滲んだ肌に香水が匂う、
視覚からこぼれた淡い影たちが
発せられない声とともに
音もなく、永遠へとむかう
冷たい未来の交じった
柔らかな過去の感触がまだある

つい今しがたも、
昨日も、 ....
あの日
あっというまに難破した僕らは
流木にもなれずに
世界中の海に散らばった

絶え間なく打ち寄せるくらやみの音色に
安心してしまいそうな
ちいさな木片

ほんの少しの誤り
いく ....
日暮れて 日暮れて
ひとりきり
だあれもいない畦道で

日暮れて 日暮れて
ひぐらしの
かなしい歌を聞いていた

かなかなかなかな
どこ行った
僕のおうちはどこかしら

道をな ....
僕らは生まれる前から 死への歩みを始めてる
親を選べることなく 浮き世へ放り出される

遺伝子と環境によって 能力値が決まっていく
裕福な家庭に憧れ 指をくわえ妬んでいく

  運命は切り ....
水中ではうたもうたえない
だけど泣いたってわからない
ささやかなゆれはわたしの体温になって

さかなたちの集うよるがくれば
ふやけた指先からあふれていく
あらゆる目線の延長上 ....
駅ナカのカフェで一休み
こんな時は甘いもの欲しかったりして
ストレス解消だからと自分に言い訳

隣の席にはおんなのひとがふたり
何やら話し込んでいる

意味深そうな話
そして遠い世界の ....
星のみえないまちで
拾った青黒い石を
隕石標本だといって
ポケットにしまう

今夜、星をわけよう
はくちょうと
おやこのくまは
君にあげる
いっかくじゅうさえ
あればいいんだ

 ....
隣の部屋に 弟と 女の影が吸い込まれ
床がきしむ音がする 蛍光灯の紐が揺れる

少し大きいボリュームで B.G.Mをかけてれば
話しは しづらいだろう マスキングのつもりかな


あの ....
牛がこない
遅れるなよと言ったのに
メールさえ返ってこない
電源を切っているのだろう

遠くに
うすちゃ色のまーぶるがみえる
きっとあれだ
おーい、と呼ぶ
MOO―、と感情を長くのば ....
  白い肌 黒い髪 紅い唇

  細い腕 長い指 甘いくちづけ  


全部奪いたい 独り占めにしちゃいたい 
全部奪いたい 独り占めにしちゃいたい 
幼そうに聞 ....
遠方の空から
羊の手紙が届く

あなたは
読みかけの夏に
栞をはさむ

本棚にある
羊の数ほどの秋は
夢から覚めたばかりの
赤い枕だった

隣では不眠症の女が
羊を数えながら ....
俵万智
口説くつもりで
{ルビ三十一=みそひと}の
詩をしたためて
いったりきたり
あるひとが言った

  世の中の戦争は
  おとこが起こしたもの
  おんなには罪の無いはなし

そして
ほかのあるひとが言った

  そんなおとこを産み
  育てたのは
  わ ....
夏ごとに
おしゃれになってゆくおまえが
自慢のミュールで前を行く
{引用=
(なぁ、おまえが選んだっていう
(このお父さんの水着
(ちょっと
(トロピカル過ぎやしないか

いつか
 ....
今日一日の出来事で
何か詩の題材になりそうなことはなかったかと
思い出しながらパソコンに向かう

その程度で詩はやってこない

一度机から離れ
床に寝転がり
明かりを手で遮って眼を ....
玄関の向こう側で
人の声がする
それは私の知らない人の声

玄関の向こう側で
行き来する自動車の声がする
それは忙しいと街が嘆いている声

玄関の向こう側で
ジェット戦闘機の声がする ....
トイレで用を足したなら
ちゃんと流す

それがおとなの対応

いくら大好きな彼のであっても
普段は決してあからさまにすることの無い
若かった頃の女性遍歴やら
誰かと何を食べたのか見せつ ....
抑えられて ふくらむ青
咳一つごとに 飛び散る景色
定まらぬ正中線が
欠片を探している

