熱を帯びたむず痒さが
背中の真ん中あたりから
尾骨に向かって這い降りていく

机の上の観葉植物の彼方に
白い砂浜が見えたことにして
遠い目をしてやり過ごす

生まれた時から猫背の内 ....
ひんやりと
乙に澄ました器に
シャキシャキと
君が
降り積もる

すでに膝小僧が
溶けかけていた
僕は
やんちゃな眼差しで
それを見守る

じんわりと
熱を帯びた午後に
 ....
蹴られたボールは
鋭く脇腹を抉るようにして
ゴールのサイドネットの
内側に突き刺さった。

その瞬間ボールを取られた
若者は目を覆い、次に
フリーランニングをしながら
雄叫びを上げるア ....
{画像=120805195041.jpg}


一つ忘れることは
一つ自由になることかも知れない
我々は過去に囚われ
過去に生きているように思うが
想いは日々新しい記憶に塗り替えられてい ....
うなじに貼りつく蝉の声を
拭ったハンカチの上に


炎天下の用水路に浸した
素足のこそばゆさを重ねて


最後の線香花火が消えた後の
かすれた火薬の匂いの上に


水着の跡 ....
場末の神話から時間と空間を引っ張り出して

自分の居場所を作ってはみたたものの
他に追随するものはなく、いつも独りぽっちで、

もちろん光りは射さない

自分のフィールド ....
奈良の大仏 ふさの国
ならは 国の意
奈良の都は遠い過去
盧舎那仏にはほど遠い
寂(すた)れた山里の如来立像

並木の参道 山桜
古木巨木のスダジイ、銀杏
木肌と瘤の古色な造形
その ....
亜寒帯のオフィスを出て
果てしない温水プールを
東から西へ

亜寒帯の百貨店を目指し
思考停止のままの潜水で
東から西へ

最後の力を振り絞って
エレベーターのRボタンに
タッ ....
また、夏が
また、あの光景が見えて来る
田圃の畦道を
母と一緒に歩いている
手を繋いで歩いていく

畦道の陽射しは強く
麦わら帽子の隙間から
頭髪の汗をさす
揺らめく道端
青い稲
 ....
{画像=120729111956.jpg}


夏の朝は
牡蠣殻がプッと息を吐き
bulletが恋しい季節です

秋には死んでいるだろう
冬には死んでいるだろう

夏の朝は
牡蠣 ....
メジルシが多過ぎる街を
さまよい続ける男は
メヂカラが強過ぎる小悪魔に
あっさり魅入られて
メクバリし過ぎた日々を
少しずつ取り崩しながら
メベリし過ぎたときめきを
愚かにも取り戻そ ....
ところであなたの結末は
空に聳える塔の上
さらに伸ばした指の先
白い雲の浮かぶ場所
光の中で交差する
きらりと光る紛い物

ところで自分の結末は
八五番の緑色
赤い豚の急降下
離島 ....
弱さを強さで
コーティングした
直立二足歩行の木偶の坊

愚かさを優しさで
マスキングした
なんとなく文化的な唐変木

心という
自滅回路の中で
思い上がっては落ち込んで

 ....
{画像=120721002547.jpg}



曇り空が雨になった
今日も外はたっぷりの湿気と
喉を締め付ける暑さだ
雨滴が大きくなって硝子を叩く

雫が流れていく
交差点は水煙 ....
黄昏時の青空に 
遠く聞こえる 唸り声

暮れゆく山の稜線に
赤く響く 叫び声

黒く染めゆく山肌の
静かに震える 樹々の声

天空高く呼びかける
言葉の辛さ 曖昧さ

生きる ....
西瓜の皮の饐えた
匂い

溶けかけたアスファルトの
執着

潮の香りで擦り剥けた
夜明け

逆光の中で振り返った
誰か

何処から剥がれ落ちたのか
皆目見当がつかない
 ....
知らず知らずに
君を刺していた

心の何処かが軋んで
君を刺していた

誰にだって
有り得ることなんだ
僕達は棘を抱えて
生まれてきたんだから

気をつけていても
何処かの ....
刈り入れ後の田圃
夕暮れ時に老婆一人
誰かを呼んでいる。
腰は幾分曲り膝に手を当てて
前を向き誰かを呼んでいる
視線の先には白い犬が一匹
老婆に向かって息せき切って走っている
懸命に走っ ....
{画像=120712232443.jpg}




