
脇目も振らず歩いて来たよ

 ....
宇宙に開かれた水の滴
表面張力によって浮かぶ
塵芥の島嶼の一部の
寄生する細菌細菌
細菌が人生


泥の堆積/火の木端/夢に沈む
雲の破片の沈殿物
屋敷の塀の高さに隠された
思い出 ....
出鱈目で意味も不明でハイファイさ
夢でキスして蹴飛ばすラジオ

意地悪な従姉がくるよ日曜日
すぐに逃げたい宇宙旅行へ

淋しげなコラージュセンス武器にして
カウボーイたち家を出るのさ
 ....
両親の法事にも出ず/確定申告
何ができる/何もできない
電車は相変わらず/余震の陰に沈んでいる。
空は青空/心は鈍色
地震は嫌いだ/自信家はもっと嫌いだ
安全が第1/完全が第1
落ち着かな ....
かり かりらん からん
鉦の響きが行列を先導する

満ちていく途中の
なまめいて誇らしげな月の下


馬の背には選ばれた幼子
金襴にくるまれて
視線を集める戸惑いを隠せず ....
満月のせいで
胸元に口づけしたい
それから背中に手をまわして
背筋をなぞりたい
たくさん言いたい
たくさん抱きしめられたい
その数年分の星の数だけ

だいだい色の満月
あたたかさ ....
雨が静かに降っている。
この悲しみを流せるか
悲しみすべて流せるか

雨がしとしと降っている。
この嘆きを流せるか
嘆きをすべて流せるか

雨がひたひた降っている
この苦しみを流せる ....
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 【 雪花 】


雪が
頬触れ
ひらひら
ひらひらと
鉛色の空から
舞い落ちる雪花
白い礫が頬をうつ
熱き恋情抱きしめて
吹 ....
旅ってなんだろう

帰るところあっての旅なんだろうけど

住んだこと無いはずなのに
慣れ親しんだ気がしてならない場所へと帰ってゆく

そんな旅路もあるような気がする




 ....
希望の楡の大樹の根元
絶望の日溜まりの中で
君は何を想い
溜息を吐いているのだ

柔らかな秋の陽射しの中
ゴツゴツとした大樹の根元にしゃがみ込み
君は何を想い
溜息を吐いているのだ
 ....
冷たい雨粒が
傘をノックする
居留守をつかう僕を
執拗にノックし続ける

開けてはいけない
部屋を覗かせてはいけない

開けたら最後
あいつはズカズカと
上がり込んできて
胸 ....
{画像=111007000549.jpg}


窓ガラスに映る大空は青く
青いパネルの上に白い雲が貼り付いていた
冷たい空気が流れ
机や椅子は緊張している
床の上には煤がざらつき
チョ ....
ヒガンバナが今年も灯る
曖昧を許さない輪郭で
そのくせひどい曖昧を宿す

秋に咲く大輪は葉を持たない
何もなかったところから花火みたいに
茎だけで伸びて

夢見がちなひろがりではじけて、  ....
さて あのすすり泣き
深夜不気味な静寂の中
心の中を踏みにじる
遠吠えのような鳴き声と
嗚咽を漏らしたすすり泣き

寝静まった街の中
街路樹に風 だけがざわざわと
聞こえぬふり ....
  そんな老朽化した家屋の
  偲ぶ場所
  なんて
  もうこの世の
  どこにもなくっていい
  壊れてしまってもかまいはしない

  ぼくの
  わたしの
  想い ....
 「上を向いて歩く−はてどこかで聴いたような」

風は丘を越えて吹いている
丘を覆い尽くす向日葵は
風に吹かれていくらか首を傾げ
黄色い丸顔を撫ぜる風

道の下は荒れ地
昔昔その昔
 ....
私、光なんですって。
文字が書かれたチノパンに、光がそそぎ
海の向こう側の浮島が、深く染まる
写真。
私、少し泣いてしまったのです。
悲しみの遺伝子
控えめな微笑み
フレームの外がわ ....
あきらめてみる

たとえばわたしでいることをあきらめてみる

すると亡くなった母のこととか
ひとりぼっちの寂しさとか

なんだかふぅっと身軽になれて

お線香のくゆりは相変わらず苦手 ....
十月の午後の坂道は
陽が傾くほど急になる

呆気なく転がり落ちていく
未消化の棚牡丹と
未開封の地団駄

十月の坂道の午後は
追い縋るほど暗くなる

勝手に暮れなずむ
未完の ....
岬の突端にある一本杉
その根元には猫の額ほどの草原が
崖下に望める港町は
なだらかな坂のある町で
火の見櫓以外高い建物もなく
斜面にへばりついた小さな
小さな灰色の箱の集落

漁船が停 ....
海になる体へ雷の槍をふらせる
うねる波の頭の
ひとつひとつへと
国産みの神を模倣して
空になる体は
すみやかに 確固とした
愛の執行を撃ちつける

脊髄どうしがリンクして ....
差し障りのない罪を
いくつも背負い込んで
眉の間に深い縦皺を寄せて
のうのうと生き長らえてきた

脱ぎ捨ててもいいような昨日を
ご丁寧にたたみ込んで
誰が見てもわかるように
不幸の ....
次第に人との距離を感じ
次第に人との言葉が減り、
次第に人と会う機会が減り

言葉は外で無く内に向けられ
言葉は形が無く反芻できず
言葉は脳髄の中で霧散し

色は次第に発色しなくなり
 ....
内臓と筋肉と精神と
空を見上げれば
口からこみ上げるほどの
未消化な感情が
胸焼けの原因で

とりあえず君と映画を見に行こうと誘った。

有楽町のシネマ1では
Born to b ....
谷底から吹き上げる風に向かって
飛び込んだ僕の身体は
そのまま上空に飛翔し
十五夜の月 月面に向かって落ちて行く

青い地球の表面で
わずかに塵芥のように
へばり付いていた
悩み後悔の ....
たった1年で
大人になった猫は

春には泡立つ光の匂いを
丹念に嗅ぎ回りながら
ひとつ歳をとり

夏には風呂場のタイルの上に
長々と寝そべりながら
ひとつ歳をとり

秋にはふ ....
昼夜繰り返される試み
この街が雨で埋め尽くされる頃
呼吸を許されたとき
空っぽの胃
歌う

泣きたい、と
ひっそりのたうつ
こんなにも女(の子)だったかと
雨粒に色を閉じ込める作業
 ....
もう骨身にしみて
地上の風景が分かっている我々。
地上には乾涸らびたバッファローの頭蓋骨
灌木に砂、掴むことの出来ない短い丈の草と
土煙を上げて往来するトラックの群れ
遠景に岩山が望めるが
 ....
止まっている
と言われた
アルバムの狭間で色褪せていく夕日だ
と言われた
食べかけたパスタの山麓で
僕は唇を噛み締めた


進め!


滞っている
と言われた
だまし絵の ....
落下する精神の一滴
不毛の砂漠が拡がる

一滴の水はオアシスとなり得ず
砂礫の隙間から地下水脈に吸い込まれる

蒸発するのでは無い。
胡散霧散するのでは無い。

現実だと認識できない ....
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