打ち上げられた海鳥が一声鳴いたとか

なぞったものを 刷り込めば
たがうことなく歩む夏
しば ....
目の届かないところで 何度も僕は殺されていた
気づかないままでいられたら まだ歌を唄えただろう

誰が見るわけでもないのに 淡い紅の線を引いていた
覗き込む鏡もないのに どういうつもりでいるの ....
眠れない朝にあなたを思う


夜を通り抜けて
窓越しに出逢うあさやけは
そこはかとなくかなしい


あなたを抱きしめるだけの日々に
空で時を知ろうとしなかったから
この ....
庭の犬小屋に繋がられている犬
2年3ヶ月とちょっと

俺の部屋は2階
窓から見下ろすと
いっつも目が合う


犬が笑う


それも目が笑ってる
三日月だ
不気味な程笑ってる
 ....
余韻は鮮明に
昨夜の熱気を絡ませる
臆病風は自然に溶けて
二人の視線を交差させていく
互いの笑顔を抱きしめた
霧の繁殖する蒸し暑さ
それすらも愛しいほどに
胸の高鳴りは
あなたを求めて ....
今日と明日の夜の谷間に
微かだが
感じるあなたのため息
ソプラノ歌手よりも
こころに染みる
透き通ったそのひとの言葉
最上の音楽に聞こえる

胸のふくらみがさらに大きくなり
木管の寂 ....
昔、
暗やみがまだ
鏡の名前を持っていた頃は
安堵という美しさが
ありました

魔性は
ていねいに拒んでいたのです
だれかの
定義の外側を
上手に棲んでいたのです


 ....
どうせなら 今宵
青 噛んで 殺りましょ
呆れるほど 月が眩しいし
余韻など 無い方が好い
明日の朝には きっと
顔も 思い出せないから
だから 言葉なんかで
繕ったりしないで
あたし ....
秒針の刻む音が 目に見えない傷を増やしていく
咳をする度に痛む頭 鏡では見えない残りの日々

敏感な周囲 細心の注意
気配り 気疲れ 気を失って倒れても
自業自得だと 無情な此処の性格
 ....
べれいれん…だなんて
あのひとが新聞に目を落としたまま
ひとりごとを言ったような

ヴァンヘイレンがどうしたのだなんて
おまぬけな返事をしてしまった
わたし

べ平連
ベトナムに平和 ....
黄昏をそっと飲み込む部屋で
夕闇の迫ってくるのを
静かに 待つ

大いなる大地の
昼と夜を
この地球が音もなく航行するのを
額のにじむ汗に微風を感じながら

夕闇の光で織る
繭玉を ....
真新しいブラウスの
短い袖がまぶしいね
軽やかにステップ踏んで
夏の扉に飛び込もう

光の娘たちが踊る夏の道で
いつも空を見上げていたね
湧き立つ雲の{ルビ眩=まばゆ}さに心魅かれて
 ....
水曜日の4時間目 窓に映る貴女
名前は何というのでせう
クリッとした大きな瞳が印象的なので
「ヒトミ」と 勝手に名付けさせていただきました

しぐさの ひとつひとつに ため息がこぼれます ....
渡 ひろこさんのおすすめリスト(2910)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夜の軋み_★- atsuchan69自由詩11*07-8-19
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これから- 北大路京 ...自由詩7*07-8-17
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水辺のタトゥー- 恋月 ぴ ...自由詩15*07-8-17
流星のふりつもる夜は- 佐野権太自由詩15*07-8-15
ヨル- 北大路京 ...自由詩18*07-8-14
牛とあるく- 佐野権太自由詩24*07-8-13
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玄関- 乱太郎自由詩24*07-8-7
笑って許して- 恋月 ぴ ...自由詩17*07-8-6
夏しずか- 木葉 揺自由詩707-8-5
ずっと- 北大路京 ...自由詩18*07-8-5
眠れない朝に_- Rin K自由詩39*07-8-5
人犬条約_〜人が先なのは人の立場から〜- 酸素の枷自由詩2*07-8-4
微熱- 見崎 光自由詩3*07-8-4
秒針- 乱太郎自由詩12*07-8-3
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青_噛んで- 大覚アキ ...自由詩3*07-8-3
- 北大路京 ...自由詩9*07-8-2
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繭の部屋- アハウ自由詩8+07-8-2
夏の瞳- 未有花自由詩12*07-8-1
授業中- 北大路京 ...自由詩6*07-7-30

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