陽の当たるところ


その建物は言いました
都会には幾つも建物があるけれど
そのなかでもぼくが一番さ

ぼくは一番大きな建物 ....
先に
想いが渡る

次に
鼓動が渡る

最後に
身体と車輪が
ついていく

川面は
曇り空の下で
もっそりと
黙りこくったまま
10両編成の
小癪なリズムに
渡られ ....
赤いサンダルと
傷だらけの膝小僧
くくく っと
笑いをこらえた君の影が
僕の靴をはらりとかわした

日曜日の太陽は
すぐに傾いてしまうから
それぞれの
背中に淋しさを背負ったまま ....
夏の始まり
山へ向かって
坂を駆け上がり
坂の上の神社から
振りかえった僕の目の前には
静かな港の防波堤の内側
鏡のような水面が見え
防波堤の外側には大きな青い海が広がる
水平線に見え ....
{画像=120705001029.jpg}



小さい頃の僕は
捜している物はいつも
手の届くところにあって
幸せだった


それが一段背が伸びた頃から
少しづつ遠くなった で ....
小川のような楽譜を背泳ぎして
フルートを手にする君
瞳を閉じた音色は
君の夢をまさぐって青い湖に案内する
歌詞はそこで一隻のボート
僕は向かう方向に背を向けて
ひたすら歌いながら漕ぐ
 ....
俺は莫迦話をしたい
とても大変な時期に莫迦話をしたい
とにかく莫迦話をしたい

切迫感の中で莫迦話をしたい
どんなに偉そうなことを言っても自分のことしか話せない人と莫迦話をしたい
他人のこ ....
雨の糸
紡いで布を織る

星の子
風邪を引かぬように

七夕
願い事を書いた短冊

白紙の未来
ペン先がじっとみつめている

願い事
人の数だけあるのだろうけど
根っこのと ....
「怒」


怒れ
とりあえず怒れ

開けろ
風穴を開けろ

亀裂でもいい
そこから侵入しろ

浸透でもいい
じっとり考えながら浸透しろ

正義ではない
生活だ

 ....
夕べ僕はかわいい嫁さんをつかまえるために落とし穴をほっていたが
落ちていたのは中年の酔っ払いだったのでそのまま埋めてしまった
週刊誌の運勢をみたらあまりに悲惨なので世の中を憎んでいた

退屈で ....
明日がやってくる
道すじに
サァァ、サァァァ……と
雨が降る

──誰も寝てはならぬ

けれど
そのうち
雨だれのアリアを
聴きながら
いつのまにか睡ってしまう

今日に
 ....
パン屋の朝は早い。太陽が昇る前には起床。
パンを作る工程は秘密だ。
私がパン作りを人に知られないのには理由がある。
秘密にしないと魔法が上手くかからないのだ。
そう。私は魔法使い。パン ....
渡 ひろこさんのおすすめリスト(2910)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
背の虫- nonya自由詩19*12-8-12
カキ氷- nonya自由詩18*12-8-9
四四年の因縁- ……とあ ...自由詩7*12-8-9
一つ忘れることは_/_新生する自我- beebee自由詩27*12-8-5
盛夏- nonya自由詩18*12-8-4
詩を書く人- ……とあ ...自由詩7*12-8-3
ふさの国の大仏- ……とあ ...自由詩6*12-8-2
ビアガーデン- nonya自由詩16*12-8-1
夏休み- ……とあ ...自由詩17*12-8-1
永訣の朝- beebee自由詩25*12-7-29
- nonya自由詩20*12-7-28
結末- ……とあ ...自由詩17*12-7-24
ジブン_(_ヒト_)- nonya自由詩21*12-7-21
夏の雨_/_浸透水- beebee自由詩27*12-7-20
詩人- ……とあ ...自由詩9*12-7-19
鈍痛の南側の季節- nonya自由詩22*12-7-18
- nonya自由詩19*12-7-14
おふくろの風景- ……とあ ...自由詩17*12-7-12
陽の当たる場所で- beebee自由詩32*12-7-12
鉄橋- nonya自由詩25*12-7-9
かげふみ- nonya自由詩21*12-7-6
港の絵日記- ……とあ ...自由詩13*12-7-5
想像の手を伸ばして_/_ _それは繋がって行く- beebee自由詩29*12-7-4
- 乱太郎自由詩24*12-7-2
ばかっぱなし- ……とあ ...自由詩11*12-7-2
ささやさや- そらの珊 ...自由詩24*12-7-2
刹那的発泡詩_<_2_>- nonya自由詩22*12-7-1
夕べ僕は落とし穴を掘っていた- 梅昆布茶自由詩19+12-6-29
雨の夜- そらの珊 ...自由詩13*12-6-29
#空想の街_#魔法のパン屋- 北大路京 ...自由詩17*12-6-28

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